宝塚市立中央図書館内に、無料でアートが楽しめるスペースがあるのをご存じですか。現在、聖光文庫では夏休み特別企画展「鳥獣戯画（複製）を楽しもう」を開催中です。

中央図書館内にある『聖光文庫』には、美術関係の資料が収集保管されています。これは清荒神清澄寺から、鉄斎美術館の入館料によって購入された資料をご厚意により寄贈いただいたもの。貴重本から過去の展覧会の図録まで、誰でも自由に閲覧できます。
そして、隣に併設された展示コーナーでは、季節ごとに国宝・重文級の軸物・巻物の複製を展示しています。私もよく訪れますが、思いがけない名画に出合えることも。最近の複製は質もよいので、絵のすばらしさを十分に堪能できます。

夏休みには、親子で鳥獣戯画や絵画の中の動物を探して楽しんでもらえるように、企画展を毎年おこなっているそう。今年も8月31日まで開催中です。

鳥獣戯画は甲巻・乙巻が展示されています。おなじみのうさぎやカエル、猫のほか、当時外国から伝来したライオンなど珍しい動物の姿も。情報を元に想像で描かれているそうで、皆さんがよくご存じのライオンとはちょっとちがう、和風な姿が面白いです。どの動物も生き生きとして、観ているだけで笑みがこぼれます。添えられた草木を描く筆運びの確かさからも、作者は高い画力の持ち主とわかりますね。

それ以外にも、清荒神にゆかりの深い鉄斎の扇絵や、中国の絵画「筆耕園」の動物も展示されています。鉄斎のユーモラスで味わい深いニワトリやカエル、「筆耕園」の精巧な筆致ながら愛らしいネズミや馬の絵も必見です。

企画として、子どもたちにより深く興味をもって楽しんでもらえるよう、動物探しのクイズを実施しています。答えた方にはおもちゃの消しゴムをプレゼント。ぜひトライしてみてください。鳥獣戯画に興味が湧いたら、関連する本を借りてもいいですね。

アートのまち宝塚ならではの贅沢なスペース。涼しい室内で楽しいひとときはいかがですか。

展示情報