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【ゴルフ】ヘッドスピードは二の次 飛距離三大要素を知り、飛距離アップに必要なものを探る

野洲明ゴルフ活動家

飛距離アップのために必要なもの

「ボール初速」「打ち出し角」「スピン量」。三つのボールデータ、飛距離三大要素をより高いレベルで融合させることが飛距離アップにつながる。そのためには、クラブデータ「打点」「インパクトロフト」「入射角」などをより良くする必要がある。

飛距離アップのために必要なこととして真っ先に、クラブデータ「ヘッドスピード」向上を挙げるゴルファーは多いのではないだろうか。確かにヘッドスピード向上は飛距離アップに直結するが、飛距離アップを望んでいるゴルファーの多くはヘッドスピードよりも、先に挙げたポイントに目を向ける必要がある。

打点:クラブフェースにボールがヒットした位置

インパクトロフト:インパクト時のクラブフェースの角度

入射角:インパクト時のクラブヘッドが進入する角度

ヘッドスピード:インパクト時のクラブヘッドの速さ

打点がスイートスポットからヒール(根元側)やトゥ(先端側)にずれる度合いや、インパクトロフトが適正値に対して差が大きくなると飛距離三大要素は融合しにくくなる。ダウンブロー(入射角が下向き)やアッパーブロー(入射角が上向き)の度合いが強くなり過ぎることも同様だ。

自身のショットのボールデータの飛距離三大要素と、クラブデータの関連性について見極め、それぞれのポイントをより良くすることが飛距離のロスを減らすことにつながる。ロスを減らし飛距離アップしても、さらなる飛距離アップを望むとなった時に「ヘッドスピード向上」に向けた取り組みを開始することが、多くのゴルファーにとって効率的だろう。ヘッドスピード以外のことに着目したした方が、結果的にヘッドスピードがアップする期待も持てる。

飛距離三大要素

飛距離三大要素の意味を解説する。また、それらの理想値はヘッドスピードによって変わるが、一般男性のヘッドスピードと近い米女子ツアーの平均を参考資料と掲示する。参考資料にある情報の提供元は、世界のトッププロが使用(所有)している弾道測定器TRACKMAN(トラックマン)を扱っているトラックマンジャパンの公式サイトだ。

参考:トラックマンジャパン公式サイト
参考:トラックマンジャパン公式サイト

ボール初速

Ball Speed。インパクト直後のボールのスピードのこと。ヘッドスピードが速いほど速くなるものの、打点がヒール(根元側)やトゥ(先端側)にずれると、遅くなる。また、インパクトロフトが大きくなりすぎても遅くなる。

一般ゴルファーは、ヘッドスピードなりのボールスピードは出せていない傾向。

打ち出し角

Launch Angle。地面に対してボールが飛び出す角度のこと。高すぎても低すぎても飛距離をロスする。入射角も影響するが、インパクトロフトが大きく影響する。

一般ゴルファーは、アイアンショットは打ち出し角が大き過ぎて飛距離をロスする傾向。

スピン量

Spin Rate。インパクト直後のボールの回転量のこと。増えすぎると飛距離をロスする。インパクトロフトやヘッドスピードが大きくなったり速くなると増える。また、入射角のダウンブローの度合いが大きくなっても増える。

一般ゴルファーは、ドライバーショットはスピン量が多過ぎて飛距離をロスする傾向。

ゴルフ施設で弾道測定

インドアゴルフスタジオやゴルフショップなどでは、最高水準の弾道測定器でボールデータやクラブデータを測定することができる。最近は、一般ゴルファー向けの携帯型弾道測定器も多く登場してきており、データをチェックしやすくなった。

場合によっては安くはない投資になるかもしれない。しかし、ショットとスイングの因果関係を可能な限り明確にした上で練習やコースラウンドをすることは、飛距離アップに向けて間違った取り組みをしてしまうリスクを抑えることにつながる。

データ測定が難しい場合は、クラブフェースに貼ることで打点のチェックができるショットマークの利用がおすすめだ。打点は「ボール初速」「打ち出し角」「スピン量」三大要素すべてに影響する。一般ゴルファーの打点の傾向は、アイアンが「ヒール寄り」ドライバーが「ヒールからフェース上部にかけて」。もしこうなっていると三大要素の融合は難しいので打点の改善が必要だ。

がむしゃらに腕を速く降っても飛距離がアップするとは限らない。アップしたとしても、それを安定させることは困難。飛距離三大要素や、それと関連するクラブの動きに目を向けて現状をチェックし、効率よく飛距離アップに向かって行ってほしい。

<関連情報>
因果関係を明確にするために正しく打点をチェック ショット―マークの使い方(GOLFERS SUPPORT)

ゴルフ活動家

スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとに、論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。

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