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原付二種用途別にナンバー1車種を試乗した中から紹介します

相京雅行下町のバイクパーツメーカー/ディレクター

電動アシスト自転車や電動キックボードなどにコミューターの登場に50ccスクーターは大幅に販売台数を縮小しています。

反面不便は時速30キロ規制や二段階右折を必要とせず、二人乗りも可能な50cc超125cc未満の原付二種クラスが人気となっています。

車を所有していれば手厚いファミリーバイク特約に安価で加入することも可能です。こういった背景から近年では原付二種クラスの人気が高まっています。

通勤から週末のレジャーまで便利な原付二種ですが、車種によって得意、不得意が分かれます。

今回は今まで試乗した原付二種クラス中で用途別にナンバー1をご紹介します。

通勤・通学で使うならナンバー1:リード125

近年の原付二種クラススクーターナンバー1ヒットと言えばPCXですが、通勤で使用するならリード125の方が使い勝手に優れています。

まずシート下の容量は37Lと原付二種クラスでもトップクラスの収納力。加えてリアキャリアが標準装備となっています。

かつてスズキがアドレスV125成約時にGIVIのリアボックスをプレゼントするキャンペーンを実施してから通勤バイクにリアボックスを付ける文化が浸透しました。

リアボックスを装着するためにはリアキャリアが必要ですが、リード125はリアキャリアが標準装備。

またリアキャリアのデザインによっては汎用のリアボックスが付かないものもありますが、リード125のリアキャリアにはgiviなどの汎用ベースが装着できます。

ハンドル下には小物収納スペースを備えており、ペットボトルを入れるのが可能。更にUSB-type Cソケットを備えています。

フラットステップは荷物を置くのに便利で、コンビニフック付きなので、エコバッグなどをかけることも可能です。

ここまで至れり尽くせりなので、利便性に目がいきがちですが、走行性能の評価が高いPCXと同じエンジン搭載でPCXと比べて16kgも軽量なため走り出しの加速感はリードの方が優れます。

加えてフロントタイヤは12インチで90mm幅、リアタイヤは10インチで100mm幅と小径で幅の細いタイヤは小回りに優れ、混雑した街中でも軽快なフットワークをみせます。

ツーリングで使うならナンバー1:CB125R

これは正直チートと言っても過言じゃないです。兄貴分のCB250Rの車体周りを使い、水冷OHC125ccエンジンを搭載したのがCB125R。

もともと250ccのパワーに耐えられるように設計された車体や足回りを採用しているため安定感は段違い。

驚きなのはタイヤサイズが前後17インチ、フロント110mm、リア150mmと250ccクラスと同等のサイズを採用していること。特にリアタイヤは一般的な250ccロードスポーツよりワンサイズ太いサイズを採用しています。

これだけ大きなタイヤを採用していると、125ccエンジンでは動きが重くなるのでは?と思いますが、そんなことはなく動きは軽快です。

試乗した際の燃費は43km/Lで、タンク容量は10Lなので連続航行距離は430km。東京駅から鈴鹿サーキットまで下道で走って420kmぐらい。所要時間は9時間30分です。。。

125ccクラスの他車種と比べて前後サスペンションのクッション性に優れている点、シートの座り心地が良いことから長距離走行時のお尻の痛さも軽減されます。

これはちょっと同じ土俵で考えちゃいけない車種かもしれません。

カスタムするならナンバー1:シグナス グリファス

今のご時世を考えればナンバー1はCT125 ハンターカブかもしれません。製造国のタイはカスタムが流行っており、数多くのカスタムパーツメーカーが誕生し、一部パーツは日本にも入ってきています。

ですが、原付二種クラスのカスタム文化を牽引してきたのは、まぎれもなくシグナスXでした。シグナスXの生産国台湾では草レースが流行っており、ベース車両として使われています。

SS1/32mileという50.29mを走るドラッグレースでは台湾のチームがNOSを搭載したシグナスXで2秒757という驚異的なタイムを叩き出したのだとか。

日本ではアフターパーツメーカーのKN規格と台湾のKOSO社が共同でシグナスX用のDOHCキットを開発して販売。KN規格もレースで実際に走らせました。

もともとシグナスXの1型から3型までは駆動系をいじらないと走り出しが遅かったこともあり、シグナスXをカスタムするユーザーが激増しました。

現在はシグナスXから後継のシグナス グリファスにバトンタッチ。エンジンはNMAXと共通のブルーコアが採用され、前の型から一新されました。

ですがシグナスX同様に生産は台湾ヤマハが行っているため、台湾国内でアフターパーツの生産が行われており、KN規格のホームページを見てもインジェクションコントローラー、インジェクター、ホイール、前後サスペンションなど走りに関するパーツがてんこ盛り。

やっぱり今でも走りに関するカスタムならシグナスシリーズの最新車種、シグナス グリファスが一番です。

コスパナンバー1:ディオ110

殆どが30万円以上、40万円以上の車種も出てきている原付二種クラスで24万5300円と破格なのがディオ110です。

海外では110ccクラスが日常で使うコミューター、125ccクラスはちょっと贅沢な趣味領域として分かれている国もあります。まさにディオ110は海外でコミューターとして使われるために開発された一台といえます。

日本の道路は綺麗に舗装されているところが多いですが、海外では事情が異なるため悪路の走破性が高い14インチタイヤを採用。

2011年登場の初代モデルは走り出しのトルクやパワー感が不足し、遅いな・・・と感じることもありましたが、2015年、2021年にフルモデルチェンジし、法定速度内では不満を感じることがなくなりました。

惜しむべくはリアボックスを装着する際に、汎用品は穴位置が合いにくい事と純正品は総額で2万8050円と高額なこと。

ただそれを差し引いても価格的には魅力ですし、現行モデルはなんとスマートキー対応となっています。

最後に自分が欲しい一台も・・・

今はカタログ落ちしてしまいましたが、僕はアドレスV125に乗っています。

9歳になる子供が生まれた時に購入したもので、リアボックス付き、ステップもフラットなのでおむつやミルクを買いに行くのに大活躍しました。

近所を走る用途にしか使っていないので、走行距離も2万キロちょっとですが、子供も大きくなってきたし、そろそろ原付二種も趣味よりにしたいところ。

そんなわけで現在はスーパーカブ110が欲しい欲にかられています。。。

下町のバイクパーツメーカー/ディレクター

下町の小さいバイクパーツメーカーで番頭を務めています。面白い事には大抵首を突っ込みます。ワークマンでアンバサダーをやっていたり、オールアバウトでバイクガイドを担当していたりします。

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