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ジンバルを使えば動画のクオリティが上がる!新発売の DJI RS 4 をさっそく使ってみた

Akiブロガー / くらしフォトグラファー

2024年4月9日に DJI RS 4 および RS 4 Pro が発売されました。DJI のジンバル RONIN シリーズの最新モデルです。この新商品をレビュー用にお借りして使用させてもらいました。この最新ジンバルの特徴を、実際に使ってみた感想とともにお伝えします。

本記事はシステムファイブのアンバサダープログラムのもとに機材を一時的にお借りして記事を執筆しています。
参考:システムファイブ公式アンバサダー

ブレなく動きのある映像が撮れる「ジンバル」

そもそもジンバルってなに?という方のために基礎的な説明から。ジンバルは動画の撮影の際にカメラの動きをコントロールする道具です。ジンバルをつかえば手ブレを抑えつつ滑らかなカメラワークを実現できます。

3つの軸の回転するアームで構成されていて、搭載したカメラの傾きを補正して常に水平を保つことができます。電動モーターで制御することで、強力にブレを補正したり、パンやチルト方向などに滑らかにカメラを動かすこともできます。ジンバルは映像制作において多彩なカメラの動きを可能にするとても便利なガジェットです。

DJI RS 4 / RS 4 Pro は何が進化したのか?

DJI RS 4 / RS 4 Pro は DJI が手がけるジンバルの「RONIN」シリーズの最新製品です。過去にはRonin-S / SC / RS 2 / RSC 2 / RS 3/ RS 3 mini / RS 3 Pro などの機種が登場しました。DJI の RONINシリーズは一眼カメラやシネマカメラを載せられるように設計された本格的なジンバルシリーズで、プロの映像制作の現場でも多く用いられています。

前機種 DJI RS 3 / RS 3 PRO の発売が2022年6月。2024年4月に発売された新しい DJI RS 4 / RS 4 Pro はどのように進化したのでしょうか。 従来機種から主にどのような点が変わったのかについて解説します。

縦撮影が簡単に

RS 3 で対応した「縦向き撮影」がより進化して使いやすくなりました。RS 4 / RS 4 Pro では、水平プレートが新設計になっていて​追加アクセサリの必要なく、垂直に付け替え可能​です。

カメラを載せているプレートをジンバルから一度外して、向きを変えて取り付ければすぐに縦向き撮影ができるようになります(重心バランスの再調整は必要です)。

追加のアクセサリーの必要なく、カメラの載っているブラケットの取り付け位置を変えるだけで縦向き撮影が可能。
追加のアクセサリーの必要なく、カメラの載っているブラケットの取り付け位置を変えるだけで縦向き撮影が可能。

バッテリーの持続時間が29.5時間!

新しいバッテリーグリップ「BG70」(別売り)に対応します。これにより駆動時間が約29時間と大幅に伸びて約2.5倍になります。

最大18Wで外部デバイスの給電にも対応。なのでUSB-Cケーブルでカメラに接続すれば、撮影中にジンバルからカメラへ給電することができます(カメラ側がUSB-C給電に対応している場合)。

※RS 4 に同梱されるバッテリーグリップは「BG21」、 RS 4 Pro に同梱されるのは「BG30」です。「BG70」は別売りのオプションなのでその点はご注意ください。

たくさんのアップデート!

そのほかたくさんのアップデートが施されています。

・ジンバルの動きを制御するアルゴリズムが新しくなりました。縦向き撮影や走りながらの撮影、ローポジションの撮影など、様々な撮影シーンでの安定性が向上しています。

・レンズが電動ズームに対応している場合、ジンバルのジョイスティックでズームを制御できます(カメラとBluetooth や USB-C ケーブルでの接続が必要)。

・トリガー長押し時の選択肢が増えカスタマイズ可能に。「ジンバルロック」もしくは「FPVモード」を設定できます。

・ジンバルのアームがテフロン加工に。バランス調整の際のアームの動きが滑らかになりました。RS 4 はチルト軸のアームが8.5mm長くなって、より多様な機材に対応できるようになっています。

