JIS配列とUS配列、どっちを選ぶべきか問題の結論
僕は昔、キーボードは頑なにJIS配列を使っていました。日本人ですから、日本語に最適化されたキーボードのほうが使いやすいと考えていたからです。
ですが今は主にUS配列を使うようになりました。これは、好んでUS配列に変えたというより、US配列に変えざるを得ない事情が出てきたからという方が正確ですね。
両方のキーボードを使ってみて、根本的なキーボードとしての使い勝手に、そこまで大きな差は感じていません。キーの数や配列に違いはありますが、設定の変更や慣れで解決できる部分も多いためです。
じゃあどっちでも良いのか?といいますと、やはり判断するための材料があります。それを今日はお話ししようかと。
ちなみに当方、Macユーザーです。Windowsのことは明るくないので、事情が違うかもしれません。その場合はすみません。
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JIS配列キーボードを選ぶ理由
■「かな/英数」キーの有無が最大の焦点
JIS配列キーボードの最大の特徴は、なんといっても「かな/英数」キーの存在です。JIS配列キーを使う理由の90%は、おそらくここでしょう。
そもそもUS配列はアルファベットだけを入力できればOKなので、言語を切り替えるという概念がありません。
なので言語を切り替えるためのキーなんて個別に用意されておらず、「Ctrl」+「スペースキー」というショートカットが割り当てられているのです。
日本語は特殊で、ひとつの言語なのに「ひらがな」「カタカナ」「漢字」を使い分けなくてはならなりません。くわえて頻繁に「英数」も使います。
これらを効率的に切り替えるためにあるのが「かな」と「英数」ですね。
交互に切り替えるのではなく、押したキーの言語に切り替わるのが優秀。いま自分がどっちの言語を選択しているかに関係なく、使いたい言語を押せばいいという手軽さが重要です。
でも実は、US配列のキーボードでも、アプリを利用すれば同様の機能を付けられます。Macであれば「BetterTouchTool」や「Karabiner」などのアプリを使うと、スペースキーの左右にあるCommandキーに、同じ機能を付与させられるのです。
参考:US配列キーボードに「かな/英数」を実装する方法
・BetterTouchToolを使う方法
・Karabinerを使う方法
■ iPad や iPhone で使うかどうか
なのでこの「かな」「英数」の切り替えが役立つのは、実はiPadやiPhoneで使うとき。iPadやiPhoneではキーカスタマイズができませんので、スムーズな言語切替が必要ならJIS配列を選択するしかありません。
実際僕は、普段はUS配列のキーボードを愛用していますが、iPadを使っての外での執筆作業のときは、JIS配列のキーボードを持ち出したりします。
■その他の使い勝手は慣れる
あとは細かい違いはあります。JIS配列に慣れていると、US配列では「スペースキーが長い」「Enterキーが小さい」「細かなキー配列が違う」といった差分にぶつかり、イライラが溜まります。
ですがこれらは結局慣れの問題だったりします。ちょっと我慢が必要ですが、それでも1週間も我慢して使っていれば、指先の感覚も慣れてきて、ミスタイプも減ります。
なのでJIS配列の優位性を実感するのは、「かな」「英数」ぐらいかなと思います。
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US配列キーボードを選ぶ理由
上述した通り、使い勝手の違いはそこまで問題に感じません。ではなぜUS配列のキーボードにシフトしたのかというと、欲しいキーボードがUS配列しかなかったからです。
JIS配列というのは、当たり前ですが、日本語を使う人に向けて作られたものです。なので世界的に見れば超マイナーな配列のキーボードです。
逆にUS配列のキーボードは、大概のメーカーで取り扱いがあります。中国の新規ブランドが日本に進出しても、「US配列はあるけどJIS配列はないよ」というケースは珍しくありません。
僕の愛用している「Keychron」というメーカーはJIS配列の取り扱いがありますが、モデルが限定されてしまいます。「Nuphy」「Lofree」というメーカーではUS配列しか取り扱いがありません。
LogicoolやAppleなど、超メジャーなブランドであれば、日本の市場にも優しいのでJIS配列のキーボードも作ってくれます。しかし、もっとマイナーな新興ブランドであれば、US配列しか取り扱わないことのほうが普通です。
キーキャップなどのアクセサリーも同様。日本語配列のキーキャップを見つけるのは苦労しますが、US配列のキーキャップはすぐに見つかります。
こういった「選択肢の広さ」「カスタマイズ性の高さ」を考えると、US配列を使わざるを得ません。
「JIS配列しか使えない」となると、手に入るキーボードの種類がかなり限定されてしまい、それだけで機会を失ってしまうのです。
特に、僕がいま愛用している「ロープロファイル」と呼ばれる薄型のメカニカルキーボードは取り扱っている種類も多くなく、そのほとんどがUS配列です。
ですから思い切ってJIS配列をやめて、US配列を愛用するようにシフトしたのでした。
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こだわるならUS配列、そうでなければJIS配列
僕はキーボードが好きで、あれやこれやといろんなブランドのキーボードを買ってしまうし、カスタマイズもしたいと思ってしまいます。
なのでUS配列を選ぶ他ありませんでした。
ですが、こんなにこだわる人は少数派で、多くの人はキーボードにそこまでの執着はないでしょう。であれば素直にJIS配列を選択するのがいいと思います。