ひな祭りが近付き、「桜餅が食べたいなあ」としみじみ感じる季節になりました。柴又帝釈天参道の名店「高木屋老舗（たかぎやろうほ）」では、期間限定の桜餅を販売中です。柴又帝釈天へ訪れた際に、淡いピンク色が美しい桜餅を購入してきました。

柴又街道を渡り、帝釈天参道の門をくぐると、道の左右に高木屋老舗の建物が見えてきます。木造瓦ぶきの建物は、タイムスリップしたような風格ある姿。右側の建物では、柴又名物の「草だんご」や、季節の和菓子などを販売しています。おみやげの他に、食べ歩き用の甘味を購入して、店先の縁台で食べることもできますよ。

風情ある店頭を眺めていたら、「期間限定品 さくら餅」と書かれたポップが目に入りました。ここ数日、河津桜を眺めて春の気分が盛り上がっていたので、こちらを購入することにしました。「桜もち 3個入り」（税込600円）のパックを買い求め、早速持ち帰りましたよ。

帰宅後にお茶を用意し、桜餅のパックを開けた途端に、桜の葉の香りがテーブルにふわっと広がりました。古都の春を思わせる風雅な香りに、早くも期待が高まります。
淡いピンク色が美しい生地でこし餡をつつみ、桜の葉の塩漬けでくるまれたこちらの桜餅は、まごうことなき関東風。「長命寺」といわれるタイプです。

口に運んだ桜餅は、ふんわりした薄紅色の生地がほのかな甘みを漂わせ、中には上品な甘さとなめらかさのこし餡がたっぷり入っています。そこに桜の葉の香りと適度な塩気が加わり、豊かな美味しさが口いっぱいに広がります。生地と餡と桜葉のハーモニーが絶妙で、まさに桜の花を思わせるような繊細なお味。絶品です。

淡いピンク色の美しさが際立つこの桜餅は、可愛らしい見た目ながら、食べ応えもしっかりあります。日本の春を味わうことへの、幸せを感じる一品でした。ひな祭りのお祝いや、河津桜のお花見のおともに、おすすめです。

高木屋老舗の桜餅は、3月中旬まで販売する予定とのことです。柴又帝釈天へお参りの際には、早春の美味しさが詰まった特製の桜餅を、ぜひ味わってみてくださいね。