・前期種に引き続き便利な「自動軸ロック」が搭載。起動やスリープへの移行がとてもスムーズです。RS 4 / RS 4 Pro ではこの自動ロックが第2世代にアップデートされていて、軸ロックの隙間が小さくなりジンバルの揺れが低減されました。

「Focus Proモーター」

RS 4 や RS 4 Pro の「コンボ」セットを購入すると「Focus Proモーター」という新しいフォーカスモーターが同梱されています。これを組み合わせるとジンバルのダイヤルでレンズのフォーカス(あるいはズームや絞り)を調整できます。

RS 4 と RS 4 Pro の比較

DJI RS 4 と RS 4 Pro を比較した場合の主な違いは下の表の通りです。簡単に言うと、Proモデルのほうがより大型で本格的なカメラ機材のセットアップに対応できるようになっています。そのぶんPro のほうがジンバル自体も大型で重たいです。

ジンバルを使う準備について

実際に DJI RS 4 を使ってみましょう。いざ使ってみようとすると、製品に同梱されている説明書は簡易的なクイックスタートガイドしかありません。ジンバル初心者や DJI 製品に不慣れな人にとってはすこし困惑するかもしれません。
詳しいマニュアルは DJI 公式ウェブサイトのダウンロードセンターから見ることができます。またジンバルの設定に用いるアプリも同じくダウンロードセンターにリンクがあります。
参考:DJI RS 4 – ダウンロードセンター – DJI

ジンバルを使うにはまず「パーツの組み立て」、「カメラを載せた状態でのバランス調整」などの準備が必要です。パーツを組み立てるのは、そこまで複雑なことではありませんが、バランス調整については経験がないと分からないと思います。

初めてだと戸惑うかもしれませんが、一眼カメラに対応するようなジンバルであればだいたいどの製品でも同じようなバランス調整を手動で行うようになっているので、最初だけ頑張って挑戦してみてください。慣れればそこまで難しいことではありませんし、一度バランスがとれれば同じ機材を使うかぎりもう再調整は必要ありません。

筆者のブログ記事には最初の組み立てから、バランス調整の方法についてもより詳しく解説しているので、 DJI RS 4 をこれから使おうとしている方はこちらも合わせてご覧ください。
初めての DJI RONIN RS4!初心者でも安心な本格派ジンバルを使ってみた【機材協力:システムファイブ】 | 神戸ファインダー

動画でもジンバルのバランス調整について解説しました。

実際にジンバルで撮影してきたぞ!

ジンバルの準備ができたらいよいよ撮影です。電源を入れてジンバルでカメラを動かしてみましょう。

ジンバルの動きはフォローモードで決まる

ジンバルを扱う上で大事なのが「フォローモード」です。ジンバルがどのように動くかは「フォローモード」を切り替えることで制御できます。フォローモードは主に次の3通りです。

  • PF パンフォロー:パン軸のみがグリップの動きに追従します。
  • PTF パン&チルトフォロー:パンとチルトの両方の軸がグリップの動きに追従します。
  • FPV:パン、チルト、ロール、3つの軸すべてがグリップの動きに追従します。

PF パンフォロー↓

PTF パン&チルトフォロー↓

FPV↓

また「ジンバルロック」も便利です。グリップを握ったときに人差し指の位置にあるトリガーボタンを押している間はジンバルロックになって、どの軸にも動きが追従せずに同じ方向をキープします。

初心者でもジンバルがあればこんな映像が撮れる!

筆者は普段は写真撮影が主なので、映像制作について初心者ではありますが、せっかくの機会なのでジンバル DJI RS 4 を用いて映像を撮ってきました。参考までにご覧ください。

ジンバルならではのカメラワークを随所に盛り込んでみました。この動画の被写体はほとんどが静止物なのですが、ジンバルを用いることで映像に動きが出ています。ジンバルの DJI RS 4 のおかげでより面白い映像をつくれたと思います。

DJI RONIN シリーズと言えばプロの映像制作に用いられている本格的なジンバルの印象がありますが、カメラが趣味のアマチュアの映像制作においても十分に役立つガジェットです。前に進んで被写体に近づいたり、逆に後ろに引いて被写体から離れたり、あるいはスライダーのような動きや、まるでクレーンで撮影したような高さを変える撮影もジンバルがあれば可能です。

撮影してみてここが良かった!

