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PCX160より5万円高いADV150を買う意味はある?

相京雅行下町のバイクパーツメーカー/ディレクター

筆者の年代で150ccと言えばスズキのベクスター150でした。

高速道路を走ることができる排気量ではありますが、ベクスター150は前後10インチの小径タイヤ、幅も現行車両と比べれば50cc並みという装備でした。

ですがヤマハのマジェスティSリリース以来、高速道路もある程度快適に走行できる走行性能と街中の軽快さを併せ持つ150ccクラス車両が増加。

今では人気の排気量となりました。

そんな中でも、今買うべきなのか?とちょっと迷ってしまう車両が一台あります。ADV150です。

唯一無二のSUV的150スクーターADV150

ADV150はPCX150をベースに前後サスペンションを強化。リアサスペンションにはリザーバータンクを備えるなど豪華な足回り。

タイヤにはブロックパターンを採用してオフロードっぽいスタイㇽに。

流線形のPCXと比べてタフでアクティブなスタイリングデザインを採用し、このクラス唯一のアドベンチャースクーターとなっています。

価格差の5万円をどうとるか?

PCX150は排気ガス規制に対応すると共に排気量をアップしてPCX160に。

しかもこのモデルチェンジによる値上げは数千円単位で、ほとんど金額が変わりませんでした。

もともとPCX150とADV150は価格差が5万円程度ありましたが、排気量がアップしてパワフルになったPCX160。

今、PCX160を選ばずにADV150を選ぶ意味はあるのでしょうか?

スペックだけ見たら意味はないけど、見て、乗ればわかる

スペックや価格差だけ見ると高額なADV150を選ぶ意味はないように思います。

ですが、実際にどちらも試乗してみるとADV150にしかない魅力があることに気が付きます。

1:質感の高さ

実際にADV150を見てみると各所質感が高いことがうかがえます。

パーツ開発に携わっていた人間としては、リアのタンク付きショックだけ見ても「これは高いな」と感じさせます。

マフラーのサイレンサーも原付っぽいPCX160のサイレンサーと見比べると、高級感があります。

ハンドルにはオフロードや排気量の大きなバイクに採用されることが多いファットバーを採用。150ccスクーターには豪華な装備です。

2:実用性の高いスクリーン

PCX160にもスクリーンはついていますが、初代から「見た目を整えるためにつけた」という印象。

それに対してADV160のスクリーンは実用性充分。二段階に調整可能ですが、ローポジションで顎から下、ハイポジションだとヘルメットの上まで風が緩和されます。

元パーツメーカー中の人としては、PCX150の最終型からスクリーンの取り付けが複雑になりました。

社外パーツメーカーとしては複雑な形状にするしかなく、結果製品は高額で取り付けも手間がかかるようになりました。

対してADV150は取り付けが簡単なので、更に大きなスクリーンに変更するとしても価格が安く、取り付け工賃も安価なはずです。

3:加速の違いはたいして感じない

ADV150はPCX150をベースに低中速の加速重視にセッティングが変更されています。

そのため、排気量がアップしたPCX160に乗った後でも加速性能に不足を感じることがありません。

高速道路も走ってみましたが、80kmはどちらも余裕で安定感があります。

100km走行になると、どちらもエンジン回転が高回転に。どちらかと言えば、前後サスペンションの長さに余裕があるADV160の方が余裕があったかもしれません。

オフロード走れないなら意味ないというコメント見かけますが・・・

アドベンチャーっぽい見た目のスクーターなので、メディアなどでも林道などでの走破性がクローズアップさせることもあります。

またネットの掲示板などを見ると、オフロードを走らないならADV150を選ぶ意味がないというコメントを見かけることも。

ですがあくまでスクーターとオフロードバイクのクロスーバーという立ち位置で、車でいえばSUVというイメージ。

そのためゴリゴリにオフロードを走るような仕様ではありません。

どちらかと言えば、サスペンションストロークを伸ばしたことで乗り心地が良くなり、スクリーンが付いていることで中長距離の走行性能がアップしている印象です。

そのため平日は通勤や通学、週末は中長距離のツーリングに使いたいという方はADV150の方が向いています。

どうしても排気量が大きいPCX160が魅力的に見えますが、実際に車両を見ればADV150は質感が高く、乗ってみれば走行性能も負けていません。

用途によってはADV150の方があっているかもしれないので、要チェックです。

下町のバイクパーツメーカー/ディレクター

下町の小さいバイクパーツメーカーで番頭を務めています。面白い事には大抵首を突っ込みます。ワークマンでアンバサダーをやっていたり、オールアバウトでバイクガイドを担当していたりします。

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