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MX ERGO vs M575、どちらを買うべきかの答え

ばんかWebディレクター/ITツールエバンジェリスト

はじめに

この記事は、Logicoolの代表的なトラックボールマウス「MX ERGO」と「M575」、どちらを購入するべきか悩んでいる人に向けて書いています。

私は両方のマウスをおり、通常は「MX ERGO」を愛用しています。

ですがそれは「マルチデバイス接続」に対応しているからであり、多くの人にとっては「M575」で十分だと考えています。

いやむしろ、「M575」のほうが使い勝手も良く、日々のメンテナンスもしやすいとも考えています。

これが結論。

それではそれぞれの違いについて書いていきます。

なお、細かな性能や仕様の比較については記述しません。あくまでそれぞれを使ってみて感じた私なりの差について、その評価を書き記していきます。

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違い①:トラックボールを手で外せるかどうか

トラックボールマウスにとっての心臓部である「トラックボール」。これを手で外せるかどうかについてです。

  • MX ERGO は、手では外せない。細い棒状の何かが必要。
  • M575は、手で簡単に取り外せる。

「そんなことが問題になる?」と思うかもしれませんが、長く使っているととても重要なポイントになります。

トラックボールマウスは、このトラックボールを指先で転がすことで、マウスカーソルを動かします。トラックボールの回転のスームズさが、そのまま使い勝手の良さに直結します。

トラックボールそのものについて、性能に差はありません。どちらも非常に優秀で、親指ひとつでマウスカーソルを縦横無尽に操作できます。

しかし、使い続けていると、徐々に「ボールの滑りが悪くなったな」と感じるようになります。その原因は埃(ほこり)。

トラックボールを受け止めているお皿の中に埃が溜まってしまい、それが原因でボールの滑りが悪くなります。

対処方法は簡単。ボールを取り外して、埃を指で取り除くだけ。非常に簡単です。

ですが上述した通り、MX ERGOの場合、ボールの取り外しを手では行えません。ボールを外すための穴がありますが、これが小さすぎるため、指ではボールを押し出せないのです。

M575はこの点が改善されていて、指でちょっと押すだけで、簡単にボールを取り外すことができます。

このちょっとの差ですが、私にとっては大きな評価の分かれ道となっています。

というのも、埃は結構な頻度で溜まります。1〜2日に1回ぐらいは滑りが悪くなるので、ちょちょっとメンテナンスをする必要があります。

そのつど、細い棒を持ち出さなければならない「MX ERGO」は本当に面倒。特に困るのが外出先で、都合よく棒がないときは、すべらないボールにイライラしながら仕事をしなければなりません。

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違い②:マウス底の滑り止めの性能の違い

ふたつ目が、マウスの底についているラバーの性能です。

  • MX ERGO のラバーは滑る。力を込めるとマウスが動く。
  • M575 のラバーは協力で、力を入れても全く動かない。

M575の底面には合計5箇所の滑り止め用ラバーがあり、マウスを机にピッタリと固定してくれます。

マウスに手を伸ばしたときの勢いがどれだけ強くても、マウスは微動だにしません。最初から机に取り付けられていたかのような安定感でそこに固定されます。

一方のMX ERGO。取り外し可能な金属プレートの底には、全面に滑り止め用のラバーが貼られています。

このラバー、ちょっと滑ります。マウスにちょっと力を込めると、ズズズッと動いてしまいます。

トラックボールマウスのメリットは、マウスを動かさないでも使えるところにあります。

そのためマウスは一箇所に固定されていたほうが使い勝手がいいため、簡単に動いてしまう「MX ERGO」は個人的にマイナス評価となっています。

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違い③:約100gの重量差

  • MX ERGO の重さは259g。
  • M575 の重さは145g。

MX ERGO は底面に鉄板のプレートがくっついているため、相対的に重くなっています。

たった100gの差ですが、外に持ち出すときには「あっ、今日ちょっとカバン重いかも」と感じる程度には差を感じます。

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違い④:バッテリーの違い

  • MX ERGO は、MICRO-USBによる充電
  • M575 は、単三電池を一本使用

MX ERGOは充電式で、M575は乾電池による交換式です。

MX ERGOは、一回の充電で120日も持ちます。ほとんどバッテリー切れの心配をする必要がありません。

ただ問題もあって、対応しているケーブルがMICRO-USBなのです。

いまどきMICRO-USBを使っているデバイスも珍しく、充電のたびにケーブルをデスクから掘り起こしています。

Type-Cであれば、他のデバイスで使っているケーブルと共通化できたのですが——。

一方のM575は乾電池による交換形式。ランニングコストはかかりますが、外出先でバッテリーが切れても簡単に解決できる点に大きなメリットを感じています。

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違い⑤:複数ボタンによるカスタマイズ性

カスタマイズできるボタンの数に大きな違いがあります。

  • MX ERGO:カスタマイズ可能なボタン数:6個(戻る/進む、右/左ティルトとミドルクリック、プレシジョンモードボタン)
  • M575:カスタマイズ可能なボタン数:3個(戻る/進む、ミドルクリック付きスクロールホイール)

MX ERGOのほうが、数にして3つほど多く、カスタマイズできるボタンが備わっています。私自身、これを目当てにMX ERGOを買いました。

よりMacを効率化したい、自分好みに操りたいと考えるなら、MX ERGOのほうが適切といえるでしょう。

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違い⑥:マルチペアリングに対応

  • MX ERGO:同時に2台に接続できて、ボタンひとつで接続先を切り替えられる
  • M575:1台としか接続できない。切り替える際は再接続が必要。

私は、プライベートで使用するMacBook Airと、会社から支給されたMacBook Airの、2台を使い分けています。

同じキーボード・同じマウスで使い分けるには、マルチペアリングが必須。いちいちBluetoothの再接続などと手間をかけられないので、素早い切り替えが必要です。

なので私には、M575よりもMX ERGOのほうが適任でした。

ですがこのような使い方をしているユーザーは珍しい思うので、多くの人にとってはメリットにならないかもしれないですね。

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総評

それぞれ一長一短なのですが、価格に1万円以上の差があります。

  • MX ERGO:¥18,470 – ¥19,250 (税込)
  • M575:¥8,140 (税込)

MX ERGOのほうが1万円以上高いのですが、この価格差を埋められるほどの性能差があるかというと「ないのではないか?」というのが私の意見です。

トラックボールマウスとしての基本的な操作感については差がなく、どちらも最高に使いやすいです。

なので「作業効率化のために複数のボタンが必須」「複数のPCを使い分けるので、マルチペアリングが必須」といった特別な事情やこだわりが無い限りは、安価であるM575を選ぶべきなのかなと思います。

Webディレクター/ITツールエバンジェリスト

月間50万PVを達成する「あなたのスイッチを押すブログ」の中の人。Webディレクターとしてサラリーマンをやりつつ、個人でブログや執筆活動をするパラレルキャリアを実施中。iPhone・Mac・Webツールやアプリの活用方法を提案する「ITツールエバンジェリスト」です。

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