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【ゴルフ】【ジュニア】奇麗な構えをジュニアに教えてはいけない理由

野洲明ゴルフ活動家

バランスの良いアドレス

良いスイングにはバランスの良いアドレスが不可欠。しかし、「良い」の定義は人ぞれぞれの身体特性によって様々だ。年代に分けても、身体特性の基準は様々だ。大人とジュニア期の構えやスイングの「理想」は分けて考える必要があるのだ。

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ジュニア期の身体

脊柱の骨格は年代によって異なる。生活習慣などによっての、骨格のゆがみも個々あるが、ベースとなる骨格が、胎児期、小学生、成人など、年代によって異なるのだ。

身体の左側から見た成人の骨格
身体の左側から見た成人の骨格

脊柱後弯要素

基礎運動学 第6版 補訂(医歯薬出版株式会社) にはこうある。

後弯要素は,胎児期より存在し,第1次弯曲という.

上の図の胸椎の部分が後弯。

脊柱前弯要素

基礎運動学 第6版 補訂(医歯薬出版株式会社) にはこうある。

頸椎前弯は,首がすわり,座位が可能となってから形成される.腰椎前弯は,立位が可能になって増強される.これを第2次弯曲という.

発育が進むにつ入れて、頸椎と腰椎が前弯する。

重心

基礎運動学 第6版 補訂(医歯薬出版株式会社) にはこうある。

重心の位置には,体型による個人差がある.小児では,重心が成人よりも相対的に頭部に近く,立位姿勢のバランス保持は不安定になる.

子供と成人とで重心位置が異なるということは、安定する姿勢も異なるということ。

大人の「良い構え」をはめこまない

子供がゴルフに触れるのは親の影響が大きく、練習場やコースへは親と行くことが多い。そして、その親はゴルフ愛好家であることが多いようだ。

そうなってくると、親が子供にゴルフを教えることが多くなる。その時に、安易に自分(大人)にとって良しとされることをそのまま子供に教えるのは、子供のゴルフの成長を妨げかねない。子供には子供の、ジュニア期にはジュニア期の「バランスの良い構え」や「良いスイング」があることを念頭に置いて、大人はゴルフをする子供と接する必要がある。

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ゴルフ活動家

スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとに、論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。

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