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インパクトでヘッドアップしない意識は必要?レジェンドプロゴルファー2人の考えを比較!

野洲明ゴルフ活動家

ゴルファーにとってのヘッドアップ

ヘッドアップとは頭が上がってしまうことを言う。ボールの行方が気になるあまり、打った瞬間、とうよりも打つ前に顔が目標方向を向き、頭が上がってしまう動きのことだ。

特にゴルフ初級者は、練習やコースラウンドでミスした時に、熟練ゴルファーから「ヘッドアップしているよ」などと指摘されることが多いのではないだろうか。

ただこのヘッドアップは、意識するべきという意見と、意識する必要なしという意見が存在する。果たしてどちらの方が有効なのだろうか。

顔が早く上がるゴルファーは多い

多くのゴルファーは顔が早く上がりやすい。豪快にスイングし、顔や目線はボールが飛ぶべき方向を向いているものの、肝心のボールはコロコロとすぐそこを転がる、というミスショットの経験は多くのゴルファーがしてきているはずだ。

初級者はこういうショットになることが多いため、日本女子プロゴルフ界のレジェンド、岡本綾子氏は、一般ゴルファーに対して以下のような指摘をしている。

アマチュアは、ハンディの数だけヘッドアップするのよ。

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ヘッドアップの有無は気にしなくて良い?

岡本綾子氏のように「ヘッドアップしないようにスイングするべき」という論調の言葉が聞かれる一方、「ヘッドアップについては気にせずにスイングするべき」という論調の言葉も聞かれる。

メジャー9勝のベン・ホーガンは近代のゴルフスイングの理論に影響を与えた人物だが、そのベン・ホーガンは、自著「モダン・ゴルフ」の中で、ヘッドアップうんぬんの意識は不要だと述べている。

以下がベン・ホーガンのヘッドアップについての見解だ。

たとえば、あるゴルファー氏はヘッドアップの癖がひどくて、ミスショットを連発しているとする。仲間は普通、まるでヘッドアップがミスショットの原因でもあるかのような口調で、「インパクトで頭が下がっていなかった」と指摘する。しかし、このゴルファーのミスショットの真因は、スイング中に何か誤った動きが生ずるため、インパクトで頭が上がってしまうことである。

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年齢や身体能力、センスが影響!?

ヘッドアップをしない意識が有効かどうかは、年齢や身体能力が大きく影響するかもしれない。

岡本氏がゴルフを始めたのは21歳の時。初めて、ゴルフクラブでゴルフボールを打った時の様子を自著「情熱と挑戦-私の履歴書-」でこう述べている。

「ちょっと打ってみろ」と貸しクラブの9番アイアンを渡された。パーンと打ったら、打球の勢い、音がすごく、見ていたみんなが「オーッ」と声を上げて驚いた。背丈ぐらいの高さで、100ヤード先で右にスライスした打球は今でも覚えている。

9番アイアンで背丈ぐらいの弾道の高さということは、おそらくトップ。だが、トップとはいえ、女性で初めてスイングして放ったショットが100ヤード飛んでいるのだから、この時点で世界のアヤコ・オカモトのへんりんを見せていたといえる。

ゴルフの基本を学ぶために、分厚いレッスン書を2冊は買って読んだ。記憶に残っているのは米女子ツアー27勝のジェーン・ブラロックの連続写真。スイングのトップの位置などを見よう見まねで練習。グリップはシングルのお客さんの握り方を見て覚えた。1ヵ月ほど練習してコースに出た初ラウンドのスコアは、9ホール「47」だった。

お分かりのように「アマチュアは、ハンディの数だけヘッドアップする」と言っている岡本氏は天才肌だったようだ。おまけに、岡本氏はゴルフを始める前、実業団でソフトボール部に所属し、国体で優勝するほどの身体能力の持ち主。

おそらく、「クラブを振る」「ボールを打つ」という感覚が一般のゴルファーのそれとは異なる。そのため、ヘッドアップしない意識を持っても、そのプラスの部分だけをスイングに反映させることができたのだろう。

基本的にはボールを強く見るほど力む

ヘッドアップは、誰から見ても分かりやすい。言われた方は納得感が生まれやすい、キラーワードだ。

ただ、「ヘッドアップしない意識」は悪循環になる可能性が高い。ヘッドアップを気にするとボールを強く意識することになる。ボールに対する意識を強めると、過度な力みを生む。そうなると、体幹と腕とクラブの連動性がない、かたいスイングになりやすくなってしまう。

ベン・ホーガンが言っていたように、ミスしてもヘッドアップうんぬんは意識せずに、ほかの部分に着目してスイングを見ていった方が、結果的にヘッドアップしないスイングの定着が近づくだろう。

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ゴルフ活動家

スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとに、論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。

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