DJI RS 4 にはOLEDパネルが搭載されています。このパネルのおかげでジンバルの設定や操作性が分かりやすかったです。例えば、DJI RS 4 はフォローモードの切り替えスイッチが側面についているのですが、これを切り替えると今どのフォローモードになっているのかが手元のパネルに図とともに表示されました。

タッチ対応で感度も良好なので直感的に操作しやすい OLED パネル
タッチ対応で感度も良好なので直感的に操作しやすい OLED パネル

いまどのフォローモードでジンバルがどう動くのかが図とともにパネルに表示される。初心者が混乱しがちなポイントがわかりやすい。
いまどのフォローモードでジンバルがどう動くのかが図とともにパネルに表示される。初心者が混乱しがちなポイントがわかりやすい。

撮影の際はローポジションやハイポジション、ジンバルロックの撮影が簡単にできることや、すぐに手持ち撮影に移行できるのが便利でした。

特別な操作をしなくてもジンバルを下げて持てばローポジションでの撮影ができる。
特別な操作をしなくてもジンバルを下げて持てばローポジションでの撮影ができる。

持ちあげてハイポジションからの撮影もおすすめ。
持ちあげてハイポジションからの撮影もおすすめ。

人差し指のボタン長押しでジンバルロックになる。
人差し指のボタン長押しでジンバルロックになる。

ジンバルからプレートごとカメラを外せばすぐに手持ち撮影に移行できる。ジンバル撮影に戻るのも簡単で便利。
ジンバルからプレートごとカメラを外せばすぐに手持ち撮影に移行できる。ジンバル撮影に戻るのも簡単で便利。

ジンバルのスイッチで録画の開始と停止を操作できるのも便利です。これもUSB-CケーブルやBluetooth の接続によって制御できるようになります。対応機種については DJI 公式ウェブサイトにリストがあります。接続方法の案内もあります。
参考:Roninシリーズ互換性 カメラ一覧 – DJI

カメラを触らなくてもジンバルのボタンでカメラの録画開始と停止を制御できる。
カメラを触らなくてもジンバルのボタンでカメラの録画開始と停止を制御できる。

そして、自動ロックの仕組みが便利&かっこいいのでとても気に入りました。前モデルの DJI RS 3 から導入された仕組みらしいですが、わたしは初めての体験だったのですごく新鮮で驚きました。一度休憩してから撮影を再開したいときも、この自動ロックのおかげでかなりスムーズにジンバルをたたんでおくことができますし、機材をカバンから出したりしまったりするときにも便利です。

以上、4月9日に発売されたばかりの DJI RS 4 のレビューでした。

参考:DJI RS 4 電動3軸ジンバル - 業務用撮影・映像・音響・ドローン専門店 システムファイブ

本記事は下記ブログをもとにYahoo!ニュース用に編集・再構成しています。

初めての DJI RONIN RS4!初心者でも安心な本格派ジンバルを使ってみた【機材協力:システムファイブ】 | 神戸ファインダー

ブロガー / くらしフォトグラファー

ガジェットの情報を発信するブロガー。得意分野はカメラ関係。明日から使える写真撮影のコツや、あると生活が便利になるアイテムなどを分かりやすく紹介しています。取り上げるアイテムは実際に使って良かったものだけに厳選。 日常の何気ないシーンや家族と過ごす生活の写真を撮る "くらしフォトグラファー"として活動。特別ではない平凡な毎日を撮ることの魅力や価値を発信しています。 神戸ファインダー / ピークデザインのある暮らし / シタタカライフ など複数のウェブサイトを運営。1989年生まれ / 兵庫県神戸市育ち

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