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筋トレとゴルフの共通点 イメージ通りに筋肉を動かすために知っておきたい知識

野洲明ゴルフ活動家

笹川スポーツ財団の調査によると、2022年の年1回以上の筋トレ実施率は15.9%。2000年の7.3%から大きく上昇している。2020年が17.6%だったことを考えると、今後下降線をたどる可能性があるが、筋トレへの関心は高まってきていると言えそうだ。

筋トレもするゴルファーは‟筋トレの知識はゴルフにも生かせる”という認識を持っておきたい。

筋トレ実施率とゴルフ実施率

筋トレ実施率

出典:笹川スポーツ財団
出典:笹川スポーツ財団

ゴルフ実施率

右肩下がり。筋トレ界がうらやましいゴルフ界…
右肩下がり。筋トレ界がうらやましいゴルフ界…

どの指で握るかで効く部位が変わる

手で器具を持ったり握ったりするトレーニングでは、どの指を使うかで効く部位が変わる。効かせたい部位と力を使っている指が合っていなければトレーニングの効果は十分に出ない。

親指と人差し指で器具を持てば、腕に効きやすくなる。対して、小指側で器具を持てば背中に効きやすくなる。

器具によって使う指を変える
器具によって使う指を変える

こういった理論はゴルフにも生かせる。

ゴルフスイングでは腕の過度な力みは大敵であるため、基準は小指側を主にしたグリップ。スイング中、人差し指と親指の力みは抑えたい。

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筋トレで得る知識

筋トレで得た知識をゴルフに生かして欲しい。

そのためにも、現在パーソナルでトレーニングを受けている人は、指導を受ける際「なぜ?」という質問を可能な限りトレーナーにしてほしい。

トレーナー「肘の角度は〇〇度ぐらいで」
受講者「なぜ?」

トレーナー「バーを小指意識で握って」
受講者「なぜ?」

といっ具合だ。

そういったやり取りで得た知識は、ゴルフをする上でも力になるし、ゴルフ関係なく普段の生活でも役に立つ。

継続が大切

何かしらの明らかな変化を期待して筋トレを始める人は、短期で目標をクリアさせられるとは思っていないだろう。

ダイエットや筋肥大などを目的にした場合、ある程度、中長期的な計画でトレーニングに励むはずだ。

筋トレをしている人は、筋トレのつもりでゴルフに取り組んでほしい。ゴルフも筋トレと同じで継続してナンボ。どちらも成長を実感することもあれば停滞を感じることもあるが、重要なのは「今この瞬間成長したかどうかではなく、半年後に半年前を振り返った時に成長を実感できるかどうか」である。

最短で結果を出すことを求める場合でも、基本的に必要なスタンスは同じ。1日1000球打つ場合でも、その1日の1000球で上達の実感を得られると思わない方が良い。

筋トレで1日に10回1セットを10セット×10種目しても、その1日だけで変化しないのと同じ。上達や良い変化を感じられたとしたら、それは錯覚だ。

今回、小指側と背中の筋肉の連動について解説したが、「小指側!背中!小指側!背中!」と、よりスムーズに小指側と背中の筋肉がつながることを目的とした取り組みを、結果に左右されず地道に積み重ねることが、ゴルフ上達へは遠いようで一番の近道となる。

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ゴルフ活動家

スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとに、論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。

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