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【葛飾区】正真正銘、秋の七草のオミナエシで黄色に染まる!水元公園の「水辺のさと」の小道に咲く伝統の花

ASA24ライター/英和・和英翻訳者(東京都葛飾区)

秋の七草のひとつであるオミナエシは、万葉の昔から愛でられてきた花です。
全国的に数が減ってきているこの花が、現在、水元公園の「水辺のさと」で小道を鮮やかに彩っています。

小合溜が広がる水元公園
小合溜が広がる水元公園

水辺のさとがあるのは水元公園の南東部。「水辺のいきもの館」の手前左側に入口があり、水路の橋の奥に門が立っています。

小合溜の豊かな水辺環境を再生し、貴重な植物や生物を保護するこのエリアでは、自転車の乗り入れは禁止。開園時間は9:00~16:30です。月曜日は休園日(月曜日が祝日の場合は火曜日)になっているので、ご注意くださいね。

水辺のさとの入口
水辺のさとの入口

水生生物展示池へ向かう遊歩道
水生生物展示池へ向かう遊歩道

オミナエシが群生しているのは、門を入って右側に進むと現れる、金魚展示場と水生生物展示池の間の小道。草丈が1mにもなる茎の上部で、枝分かれした先に、多数の黄色い花を咲かせています。
近付いてよく見ると、5枚の花びらを持つ3mmほどの小花が密集して、上が平らな黄色い円錐のような花を形作っているのがわかります。明るいレモンイエローの花が小道を彩る様子は、遠くから見てもたいへん目立ちます。

金魚展示場と水生生物展示池の間の小道を彩るオミナエシ
金魚展示場と水生生物展示池の間の小道を彩るオミナエシ

密集して咲く黄色い小花
密集して咲く黄色い小花

万葉集に収められた山上憶良の二種の歌によって、秋の七草のひとつとなったオミナエシは、長い間日本人に親しまれてきた花です。
「オミナ」は「女」、「エシ」は「圧し(ヘシ)」に由来し、「女性を圧倒するほど美しい花」という意味で名付けられたという説があります。まぶしいほど明るい黄色の花を見ていると、なるほど…という気がしてきます。

なお、漢字名の「女郎花」が当てられた当時、「女郎」は「若い女性」「高貴な女性」を指していたそうですよ。

「女性を圧倒する美しさ」にふさわしい迫力
「女性を圧倒する美しさ」にふさわしい迫力

ところで、オミナエシに似た黄色い花として、河原や空き地などに群生する「セイタカアワダチソウ」を思い浮かべる方も多いと思います。こちらは北アメリカ原産の帰化植物です。
ちょっと見ただけでは間違えそうですが、セイタカアワダチソウは小花が密集する枝が下の方ほど長くなり、全体としてクリスマスツリー型の黄色い花穂となります。
上の方が平らに広がるオミナエシとは、まったく異なっていますね。

水辺のさとの小道を彩る黄色い花は、正真正銘のオミナエシ。源氏物語などの古典にも幾度となく登場してきた、由緒ある名花です!

小花が密集して上が平らな形になるオミナエシ
小花が密集して上が平らな形になるオミナエシ

オミナエシで小道のかたわらが黄色く染まる光景を見に、水元公園の「水辺のさと」へ足を運んでみてくださいね。秋の風情を感じます。

名称: 都立水元公園「水辺のさと」(保全区)
所在地: 東京都葛飾区水元公園
開園時間: 9:00~16:30
休園日: 月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)
入園料: 無料
アクセス: JR金町駅から京成バス 戸ヶ崎操車場行き(金61)または西水元三丁目行き(金62)で「水元公園」下車、徒歩約7分/JR金町駅から京成バス(金63)で「水産試験場跡」下車 徒歩約3分(土・日・祝のみ運行)
水元公園HP: https://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index041.html

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ライター/英和・和英翻訳者(東京都葛飾区)

出版社に11年勤務後、2009年にシンガポールに転居。東南アジアの文化と料理にハマる。2013年に帰国した後は日本文化に改めて関心を深め、今は東京の下町情緒が大好き。葛飾区の素敵なところをどんどん広めたいです。

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