「ファミレス」といえば、だれでも気軽に入れてさまざまな料理が食べられる飲食チェーン店を思い浮かべる方が大半でしょう。

しかし、そうではない「ファミレス」を大分で発見したのでレポートしてきました。

その名も「ファミリーレストラン」

そのレストランは大分駅から徒歩7分、老舗百貨店「トキハ」の中にありました。

地方の老舗百貨店はどこも味のある古さがありつつ上品な場所です。駅ビル商業施設より静かでありながら個性を感じるので、地方主要都市に行ったときはよく立ち寄っています。

また、そんな古き良き百貨店の中にある、クラシカルな雰囲気のレストランやカフェは、ちょっと高級で、特別感があって、決まっておいしいものです。

この日もまた、ふらっと立ちよった「トキハ」という百貨店だったのですが……7階に「ファミリーレストラン」という文字を見つけてびっくり。「略してファミレスじゃないか！」という、その衝撃と勢いだけで、入店を決めました。

ラストオーダー10分前、なんとか滑り込みセーフです。

閉店が迫る時間なので、当然お客さんはわたし一人でした。

店内はこんな感じ。

期待を裏切らない想像通りのレトロな内装でした！ランチの時間帯には、百貨店に来るお客さんでにぎわうのでしょうか。

オムライスを実食！

さて、ラストオーダーが迫るので、さっそく注文していきましょう。

さすがはファミリーレストラン。メニューは和洋折衷で多数取り揃っているのですが、やっぱりここはまず、洋食を試したいところ。「王道」ともいえるオムライスと、アイスコーヒーを注文しました。

びっくりしたのが店員さんの接客のすばらしさ。ギリギリに入った客にいやな顔ひとつせずに、「オムライス、今シェフが作ってますからね！」とか「お水と、あったかいお茶も付けときますね！」とか、いろいろと声をかけてくれました。それもしつこくない程度の塩梅で。

爽やかで優しい接客に和まされつつも、10分程度でオムライスが到着。

これはまさに「THE・百貨店のオムライス」です！！！

ご飯を包んだ卵の両端がツンと立っている感じ、気品あふれる美しさがありますよね。

お味も絶品。ケチャップではなく自家製っぽいトマトソースなのが素敵です。昔ながらの洋食屋さんらしい素朴でシンプルな味付けは、老若男女だれでもおいしいと感じるでしょう。まさに「ファミリーレストラン」にふさわしいオムライスでした。

ちなみにセットでコンソメスープがついてきます。これがまたすごい。「本当にセットでいいですか？」と思うほど、重厚なコンソメの深い味わいがします。これだけで900円くらい取れるんじゃないでしょうか（オムライスが約900円です）。

お腹と時間に余裕があったら、パンケーキやパフェといった百貨店王道スイーツも食べてみたかったです。こんなオムライスやスープが提供されるなら、きっとスイーツもおいしいはずです。

お会計時、ポイントカードの案内をされて「東京に住んでいるので……」と伝えたらすんごくびっくりされました（笑）。やっぱりほとんど地元の人ばかりなのかな。

大分に住んでいる方はもちろん、大分に旅行に来た方も、駅近なのでぜひ立ち寄ってみてください！駅ビル商業施設でご飯を食べるより、空いていてレアな体験ができると思いますよ。

「ファミリーレストラン」は他にもあるのか？

今回立ち寄ってみたファミリーレストラン、トキハのHPを見てみると、以下のような記載ありました。

「全国的にも貴重となった」か……。ということは、もともと百貨店には「ファミリーレストラン」があって、だんだんと数が減ってきているということですね。

さっそく「ファミリーレストラン　百貨店」で検索してみます。

あった～～～～！！！！

長崎浜屋のファミリーレストラン紹介文にこんな言葉が書いてありました。

なるほど、昔は家族みんなでおめかしして、デパートや百貨店に出かけることが、エンターテインメントのひとつだったのですね。そんな非日常の場所で、家族みんなで楽しむレストランが「ファミリーレストラン」か……。

今やすっかりショッピングモールや駅ビルも発展し、「家族でおめかしして百貨店に出かける」ことが少なくなってきたかと思いますが、そんな本当の意味での「ファミリーレストラン」、百貨店ならではの施設として、文化として、ずっと残し続けてほしいと願います。

ファミリーレストランと名乗る百貨店レストランは少なくなってしまいましたが、老舗百貨店にはその場所ならではの雰囲気あるカフェやレストランが併設されていることが多いです。みなさんもたまにはぜひ、おめかしして、非日常を味わいに行ってみてください。

マニアックなスポットへの散歩や旅に興味のある方は、ぜひフォローしてくださると嬉しいです！ではまた次の旅で。