「嘘をつくと閻魔様に舌を抜かれるよ！」とは、誰もが聞いたことのあるお説教の定番です。幼心に震え上がった人も多いのではないでしょうか。

東新小岩の上品寺（じょうぼんじ）では、そんな閻魔様の迫力あるお姿を拝むことができます。あの舌を抜くペンチも！

JR新小岩駅北口を出て、平和橋通りを北へ15分程歩くと、右手に上品寺があります。
入口には「新義真言宗 八幡山 上品寺」と刻銘された立派な石柱とともに、「ゑんま大王奉安所」の、こちらも堂々たる石柱が立っています。

境内に入ってすぐ左側に閻魔堂があります。
階段を登って恐る恐るお堂の中に入ると、そこには圧倒的な存在感を放つ、閻魔様の赤いお顔が！

鮮烈な閻魔大王坐像は高さ206cm。区内では最大のものです。
こちらはかつては「江戸十六閻魔」の一つとされており、江戸時代中期に最も盛んに信仰されていたそうです。

吊り上がった太い眉と強い眼光が印象的な閻魔様は、白い歯を見せて笑顔を湛えています。
意外にも優しさやあたたかさをも感じさせる表情で、昔から人々に親しまれ信仰されてきたのが、解るような気がしました。

しかし、閻魔大王坐像の向かって左側には、銀色に輝く巨大なペンチが！
嘘つきの舌を抜くという、あの「やっとこ」です。ここで、閻魔様が死者の生前の罪を裁く冥界の王であるということを改めて思い出し、思わず背筋を正してしまいます。ブルブル…

閻魔堂を出ると、境内の東側には「出世八幡宮」があります。開運出世をお祈りしましょう。境内には清々しい空気が満ちています。

東新小岩へお越しの際には、上品寺の閻魔堂で、古くから信仰されてきた閻魔様にぜひお参りしてみてはいかがでしょうか。
閻魔様とやっとこを拝みながら、日頃の己の所業を振り返るもよし。また、お子様の教育にも効果抜群かも知れません。