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メカニカルキーボードがうるさいのでHHKBのType-Sしか使わなくなった話

ばんかWebディレクター/ITツールエバンジェリスト

メカニカルキーボードはうるさい。Googleの予測検索でも抱き合わせになるぐらいなので、多くの人が実感しているところなのでしょう。

事実、メカニカルキーボードの打鍵音はうるさいです。キーを押したときの音は、大小ありつつ、メーカーや機種によっても特徴が異なりますが、ノートパソコンに付属している薄型キーボードよりもうるさく感じてしまいます。

この事実は変えられないのですが、すこしでも周りの迷惑にならないよう対策ができないかと試行錯誤を試みました。しかし、結局それから出た結論は「HHKB の静音モデルである Type-S を愛用する他ない」というものでした。

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なぜメカニカルキーボードの打鍵音は大きいのか

メカニカルキーボードのタイピング音が、一般的な薄型のキーボードより大きいのは、内蔵されているスイッチが原因です。

メカニカルキーボードは、各キーが独立したスイッチを持っています。キーを押すと、このスイッチが物理的に動作して接点が閉じ、入力がコンピュータに送信されます。

スイッチの種類によって異なりますが、多くのメカニカルキーボードは「クリック音」と呼ばれる明瞭な音を発生させます。この音はスイッチの動作によるもので、キーが下まで押し込まれたことをユーザーに知らせるフィードバックとして機能します。

また、キーを離す際にもスイッチが元の位置に戻る際の「バウンスバック音」が発生します。これらの音は打鍵感を高め、タイピングが正確に行われているかの確認に役立ちます。

つまりメカニカルキーボードは意図的にタイピング音を出すようにできているのです。

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赤軸を使っても問題は解決しない

「赤軸」と呼ばれるスイッチは、一般的に静音性に優れているとされています。なので、この手の問題の有効な対策手段として、多くの人が「赤軸を買いなさい」とアドバイスをします。

ですが、私の経験からいわせてもらえば、それでも解決には至りません。

私の愛機「Keychron K3 Pro」の赤軸。意気揚々と仕事場に持っていったはいいが、静かなオフィスでは「カチャカチャ……」と音が響いてしまって、快適さよりも申し訳なさが勝ってしまいました。

また、タイピング音について釘を差されたことも数度あります。オンライン会議で議事録を取っていたら「キーボード音がちょっと……」と指摘をいただいた経験が——。

私が思うに、メカニカルキーボードのタイプ音が “うるさい” と感じるのは、”音が大きい” のが原因ではないように思います。問題は、その音を耳にした周りの人たちに与える “不快感” なのだと思うのです。

カチャカチャと小気味いいリズムを刻んでくれて、指先にもいい感じのフィードバックが感じられるので、タイピングをしている本人は非常に気持ちがいいものです。しかし、それを聞かされている周りの人にとっては「癇(カン)に障る音」となってしまうのでしょう。

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許されたのはHHKBのType-Sだけ

そんな中、唯一許されているキーボードがある。HHKB HYBRID Type-Sです。

これはHappy Hacking Keyboardの中でも静音性に優れたモデル。「Silent」の頭文字を取って「Type-S」と名前が付けられています。

このキーボード、タイピング音が静かではあるのだけれど、「音が小さい」というわけでもない。一般的なノートパソコンのキーボードよりも、ずっと大きな音でフィードバックをくれます。

では普通のメカニカルキーボードと何が違うかといえば、音が “低い” のです。

キーを押したときの音が「ゴスゴスッ」と鈍い音が響きます。音のキレも良く、音がひとつひとつ「ゴスッ」と切れるような感じです。

これにより、耳障りの悪さがありません。職場で使っていても甲高い音が鳴り響かないし、オンライン会議でも人の会話に割って入るような不快感がありません。

かれこれ5年以上愛用していますが、注意されたことは一度たりともありませんでした。これこそが、外でも職場でも使える唯一のメカニカルキーボードなのかもしれません。

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あとがき

厳密にいえば、HHKBは「静電容量無接点方式」と呼ばれる機構をもっており、メカニカルキーボードではないのですが、話の趣旨からは外れるので、今は横に置かせてもらいます。

とにかく、どんなメカニカルキーボードであっても、仕事で使うなら気をつけるべきです。

静音性に優れた赤軸を使ったとしても、その音は、使っている本人が想像する以上に周りの人の気を引いてしまいますので、ぜひご注意くださいませ。

Webディレクター/ITツールエバンジェリスト

月間50万PVを達成する「あなたのスイッチを押すブログ」の中の人。Webディレクターとしてサラリーマンをやりつつ、個人でブログや執筆活動をするパラレルキャリアを実施中。iPhone・Mac・Webツールやアプリの活用方法を提案する「ITツールエバンジェリスト」です。

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