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【江別市】子供盆おどり唄歌碑にみる歌詞の違い「ちゃんこちゃんこ」ではない事実に衝撃

赤レンガ江別市情報サイト「えべナビ」編集長(江別市)

北海道民なら間違いなく知っている盆踊りの曲「子供盆おどり唄」。夏のお祭りで流れてくる北海道ローカルの盆踊り唄です。実はこの子供盆おどり唄の歌碑が江別市野幌公民館の裏手に立っています。江別市民でも存在を知っている方があまりいない…。というわけで、2022年現在の歌碑の様子と、道民が覚えている歌詞と実際の歌詞が違うという衝撃の事実をご紹介します。

子供盆おどり唄歌碑の場所は野幌グリーンモール噴水脇

野幌グリーンモール噴水
野幌グリーンモール噴水

「子供盆おどり唄」の歌碑がある場所は、江別市野幌町にある「野幌公民館」の裏手で、野幌グリーンモール(散歩道)の噴水付近になります。この噴水広場も長年野幌で愛されている憩いの場で、特に夏場は子どもたちが入って水遊びができるため、たいへん賑わいます。

子供盆おどり唄 歌碑
子供盆おどり唄 歌碑

こちらが「子供盆おどり唄」の歌碑。しっかりとした台座に、本を開いたような形の碑が乗っています。歌碑は2002年(平成14年)に設置されたようですが、20年を経た今年2022年も痛み等がなくキレイな状況でした。

北海道中で愛されている「子供盆おどり唄」の歌碑がなぜ江別市にあるのかというと、作詞をした坪松一郎氏(茨城県出身)が学生時代に江別市に移住し、市内の小学校で教員をしていた際に作詞をしたという経緯があり、その功績を称えるためこの歌碑が建てられたということです。

道民も大泉洋さんも間違っていた歌詞「ちゃんこちゃんこ」

ではここで歌碑に刻まれた本家本元の歌詞を見てみます。

子供盆おどり唄
そよろそよ風牧場に街に
吹けばチラチラ灯がともる
赤くほんのり灯がともる
ホラ灯がともる
シャンコシャンコシャンコシャシャンがシャン
手拍子そろえてシャシャンがシャン
笛も流れる太鼓もひびく
風が流れる中空に
手拍子そろえてホラおどれ
ホラおどれ
シャンコシャンコシャンコシャシャンがシャン
手拍子そろえてシャシャンがシャン
郷土童謡詩人 坪松一郎

サビの部分では「シャンコシャンコ」と記載されており、この部分の歌詞をみて「あれ?」と思われた方は多いのではないでしょうか。実際のところ北海道民の殆どの方は「ちゃんちゃんこ」だと思っている方が多いはずです。

江別市出身の大スター・大泉洋さんも以前、水曜どうでしょうの中にて「ちゃんちゃんこ」と歌っていました(放送時の字幕も「ちゃんちゃんこ」)。

しかし「ちゃんちゃんこ」が完全な間違いだったのか、というと実はそうではないという点がまた話のややこしいところなのです。

元祖は「シャンコシャンコ」だったが、後年歌詞が「ちゃんちゃんこ」に変わる

元祖となる「子供盆おどり唄(歌:持田ヨシ子)」盤が出たのは1952年(昭和27年)で、この当時は歌詞が「シャンコシャンコ」であり、歌は3番までありました。

その後、1995年(平成7年)にタンポポ児童合唱団版の「子供盆おどり歌」が発表されます。こちらの歌では「ちゃんちゃんこ」と歌われています。この曲が発売された当時のカセットテープがA面・B面とも5回連続演奏(片面当たりの収録時間は23分)、さらに歌詞は8番まで増えていたとのことで、盆踊り会場で使用するには使い勝手が良かったことからこちらが主流になったようです。

ですので1995年以降に盆踊りに参加していた方が「ちゃんちゃんこ」と覚えていたのはむしろ正解だったということになります。

ちなみに『タンポポ児童合唱団版、子供盆おどり歌』は歌詞改変の理由から廃盤となっていて、現在は2005年(平成17年)頃に発表された野幌版「子供盆おどり唄」が多く聴かれているということです。歌詞はもちろん「しゃんこしゃんこ」に変更されています。

「しゃんこしゃんこ」は馬の鈴の音を表現したものとのことで、当時の北海道の時代を感じさせる素敵な表現ですね。

子供盆おどり唄 歌碑 裏面
子供盆おどり唄 歌碑 裏面

歌碑の裏側には作詞をした坪松一郎氏の詳しい経歴が書かれています。「子供盆おどり唄」誕生50年を記念して碑が建立されたことが刻まれていました。

子供盆おどり唄 歌碑の場所

〒069-0813 北海道江別市野幌町13−13

江別市情報サイト「えべナビ」編集長(江別市)

北海道江別市在住。二児の父。月間100万PV超の地域情報サイト「えべナビ」編集長として地域の役に立つ情報を毎日お届けしています。10年ほど前に東京から北海道へ移住した経験を持つ。趣味は鉄道駅巡りでJR北海道全駅下車済み。江別市徘徊がライフワーク。

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