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【長野県軽井沢町】小さな森の音楽堂。午後4時、その日その時生まれる音楽「声“sanctuary”」へ

akariフリーエディター(軽井沢町・御代田町)

平日午後4時になると、今日はあの音楽堂でどんなメロディーが生まれてるんだろうと、想像するようになりました。

軽井沢を拠点に歌い手として活動する立原綾乃(たちはらあやの)さんが、昨年12月から始めた新しい試み「声“sanctuary”」。

午後4時を迎える頃の声にはじまる“sanctuary”
午後4時を迎える頃の声にはじまる“sanctuary”

集う人にとってサンクチュアリ(聖域)のような場所になったらいいなという思いから名付けられた、毎日の暮らしの中にある音楽会。

2022年11月まで、まずは1年間続く予定です。

ヤドリギの下で歌う立原綾乃さん
ヤドリギの下で歌う立原綾乃さん

声“sanctuary”初日。粉雪が降りだした音楽堂前の風景
声“sanctuary”初日。粉雪が降りだした音楽堂前の風景

冬はピアノの向こう、大きな窓から見える森に夕日が沈みます
冬はピアノの向こう、大きな窓から見える森に夕日が沈みます

場所は、軽井沢ルヴァン美術館の奥、綾乃さんが一から作り上げた「小さな森の音楽堂」にて。

土日祝日を除いた平日毎日、午後4時〜45分間、その日、その時生まれた音楽を即興で奏でているそう。

床に座りリラックスしながら、声の広がりを、音の行方をわくわくしながら静かに聴き入る時間を過ごしました。

空も風も光もその日だけのもので、日々変化するというのは至極当たり前のこと。

音楽もその日だけのものがあるというのはとても自然なことのように感じました。そして、軽井沢でしか生まれない土地の音もあるのかな。

「大きなコンサートもいいですが、毎日ちょっとずつ。美味しいケーキ屋さんのショーケースに並ぶ日替わりケーキみたいな音楽会に憧れるんです。

開始時間ぴったりに来る必要もなく、ふらっと立ち寄れる場所に。椅子に座る、無垢の木の床に寝っ転がる、ぼーっとする、瞑想する、、、思い思いにくつろいでほしい」と綾乃さんは言います。

今回は床に座って聴きました。無垢の床材がすべすべであたたかい
今回は床に座って聴きました。無垢の床材がすべすべであたたかい

小さな森の音楽堂は、まさに森の中にひっそり建っています
小さな森の音楽堂は、まさに森の中にひっそり建っています

この門が小さな森の入り口
この門が小さな森の入り口

音楽堂のインテリアや冬の設えを見るのも楽しいです。

寒い冬をあたためてくれるのは、ロシア生まれの暖房兼オーブンの「ペチカ」。音楽堂に合うようにと綾乃さん自身がコーデイネート。音楽会の最後に振舞われるお茶は、このペチカであたためられてから参加者の元へ。

この日はかりんのシロップが入ったりんごのホットジュース。音楽会の途中から、もう甘酸っぱい芳醇な香りが部屋中を漂っていて! 良い音と香りのサラウンド状態でした。

音楽堂を暖める暖房兼オーブンの「ペチカ」
音楽堂を暖める暖房兼オーブンの「ペチカ」

ペチカで使う薪は丸く積み上げる「スイス積」スタイル
ペチカで使う薪は丸く積み上げる「スイス積」スタイル

年末のコンサートで振る舞われたりんごと小さなリースたち
年末のコンサートで振る舞われたりんごと小さなリースたち

演奏会の合間や終わりにはカフェタイムがありました
演奏会の合間や終わりにはカフェタイムがありました

気軽に来てね!と言ってますよ〜
気軽に来てね!と言ってますよ〜

今の音楽堂には、冬の軽井沢の雰囲気がギュと詰まっています。

冬の軽井沢が好きという方や、冬の軽井沢らしさを味わいたいという旅の方にもオススメの音楽会です。

立原綾乃 Ayano Tachihara
「声“sanctuary”」 
土日祝日を除く平日(月曜日〜金曜日 )16:00〜
予約不要
参加費: 2,000円 町民:1,000円 子供無料
場所:小さな森の音楽堂 軽井沢

フリーエディター(軽井沢町・御代田町)

東京から長野に移住して10年ほど。東京と軽井沢の2拠点生活のあと、現在は軽井沢の西側「信濃追分」に仕事場を設け、本に関わる仕事をして暮らしています。趣味は散策。古本と着物と温泉、浅間山麓の風土が好きです。

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