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【宝塚市】極上の一杯がつなぐ一期一会

ぶらっと地域情報発信ライター(宝塚市)

選び抜かれた豆を使い、熟練のバリスタの手によってサーブされるコーヒー。スペシャルな一杯には、人を励ましハッピーにする力があります。本日は、そんなこだわりのコーヒーを提供し続けるSHIRANKEDO.の店主・住田侑翼(すみだゆうすけ)さんにお話しをうかがいました。

はじまりは一杯のコーヒーから
はじまりは一杯のコーヒーから

いままで出合ったことのないコーヒー

阪急宝塚線・山本駅前の雑貨店、The WorktuReさん併設のコーヒースタンドでは、伊丹のカフェ・SHIRANKEDO.さんのスペシャルティコーヒーを気軽に楽しむことができます。その美味しさが忘れられず、SHIRANKEDO.の店主・住田さんを伊丹に訪ねました。

キッチュで可愛いファサードに、テンションアップ
キッチュで可愛いファサードに、テンションアップ

山本のコーヒースタンドとは雰囲気がまったく違って、伊丹店はカジュアル&カラフル。おうちに遊びに来たみたいです。

背もたれの猫を連れて帰りたい
背もたれの猫を連れて帰りたい

猛暑でしたが、ラテアートが見たかったので迷わずカフェ・ラテ(竹炭入りのBlack Latte)を注文。前回の記事を読んでくださっていた住田さんは、「撮りますか?」とコーヒーカップをこちらに向けて作ってくださいました。嬉しすぎる心遣いに大感謝です。

波打つ表面
波打つ表面

カップとピッチャー、どちらが動いている?
カップとピッチャー、どちらが動いている?

きっと繊細な動きですが、早すぎて何が起きているのかわかりません。目の前でどんどん模様が出来ていきます。

おおおっ
おおおっ

描かれた曲線の真ん中にすーっと一本の線を通したら、可愛らしいラテアートの完成です。

完璧
完璧

ラテアートを提供するカフェは増えてきたものの、ここまで繊細なものにはなかなか出合えません。すごいですねと言ったら「めちゃめちゃ練習しました」との答えが返ってきました。

ひと口含むと、ミルクの甘さがふわりと広がります。まろやかな飲み口も心地よく、カフェイン入りとは信じられないくらい。この味わいは、選び抜かれた豆と温度のコントロールによって生み出されるもの。「コーヒーは苦いもの、というイメージを変えたい」と言う住田さんが、長年かけて磨きあげた、こだわりの一杯なのです。

パワフルでしなやかなコスモポリタン

洗練されたバリスタとしてのサーブから、勝手にクールな人を想像していましたが、実際に話してみると、ナイーブといっていいほど穏やかで柔らかい印象の方。その一方で、飾らない人柄と、フラットな物腰が独特の雰囲気を醸し出しています。その源はどうやら、約14年のキャリアのなかで、東京を皮切りにアジアや中東、さらにはヨーロッパと、好奇心のおもむくまま世界で働いた経験にありそうです。そして、いつも共にあったコーヒー。好きなものには全力で取り組み、探求する。どんな所でもたくましく生き抜くパワフルさを認められ、海外で新規カフェのスタートアップを任されたことも。そんな生き方が自分自身でも好きだったと言います。

伊丹店には住田さんのたくさんの「好き」が詰め込まれていますが、そのなかでも大きなウェイトを占めるのが音楽です。CDにはない柔らかい音が好きだそうで、大半がレコード。そのなかから「宝物です」と紹介されたレコードの封は開いていませんでした。そっと手に取り「音はCDで聞いて、これは絶対に開けません」と声をはずませる姿に、音楽に夢中になっていた自分の学生時代を思い出しました。

どんな人に対しても、根っこの部分で率直に語り合う。コーヒーという世界共通のことばを通じて、さまざまな文化の人とコミュニケーションをとってきた住田さんとの会話は、無条件に楽しいです。

自分自身を創造する

住田さんがインスタグラムをフォローしたことから、The WorktuReさんとのご縁がつながりました。山本は、住田さんが幼少時代を過ごした馴染みある場所です。ちなみに伊丹店のキュートなキャラクターは、オーストラリアで知り合ったイギリス人アーティスト・ジェリーさんに依頼したもの。そのほか、近隣のカフェとイベントを企画したり、パティスリーとコラボしたり。つねにアンテナを張って、興味があればすぐに行動する。軽いフットワークが仕事の幅を広げてきました。そのひろがりは「こんなことになるとは思っていなかった」とご本人が驚くほど。自由な未来を見つめつつ現実的な努力を積み重ねて、独自の世界を創りあげてきたのです。

The WorktuReのコーヒースタンドは、住田さんこだわりのマシンが並ぶ、伊丹店とはまた違ったスタイリッシュな雰囲気。メニューはエスプレッソベースのドリンクメインですが、オリジナルブレンド以外は月替わりで豆が変わるため、毎月違った風味を楽しめます。

今年はじまったばかりで、いまのところ住田さんはほぼ不在ですが、調整がつきしだい週に何度かは在店となる予定だそう。それまでの間も、豆の味を最大限に引き出すレシピや、エイジングで変化する豆に合わせたサーブをほかのバリスタと共有することで、味わいとクオリティーを維持しています。

 新しいチャレンジ
 新しいチャレンジ

カジュアルでもスタイリッシュでも、そこにあるのはいつでも極上の一杯。すべてのしがらみを外に置いて、心のこもったお茶のもてなしを受け、二度とない穏やかなひとときを亭主と楽しむ。これって茶道の一期一会では? と思いつつ、癒しのひとときを求めて、またお伺いしたいです。

今回はホットコーヒーをご紹介しましたが、もちろんアイスもあります! こちらはしっかりとしたコクのあるお味。どちらもお勧めです。

夕涼みイベントにて
夕涼みイベントにて

(取材ではSHIRANKEDO.様の協力により、Black Latteを無償で提供いただきました。本記事制作にあたってはガイドラインに基づき公平中立に制作しています。)

店舗情報

WorktuRe to SHIRANKEDO.(ワークチュアとシランケド)
■ 〒665-0881 兵庫県宝塚市山本東2-9-3
■ 営業時間:11:00〜16:00
■ 営業日:水・木・金・土 
公式Instagram
Shirankedo. Instagram
(お電話でのお問い合わせはお控えください)

地域情報発信ライター(宝塚市)

カフェ、庭園、美術館、ときどき神社。新しい出会いを求めて、カメラ片手に足の向くまま、気の向くまま。歴史のあるまち、宝塚の「いま」をお届けします。

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