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ブロッコリーが「指定野菜」に昇格!今さら聞けない指定野菜について八百屋が解説します

青髪のテツ野菜のプロ

こんにちは、八百屋歴10年の青髪のテツです。

2026年にブロッコリーが指定野菜入りすることが決定しました。お店で販売をしていても、ブロッコリーは常に売れ筋上位にいる品目なので、指定野菜入りは納得でした。

私はX(旧Twitter)で野菜の豆知識を発信しているのですが、「ブロッコリーが指定野菜に入ったよ」というと「指定野菜ってなに?」という声が多くありました。

そこで今回は、指定野菜についての解説とブロッコリーがなぜ選ばれたのかについて書いていきますね。

指定野菜とは

指定野菜を決定する権限があるのは、農林水産省です。

農林水産省によれば、指定野菜とは消費量が多い野菜や多くなることが見込まれる野菜とのこと。

現在指定野菜に認定されている品目は、以下の通り。

  • キャベツ
  • きゅうり
  • 里芋
  • 大根
  • トマト
  • なす
  • にんじん
  • ねぎ
  • はくさい
  • ピーマン
  • レタス
  • 玉ねぎ
  • じゃがいも
  • ほうれん草

これらの野菜に加えて、今回ブロッコリーが追加されます。

指定野菜という仕組みの目的は、国民の生活に特に重要だと考えられる野菜を安定供給することなんです。指定された野菜は流通量が増えすぎるなどして、作物の価格が下がりすぎたときに、農家さんに補助金が交付されます。

「え?そんなことで補助金を支給しちゃうの?」と思う方もいるかもしれませんので、少し深堀ります。

例えば、ブロッコリーが豊作で物の流通量が増えた場合、需要と供給のバランスで価格が下がります。価格が下がれば私たち消費者は買いやすくなるから嬉しいですよね。でも、一方で農家さんは安い時は利益が出ません。その状態が続いたりすると最悪農家を持続できないなんてことが起きることもあります。多くの農家さんがそんな状況になると、「国内でブロッコリーが安定供給できない」なんてことが起きるかもしれません。

作物が安くなりすぎたときに補助金を出すことで、国民にとって重要な作物を作っている農家さんが継続的に農家を続けることができるという仕組みが「指定野菜」なんです。

ブロッコリーがなぜ指定野菜に昇格したのか

実は指定野菜の追加は「半世紀ぶり」なんです。最後に指定野菜に入ったのが「じゃがいも」で1974年のことなんです。なのでブロッコリーの指定野菜入りはおよそ半世紀ぶり。

ではなぜ、半世紀ぶりにブロッコリーが指定野菜に入るのかというと、消費量が凄まじく伸びているからなんです。ブロッコリーの国内での出荷量を1980年台と現在で比較すると、およそ2倍近くまで伸びているそうです。

他の野菜の出荷量は人口減少などにより、ほぼ変わっていないのですが、ブロッコリーだけは伸び続けているんです。

たしかに私が販売している中でもブロッコリーは主力商品で、仕入れの際も安い物があれば積極的に購入して、拡販していました。98円以下で販売するとなると、1日で1000個以上売れる日もあるくらい人気のある野菜です。

指定野菜にブロッコリーが昇格まとめ

今回は2026年にブロッコリーが指定野菜に入るという話を解説しました。

他にも「新鮮でおいしいブロッコリーの選び方」や「ブロッコリーが長持ちする保存方法」という記事も書いているので、気になる方は読んでみてくださいね。

野菜のプロ

現役の八百屋。歴は10年です。ブログ「やさいのトリセツ」運営者。書籍「野菜売り場の歩き方」と「おいしい野菜まるみえ図鑑」「マンガでわかるやさいのトリセツ」好評販売中。Twitterフォロワー75万人を超えました。

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