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【長野県軽井沢町】大人の朗読会へ。「中軽井沢図書館」1月の作品は、福永武彦『愛の試み』

akariフリーエディター(軽井沢町・御代田町)

楽しみにしていた新年最初の朗読会へ。場所は中軽井沢駅に直結している、軽井沢町立「中軽井沢図書館」。

2021年の4月より毎月1回「軽井沢を読む」と題して行われている朗読会は

今回が8回目(全9回)。毎回、新旧作家による軽井沢を舞台にした作品が取り上げられていています。

会場ですぐ目に入った福永武彦さんの掛け軸?これは何?(写真は文学アルバムから35歳頃のポートレート)
会場ですぐ目に入った福永武彦さんの掛け軸?これは何?(写真は文学アルバムから35歳頃のポートレート)

「軽井沢を読む」シリーズ1月の作家は「福永武彦」さん。

晩年は軽井沢追分の山荘にいらっしゃる時間も長かったようです。随筆や草花の図譜など、軽井沢らしい風景が浮かぶ味わい深い作品を多く残していらっしゃいます。泣けて笑えて洒落ていて、大好きな作家さん。

朗読会のメイン作品は『雪の浅間』。『福永武彦全集第4巻』に収録されている『愛の試み』から5編が取り上げられ、それぞれに解説がつくという内容でした。

朗読をしてくださる名誉館長の青木裕子さんと、解説を担当された司書の塩飽(しわく)さん
朗読をしてくださる名誉館長の青木裕子さんと、解説を担当された司書の塩飽(しわく)さん

朗読は軽井沢町立図書館の名誉館長である青木裕子さん。私は年末年始のNHKラジオ特番で青木さんの朗読を聴いてすっかりファンになり、これはぜひライブで聴いてみたいと思い慌てて参加を申し込んだ次第。たっぷりと5編、なんて贅沢なんでしょうか。

朗読中の青木裕子さん
朗読中の青木裕子さん

司書の塩飽(しわく)さんの解説がまた面白かった!青木裕子さんとの掛け合いも最高。笑えました。カジュアルな雰囲気をおふたりがうまく作ってくれて、まさに大人の朗読会。

福永武彦さんのポートレート軸は、愛についての考察が書かれた「めくり」もの。司書さんの手づくり
福永武彦さんのポートレート軸は、愛についての考察が書かれた「めくり」もの。司書さんの手づくり

ざっと、朗読作品と福永武彦的 愛についての考察。

『雪の浅間』→「愛は人を燃すものだ」

『歳月』→「完全な忘却、その時に愛は死ぬ」

『音楽会』→「嫉妬は愛していることの明確な自覚』

『細い肩』『花火』→「初恋というものは美しいものだ」

なるほどな〜。ちなみに私は『歳月』の淡々とした容赦ない感じが好きでした。

図書館には朗読に使われた著書を集めた「朗読会の特別コーナー」もあり、開催後も作品を楽しめる仕掛けがありました。青木裕子さんの朗読CDコーナーなどもあります。

次回の朗読会は2月12日(土)14:00から。

「軽井沢を読む」シリーズ最終回は、藤田宜永「大雪物語」より雪の華です。

軽井沢町立図書館「中軽井沢図書館」
〒389-0111 軽井沢町大字長倉3037番地18
電話:0267-41-0850
開館時間:9:30〜19:00(火曜休館,他)
◆名誉館長 青木裕子朗読会

「軽井沢を読む」シリーズ第9回 藤田宜永 著「大雪物語」
日時:2月12日(土)  14:00~
場所:中軽井沢図書館2階 多目的室
(定員30名・定員に達し次第締め切り)
参加申し込みは2月2日(水)より中軽井沢図書館で受け付けます。

フリーエディター(軽井沢町・御代田町)

東京から長野に移住して10年ほど。東京と軽井沢の2拠点生活のあと、現在は軽井沢の西側「信濃追分」に仕事場を設け、本に関わる仕事をして暮らしています。趣味は散策。古本と着物と温泉、浅間山麓の風土が好きです。

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