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トリシティ300のスタンディングアシスト機能が一番活躍するのは台風の時?

相京雅行下町のバイクパーツメーカー/ディレクター

現在ヤマハだけが販売しているフロント二輪バイク。トリシティ125/155、NIKEN、トリシティ300と4台がラインナップされていますが、その中でもトリシティ300だけに搭載されている機能がスタンディングアシストです。

ヤマハモーターサイクル市販車としては初めて採用されたもので、車体の傾きを制限し、自立をサポートする機能となります。簡単に言っちゃえば車体を支えなくても倒れなくなる機能なのです!

作動させる条件は4つ、時速10km以下、スロットル全閉、回転数が2000rpm以下、そしてスタンディングアシストボタンをオン!していることです。ちなみに一度ライディングアシストモードを起動させるとメインスイッチオフの状態にしても維持されます。

こんなのいつ使うんだよ?その機能必要ある?っていうのが正直な僕の感想でした。以前一度試乗したこともあるのですが、とりあえず作動はさせてみるものの、使いどころは「特にない」といった感じだったのです。

今回久しぶりにお借りして2つ実験をしてみたところ、一つは大失敗、もう一つは大成功ともいえる成果を上げました。

1:タンデムする際に後ろに人を乗せる時。

通常タンデムする際は運転するライダーが先に跨って車体を支え、タンデムする人が乗り込む形になります。センタースタンドやサイドスタンドを使って先に乗せる方法もありますが、不意に傾いて倒れてしまうリスクがあります。

パーキングレバーとスタンディングアシストを併用することで安全に乗り降りすることができるのでは?と思ったのですが、実際にステップに足をかけてみたところ、バイクが転倒しそうになる事態に。。。

一定以上の荷重をかけるとアシストしきれないようです。。。あくまでアシストってことなんですね。

2:台風など風が強い時

これ・・・僕・・・天才か!と思ってしまったぐらいの発見なのですが、スタンディングアシストは起動させた時に傾けていた角度で固定されます。つまり垂直状態でなくても作動するんです。

風が強い時はセンタースタンド、サイドスタンド両方ついている場合にはサイドスタンドを使うのがセオリー。センタースタンドは荷重がセンタースタンド1か所にかかりますが、センタースタンドは前後タイヤ、スタンドの3か所にかかります。

そのためサイドスタンドの方が安定します。ですが左側から風が強く吹くと車体が倒れてしまうリスクもゼロではありません。

サイドスタンドを立てた状態でスタンディングアシスト機能を作動せると角度が固定されるため、車体が起きません。この状態なら強風が吹いても維持されるはずです。

転ばない技術を目指してヤマハが開発したLMW。技術は進化の途中ですが、ユーザーの工夫次第で色々な使い方ができるかもしれません。

動画ではスタンディングアシストの具体的な動作などをチェックしつつ、有効性を実験しています。

下町のバイクパーツメーカー/ディレクター

下町の小さいバイクパーツメーカーで番頭を務めています。面白い事には大抵首を突っ込みます。ワークマンでアンバサダーをやっていたり、オールアバウトでバイクガイドを担当していたりします。

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