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そば処 花扇(かせん)【会津美里町】水車の石臼挽きそば粉による十割蕎麦 汁は3種の提供で嬉しい

あいづ くらし地域情報発信ライター(会津若松市・会津美里町)

休みの日は飲食・観光・会津ぶらぶらしています「あいづ くらし」です。

花扇のざるそば/ざるうどんは3種の汁つき

  • そばたれ(蕎麦つゆ)
  • 高遠(辛み大根のつゆ、会津 高遠そば *1)
  • 鳥たれ

の3味のつゆがついてきます。
多くの店では大抵、別々の注文で提供されるものです。
それなのに、ざるそばで800円、ざるうどんが700円です。
蕎麦にいたっては、水車の石臼挽きそば粉による十割蕎麦ですから、ポイント高しです。

観音セット (天ざる大盛り)

花扇の隣接地に、会津三十三観音 第二十五番札所 領家観音(りょうけかんのん)堂があります。「観音セット」は、この観音菩薩に因んでの命名と思われます。

蕎麦つゆ

写真 左から、蕎麦つゆ、辛み大根つゆ、鳥タレ。先述した3味のつゆです。
蕎麦つゆ、辛み大根つゆは冷たい汁、鳥タレが温かい汁になっています。

会津では「高遠そば」をメニューにする蕎麦屋は多いのですが、辛み大根の汁を出すだけのところが多く、自分の好みで蕎麦つゆと合わせて食べます。
味変を楽しむような感じで、美味しくはあっても手を打って喜ぶというほどではないのが普通。ところが、花扇の辛み大根つゆは手を打って喜びたくなるほどの美味しさ。
味が整えられていて、そのまま蕎麦をつけて食べれます。
辛みも程よくさっぱりで、蕎麦の味を引き出しています。
辛み大根は季節や時期で味も変わるでしょうが、「高遠そば」の美味しさを再発見したような気分。

蕎麦つゆ、鳥たれは、かなり控え目な感じ。
蕎麦メインではあるのですが、鳥たれはもう少し(ほんの少し)濃厚でも嬉しかったかも。
(蕎麦が大盛りだから、そう感じたのかも知れませんが)

石臼挽き(いしうすびき)そば粉 十割蕎麦

石臼(いしうす)でゆっくりと時間をかけて蕎麦の実を挽くことで、熱や摩擦による影響の少ない、蕎麦本来の味や風味のそば粉が作れます。
石臼挽きそば粉がどれほど流通しているものかは知りませんが、希少で価値のある蕎麦粉であることはわかります。花扇では、近くの水車小屋(後述)で蕎麦を挽いています。

写真は「大盛り」です。
山盛りになっているのが「大盛り」で、普通盛りは、ざるの上に平盛りになります。
他の客のを観察しました。盗み見ではありません(笑)。

この蕎麦が上品で旨い。
生蕎麦って茹でるのも難しいのですが、茹で上がり、水切りもしっかり、食感も宜しく風味もあって、これぞ「蕎麦」。

天ぷら

ちょっと見では、やや少なく思いましたが、天ぷらは単品で450円なので高くはありません。
蕎麦を味わうにはちょうど良い量。

綺麗に揚がっていて嬉しい。
サクサクのホクホクで素材が活きている。

かけ蕎麦 + 天ぷら

連れの注文。
あげ玉付き。
そば汁は味が控え目。
蕎麦の風味や味を邪魔をしないちょうど良い塩梅。
温でも冷でも美味しい蕎麦って凄い。

店内

縁側。
古い民家改装の店です。

欄間があるし。
天井と鴨居との間に設けられる開口。
個人的には、欄間があるのは「立派な屋敷」という勝手なイメージ。
欄間のある柱と縁側との間が狭いように思うのだけど、どんな風に使われていたのか気になります。

北側(玄関の反対側)にも部屋がありました。

待合席

外にも椅子があって外でも待ってましたが、中にも待合席があって、順番に移動しました。
会津ゆかりの品やら、会津美里町ゆかりの品やら、いろいろ。

店舗

駐車場 看板

駐車場は十分に広い。
赤い屋根が、「会津三十三観音 第二十五番札所 領家観音(りょうけかんのん)」です。

駐車場の左端から入っていきます。

門 暖簾 野菜無人販売所

店舗はずっと奥です。

暖簾があります。
この写真の右側が野菜の無人販売所になっていたので、帰りに少し買いました。

店舗 外観

会津三十三観音 第二十五番札所 領家観音(りょうけかんのん)

店の方から、門を振り返って見たところ。
右手に領家観音観音堂があります。店は領家観音観音堂のすぐ裏手になります。

水車小屋

店舗の建屋の裏手に水車小屋があって、水車が回っていました。

自然の力でちゃんと働いている、凄いな。

会津 高遠そば *1

会津松平家の初代藩主 保科正之(ほしな まさゆき)は、徳川2代将軍 秀忠の隠し子として、信州高遠藩の保科家で育ちます。その後、出羽山形藩、陸奥会津藩へと加増移封されましたが、無類の蕎麦好きであったので、蕎麦職人や穀屋を連れてきました。
会津の人達が「高遠からきた人達の蕎麦の食べ方」として伝わっているのが 会津の高遠そばです。
高遠藩とは、長野県信州伊那地方にあって、信州蕎麦発祥の地と考えられている土地で、1998年に伊那の昔からの蕎麦の食べ方も「高遠そば」と命名され、お里帰りをした感じ。
伊那では、焼き味噌と辛み大根を使いますので、会津の高遠そばとは異なるのですが、これも長い月日の中の歴史の変転の妙でしょう。

【そば処 花扇(かせん)】
住所:〒969-6212 福島県大沼郡会津美里町藤家舘領家191
営業時間:11:00~15:00(LO 14:30)
定休日:月曜日
(祝祭日は営業、翌日が休みになります)
地図、ナビ用リンク

福島県昭和村と会津美里町を結ぶ国道401号博士峠バイパスが、今年(2023年)9月10日に開通予定です。花扇(かせん)の前の道路、会津高田上三寄線は国道401号線に接続しますので、バイパスが開通すれば、もう少し立ち寄り易くなります。

* 本記事はライター「あいづ くらし」の主観に基づいています。
本内容に対しまして、Yahoo及び店へのお問い合わせはご遠慮ください。

地域情報発信ライター(会津若松市・会津美里町)

福島県 会津地方をブラブラして紹介するサイト「会津暮らし」を運営。縁があって、Yahoo!ニュース エキスパートの地域クリエイター(担当:会津若松市・会津美里町)になりました。

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