専門マスター

【2分書評】韓国で100万部超えの衝撃のフェミニズム小説!82年生まれ、キム・ジヨン/チョ・ナムジュ

文学YouTuberベル

文学YouTuber/ブックチューバー

QRコード

スマホ版Yahoo! JAPANのフォローで最新情報をチェックしてみよう

82年生まれ、キム・ジヨン/チョ・ナムジュ #読了
韓国で大ヒットのフェミニズム小説。一児の母キム・ジヨンの歩んできた人生を淡々と追っていきます。
性に対する理不尽の連続で苦しいですが、今までイメージで捉えていた“フェミニズム”がリアルに誤解なく感じ取れました。男性の感想も聞いてみたい。

【書籍紹介】
日本でも圧倒的共感の声! 「これはわたしの物語だ」
異例の大ヒットで、たちまち13万部突破!!

「女性たちの絶望が詰まったこの本は、未来に向かうための希望の書」――松田青子

ひとつの小説が韓国を揺るがす事態に
K-POPアイドルユニットのRed Velvet・アイリーンが「読んだ」と発言しただけで大炎上し、少女時代・スヨンは「読んだ後、何でもないと思っていたことが思い浮かんだ。女性という理由で受けてきた不平等なことが思い出され、急襲を受けた気分だった」(『90年生まれチェ・スヨン』 より)と、BTS・RMは「示唆するところが格別で、印象深かった」(NAVER Vライブ生放送 より)と言及。さらに国会議員が文在寅大統領の就任記念に「女性が平等な夢を見ることができる世界を作ってほしい」とプレゼント。韓国で社会現象にまで発展した一冊は台湾でもベストセラーとなり、ベトナム、アメリカ、カナダ、イギリス、イタリア、フランス、スペインなど18カ国・地域で翻訳決定。
本書はもはや一つの<事件>だ。

ある日突然、自分の母親や友人の人格が憑依したかの様子のキム・ジヨン。
誕生から学生時代、受験、就職、結婚、育児……キム・ジヨン(韓国における82年生まれに最も多い名前)の人生を克明に振り返る中で、女性の人生に立ちはだかるものが浮かびあがる。

「キム・ジヨン氏に初めて異常な症状が見られたのは九月八日のことである。(……)チョン・デヒョン氏がトーストと牛乳の朝食をとっていると、キム・ジヨン氏が突然ベランダの方に行って窓を開けた。日差しは十分に明るく、まぶしいほどだったったが、窓を開けると冷気が食卓のあたりまで入り込んできた。キム・ジヨン氏は肩を震わせて食卓に戻ってくると、こう言った」(本書p.7 より)

「『82年生まれ、キム・ジヨン』は変わった小説だ。一人の患者のカルテという形で展開された、一冊まるごと問題提起の書である。カルテではあるが、処方箋はない。そのことがかえって、読者に強く思考を促す。
小説らしくない小説だともいえる。文芸とジャーナリズムの両方に足をつけている点が特徴だ。きわめてリーダブルな文体、等身大のヒロイン、ごく身近なエピソード。統計数値や歴史的背景の説明が挿入されて副読本のようでもある。」(訳者あとがきより)

解説:伊東順子

装画:榎本マリコ
「装画について」
表紙の顔の中の風景は、ニューメキシコ州のアビキューという土地を描いています。
乾いた風の音と鳥の声以外何も聞こえないような場所で、浄化される感覚を覚えた私の一番好きな場所です。
きっと常々思い焦がれているので無意識にこの風景を描きたくなるんだと思います。
私の作品は、"此処ではないどこかへ"という想像の中の自由な世界を描くことが多いので、名久井さんがこの絵を選んでくださったことで、今回の主人公の心情にも少しリンクすることができたのかなと思っています。

装丁:名久井直子
「装丁について」
わたしが榎本さんのあの絵を選んだコンセプトは、
社会の中で自分の顔(主体)があやうい状態を表したかったのです。
透明人間になっているような。
鏡にも風景が映っているのは、
鏡にさえ、自分が映らないという喪失感のようなもの、を追加したかったのです。

――――――――――――――――――――――
これは女性だけの物語ではない。
フェミニズムに抵抗がある人にも読んで欲しいし、一緒に考えるべき一冊だと思う。
10年後のキム・ジヨンがどんな人生を送っているか、それは今を生きる私たちにかかっているのだ。
――村田沙耶香

フェミニズムって、実は学問でも思想でもなく、女性たちの日常の中にある。それは生きるものであり、暮らすものだ。
ということを小説にしたからこんなにパワフルなんだと思う。日本のキム・ジヨンも読みたくなった。
――ブレイディみかこ

この本のノンフィクション的書法での女性差別への抗議は一歩先に行ってる。良きベストセラーが国を動かすケースだ。
――いとうせいこう(twitterより)

たくさんの私たちに本の中で出会い、時々胸が詰まる思いでした。
――伊藤詩織

一気に読んだ。登場人物が、理不尽さに甘んじることなく、自らの手で成功を掴んでいく様子は痛快だ。
それにしても驚くのは、これが百年前ではなく、現代の物語ということ。
もちろん日本も他人事ではない。哀しみと同時に、勇気をもらえる小説だと思う。
――古市憲寿

次から次に積み上げられる不条理を前に、思わずもっと楽しんで生きようよ、と言ってしまいたくなる人もいるだろう。だから私はあえて言いたい。
「これが私たちの日常だけど、なにか?」、と。
――鳥飼茜

小説は語れなかった名もなき感情に言葉を与えることができる。だから、韓国中の女性たちがこの本に熱狂したのだ。
自分の中の言葉にならなかった、声に出せなかった感情が、ここにすべて書かれているから。
――星野智幸(「ちくま」2019年1月号書評より)

女であるということ。たったそれだけで、そのせいで、被らなければならなかった無数の悲しみ、それらを耐えなければと繰り返しこらえ続けた狂おしさが……
実は、自分だけのものではなかった、と思えたなら、それだけでもたぶん救いになるんだ。救われるべき人たちに届きますように。
――温又柔

つらかった。出来事も感情もわかりすぎてきつかった。女性を取り巻く状況はそう簡単には変わらないだろう。
それでも勇気をもって書かれ、刊行された本がここにある。このスタートラインに立って走ろう。一緒に。
――深緑野分

ある日突然、自分の母親や友人の人格が憑依したかのようなキム・ジヨン。誕生から学生時代、受験、就職、結婚、育児…彼女の人生を克明に振り返る中で、女性の人生に立ちはだかるものが浮かびあがる。女性が人生で出会う困難、差別を描き、絶大な共感から社会現象を巻き起こした話題作!韓国で100万部突破!異例の大ベストセラー小説、ついに邦訳刊行。

…続きを読む