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現役二輪ジャーナリストが教える!フルフェイスヘルメット6つの種類と自分にあった選び方

相京雅行下町のバイクパーツメーカー/ディレクター

バイクで事故を起こしてしまった場合、死亡原因第一位は頭部に怪我を負う事です。

その為、ヘルメットは身を守るための大事な装具の一つ。

数あるヘルメットの種類の中で防御力に優れているのがフルフェイスヘルメットです。

近年フルフェイスヘルメットも様々な価値観から多様化しています。

そのため、

「フルフェイスヘルメットの防御力が優れているのはわかった。じゃあどんな基準で選べばいいの?」

という方も多いと思います。

僕は取材で様々なヘルメットを使わせて頂いているので、今回はフルフェイスヘルメットに限定して選び方を説明したいと思います。

フルフェイスヘルメットのジャンルを確認する

メーカーが明確にジャンル分けしているわけではありませんが、僕は以下のようなジャンルに分かれていると思っています。

  • システム
  • クラシック
  • 多機能
  • 軽量
  • レース
  • ベーシック

フルフェイスヘルメットに関しては概ね上記6つのジャンルに分かれています。

それぞれの特徴を紹介します。

システム

SHOEIのシステムヘルメット NEOTEC2
SHOEIのシステムヘルメット NEOTEC2

フリップアップヘルメットとも呼ばれています。

最大の特徴は顎の部分からガバッと稼働させることが可能で、開けてしまえばジェットヘルメットのシールドを開けた時のような開放感を得ることができます。

反面パーツの点数が多くなってしまうことで開発に時間がかかり、新作がリリースされる頻度が遅くなりがち。

またヘルメット本体も通常のヘルメットと比べると重くなってしまうのがデメリットといえます。

クラシック

SHOEIのクラシックヘルメット グラムスター
SHOEIのクラシックヘルメット グラムスター

近年急激に流行りはじめています。

レトロなイメージを作るために懐かしさを感じるデザインを採用してます。

デザインはレトロですが、性能的には最新の技術を採用しているため安全性は全く問題なし。

ただデザイン重視なので他のヘルメットに比べると静粛性やベンチレーション、空力性能などは劣ります。

反面機能がシンプルなため軽量な製品が多いのも特徴的です

多機能

サンバイザーや専用インカムスペースが採用されたSHOEI GT-AIR2
サンバイザーや専用インカムスペースが採用されたSHOEI GT-AIR2

多少の重量増には目をつむり、ツーリングの快適性を重視したのが多機能モデルです。

シールドとは別にインナーサンバイザーを採用していたり、ヘルメットの脱着が簡単になるラチェットシステムを採用しているモデルが増えてきています。

近年では更にツーリングライダー必須アイテムとなっているインカムをスマートに装着できる製品や曇り止めのピンロックシートを標準装備にしているモデルも登場しています。

軽量

僕が愛用中の'Z-7の後継モデル Z-8
僕が愛用中の'Z-7の後継モデル Z-8

主にライト&コンパクトを目指したモデルです。

特に毎日バイクを使うライダーはヘルメットの重さが肩や首への負担になります。

オプション的な機能はあまりありませんが、その分軽量でコンパクトにしようという考え方です。

身長が低いライダーや女性はヘルメットが大きいとマッチ棒シルエットになりがち。

ヘルメット着用時の見た目を気にするライダーにもおすすめです。

レース

SHOEIのマルケスレプリカモデル X-14
SHOEIのマルケスレプリカモデル X-14

バイクの最高峰ロードレース MOTO GPなどでも使われるトップモデルです。

レーシングポジション時の空力性能に特化しています。

もちろんレースでの集中力を切らさないための快適性も重視はしていますが、トップレベルの安全性や空力性能を持たせるために様々なパーツが追加されており重量は重くなりがち。

またレーシングポジションで使う事を前提に開発されているため、前傾のきついスーパースポーツ以外では充分に性能を発揮できないこともあります。

ベーシック

ベーシックモデル SHOEI RYD
ベーシックモデル SHOEI RYD

一言でいえば価格重視のモデル。

日本のヘルメットメーカーの製品はどうしても価格が高くなりがちですが、価格を抑えたエントリーモデルです。

ですが逆に言うと良いとこどりのバランス型モデルともいえます。

安全性はもちろんですが、空力、ベンチレーション、静粛性など基本的なヘルメットの性能は充実しています。

自分が重視するポイントで選べば間違いなし!

毎日バイクに乗るという方であれば軽量なタイプがおすすめですし、たまのツーリングで使いたいというのであれば多機能タイプがおすすめ。

ネオクラシック系のバイクに乗っている方やデザイン重視で選ぶのであればクラシック系が良いでしょう。

サーキット走行が好きな方やスーパースポーツバイクに乗っている方はレーシーなモデル。

煙草愛好家の方はヘルメットを脱がずに吸えるシステムが良いかもしれません。

まだコダワリがそんなに無いというのであればベーシックタイプで問題ありません。

このようにヘルメットはそれぞれ特徴が異なりますので、自分が重視するポイントで選べば間違いありません。

是非ヘルメット選びの参考にしてください。

動画で解説を見たい方はこちら

下町のバイクパーツメーカー/ディレクター

下町の小さいバイクパーツメーカーで番頭を務めています。面白い事には大抵首を突っ込みます。ワークマンでアンバサダーをやっていたり、オールアバウトでバイクガイドを担当していたりします。

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