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【ゴルフ】「ランニング」「ピッチエンドラン」「ピッチ」 3種類のアプローチのメリットとデメリット

野洲明ゴルフ活動家

3種類のアプローチ

グリーン周りからのアプローチショットには3種類ある。「ランニングアプローチ」「ピッチエンドラン」「ピッチショット(ロブショット)」だ。仮にすべての種類のアプローチを自在に打てるとした場合、残り距離だけでなく、ボールのライやピンポジションによって、選択する種類のアプローチを決める。

ランニングアプローチ

7番から9番アイアンぐらいを使用して、はじめからボールを転がしてカップに寄せる方法。主にグリーンまで距離が短く、グリーンの入り口からカップまでの距離が長く、転がる割合を多めにできる状況の場合に選択する。

メリット

7番から9番アイアンはウェッジに比べて飛ぶクラブ。さらに、ラン(転がり)が長くなるのでキャリー距離は短くなる。よって、小さい振り幅のショットとなるため、ミスヒットを減らしやすく、ミス(トップ)してもオーバーしにくい。ローリスクなショット。

デメリット

ランが長い分、グリーンの傾斜の影響を受ける度合いが増す。安定してカップに寄せるためには、細かなグリーンの読みが必要。ロフト角が小さいアイアンで打つため、ボールが沈むラフからは難しくなる。

ピッチエンドラン

ピッチングウェッジやアプローチウェッジなどを使用して、ボールを少し上げてグリーンに落とし、そのあと転がりを利用してカップに寄せる方法。グリーンの入り口までの距離がほどほどにあり、転がせる距離がほどほどある場合に選択する。

メリット

ライを問わず、ボールをある程度上げることができる。ウェッジの特性を生かしやすい。多くのゴルファーにとって、スタンダードなアプローチショットとするべきショット。

デメリット

ランニングに比べてロフト角が大きなクラブで、大きな振り幅になる。ランニングに比べてミスヒットしやすく、トップした場合、カップをオーバーする。

ピッチショット(ロブショット)

アプローチウェッジやサンドウェッジを使用して、そのロフト角を生かしてボールを上げ、カップの近くに落とし、止めるショット。バンカー越えなどグリーン入り口まで距離が長く、そこからカップまでの距離が短い場合や、グリーン入り口から下り傾斜の場合に選択する。

メリット

成功するとピンチが一転、チャンスになる。決まるとカッコイイ。

デメリット

大きなミスと隣り合わせでハイリスク。大きく振る分、トップすると大オーバー。ダフるとだるま落としのようになりまったく飛ばない。

ピッチエンドランが基本

アプローチショットの理想形といえば、ピッチショットのように上がるアプローチを思い浮かべるゴルファーは少なくないだろう。しかし、高く上がるアプローチは見栄えがよく、寄る感じがするかもしれないが、実際は寄る確率は高くない。ハイリスクでローリターンなショットになる。グリーン周りからは、ランニングアプローチやピッチエンドランをベースにするべきだろう。

アプローチショットに自信がつけば、グリーンを狙うロングショットも良くなりやすい。「グリーンに乗らなくても次のショットで寄せられるから大丈夫」と思えて力みにくくなるからだ。そうなると、ティーショットで無理に飛ばそうと力むことも減り、ティーショットの精度が向上する期待が持てる。アプローチショットが良くなると、相乗効果で色々と良くなる可能性が出てくるのだ。

豪快なドライバーショットもゴルフの醍醐味の一つだが、グリーン周りからしぶとく寄せてのスコアメイクもゴルフの楽しみの一つ。アプローチスキルを磨いて、‟いぶし銀のゴルフ”を目指してみてはどうだろうか。

<関連情報>
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ゴルフ活動家

スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとに、論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。

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