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【葛飾区】辰年の初詣にふさわしい柴又帝釈天!「瑞龍のマツ」が見守る境内は美しい龍の彫刻でいっぱい

ASA24ライター/英和・和英翻訳者(東京都葛飾区)

あけましておめでとうございます。
「年の初めは柴又帝釈天に行く!」という葛飾区民の方は多いと思います。柴又帝釈天には創建の由来となった有名な「瑞龍のマツ」があり、境内ではあちこちで見事な龍の彫刻が見られ、辰年の初詣に最適な場所です。お正月飾りで彩られた参道の様子と、お参りの際に見逃せない境内の龍たちをご紹介します。

門松が立てられた帝釈天参道入口
門松が立てられた帝釈天参道入口

京成金町線の柴又駅を出て「フーテンの寅像」と「見送るさくら像」の先へ進むと、すぐに帝釈天参道の入口になります。赤い提灯が下がる門の両脇には、立派な門松が立っています。切り口が水平になった背の高い門松を、紅白の梅の花が彩っており、華やかな眺めです。

梅が飾られた門松
梅が飾られた門松

門をくぐると参道の左には、うなぎ・日本料理の老舗「料亭 ゑびす家」があります。こちらの入口に飾られている縁起物の熊手はたいへん大きくて豪華。お食事に訪れた人から通り過ぎる参拝客まで、多くの人がスマホで撮影しています。
ゑびす家の先にのびる柴又街道を渡ると、帝釈天参道の第二の門があり、こちらにも梅の花で彩られた立派な門松が立っています。街道の車に気を付けながら見てくださいね。

料亭 ゑびす家の入口に立つ豪華な熊手
料亭 ゑびす家の入口に立つ豪華な熊手

柴又街道との交差点に立つ第二の帝釈天参道入口と門松
柴又街道との交差点に立つ第二の帝釈天参道入口と門松

参道の両側には、柴又の名物「草だんご」をはじめとする美味しい物を売るお店がずらりと並んでいます。よもぎの香りがさわやかな草だんごは、食べ歩きにも最適。参道には複数の草だんごのお店があり、食べ比べをするのも一興です。

高木屋老舗、門前とらや…と、草だんごのお店が続く参道
高木屋老舗、門前とらや…と、草だんごのお店が続く参道

草だんごの「亀家本舗」と川魚料理の「川千家」の前まで来ると、「く」の字にやや曲がった参道の向こうに柴又帝釈天の二天門が現れます。壮大な楼門の左右には竹の切り口が斜めになった「そぎ」型の門松が立っており、おごそかな空気を漂わせています。

亀家本舗と川千家の向こうに見える二天門
亀家本舗と川千家の向こうに見える二天門

門松が立つ二天門。この写真は2023年12月28日の庚申の日に撮影
門松が立つ二天門。この写真は2023年12月28日の庚申の日に撮影

二天門を見上げると、二層目の欄干の奥には大きなお正月飾りが掲げられています。橙や鶴などの縁起物が付いた飾りの後ろに垂れ下がる、切り口が美しい稲わらの飾りも見事。実りの多い一年になるよう、願いを込めて見つめたくなります。

二天門のお正月飾り
二天門のお正月飾り

初詣の混雑期間中は、左右にある西門・南大門から境内に入り、二天門から外へ出る流れになります。境内へ足を踏み入れると、入母屋造瓦葺の堂々たる帝釈堂と本堂が左右に並んで立っています。
帝釈堂の手前、向かって左側には、目を見張るような大きさと不思議な形状の松の木が立っています。これが「瑞龍のマツ」。上にまっすぐ伸びた幹と、北、南、西の三方に長く伸びた大枝が、天に頭を向けて尾を西に伸ばしながら飛び立つ龍のように見えることから名付けられました。

帝釈堂とその左側に立つ瑞龍のマツ
帝釈堂とその左側に立つ瑞龍のマツ

柴又帝釈天の正式な名称は経栄山題経寺。1629年に日栄上人が柴又に寄った際に、見事な枝ぶりの松とその下に湧く霊泉を見て、この地に庵を設けたのが始まりとされています。龍の松に守られた柴又帝釈天は、辰年のお参りにこれ以上ないほどピッタリです!

大切に手入れされている創建の由来の瑞龍のマツ
大切に手入れされている創建の由来の瑞龍のマツ

初詣の期間中に帝釈堂の堂内へ参拝する際には、まず右手の祖師堂(本堂)から靴を脱いで上がり、回廊を通って帝釈堂へと進む流れになっています。
祖師堂の唐破風の先端と、その下の奥の部分には、精緻な龍の彫刻があります。左手で玉をつかんで参拝客の方を見つめる、下の龍の表情が特に迫力。辰年の幸せを願って、ぜひチェックしてみてください。

初詣期間の祖師堂の入口
初詣期間の祖師堂の入口

祖師堂の唐破風の先端とその下にいる龍の彫刻
祖師堂の唐破風の先端とその下にいる龍の彫刻

帝釈堂の唐破風の奥にも龍の彫刻がありますよ。部分的に瑞龍のマツに隠れていますが、鋭い角や凛々しい眉毛も緻密に彫られた美しい龍です。お賽銭を投げ入れる際にはこちらにも注目してくださいね。

帝釈堂の唐破風の下、瑞龍のマツの奥にある龍の彫刻
帝釈堂の唐破風の下、瑞龍のマツの奥にある龍の彫刻

精巧な装飾彫刻が有名な柴又帝釈天には、帝釈堂内殿の装飾彫刻を見られる「彫刻ギャラリー」があります。内陣の壁を総ガラス張りにして「法華経」の説話を刻んだ見事な彫刻を保護しているのです。こちらは入場券(大人400円・小中学生200円)が必要ですが、その価値が充分にある美しさ!ここでも素晴らしい龍の彫刻に出会えます。

彫刻ギャラリーの内部
彫刻ギャラリーの内部

精緻に刻まれた法華経の世界に圧倒されながら内殿の土台部分をよく見ると、そこには龍の彫刻がいっぱい!ウロコやひげの一つ一つまで繊細に表現されており、まるで生きているようです。こんな龍たちに支えられている帝釈堂にお参りしたら、辰年はきっといい年になる…!という気持ちが湧いてきます。見応えのある彫刻ギャラリーでは、細部までお見逃しなく。

内殿の龍の彫刻
内殿の龍の彫刻

初詣は辰年のはじめにふさわしい柴又帝釈天へ、ぜひ足を運んでみてくださいね。お正月は毎年たいへんな混雑となりますので、お連れの方とはぐれないようにご注意ください。

名称: 柴又帝釈天(題経寺)
住所: 東京都葛飾区柴又7-10-3
電話: 03-3657-2886 題経寺
開門時間: 5:00~20:00
定休日: 無休 (但し12月28日~1月3日は庭園の「邃渓園」のみ閉園)
アクセス: 京成金町線 柴又駅から徒歩約3分
公式HP http://www.taishakuten.or.jp/

ライター/英和・和英翻訳者(東京都葛飾区)

出版社に11年勤務後、2009年にシンガポールに転居。東南アジアの文化と料理にハマる。2013年に帰国した後は日本文化に改めて関心を深め、今は東京の下町情緒が大好き。葛飾区の素敵なところをどんどん広めたいです。

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