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最新技術で『SPY×FAMILY』の世界に飛び込む!? 没入型ミュージアム「マンガダイブ」レポート

ちゃんめいマンガライター
(C)SHUEISHA (C)遠藤達哉/集英社

 「前からフォージャー家の3人が歩いてくる!」「アーニャがボンドに乗っている時の景色ってこんな感じなのか」と。まるで『SPY×FAMILY』の世界に飛び込んだような体験ができる「マンガダイブ『SPY×FAMILY』THE WORLD OF DOUBLE LIVES」が、東京・日本橋の室町三井ホール&カンファレンスにて開催中だ。本記事では会場の様子と、実際に体験してきた感想をお届けしていく。

没入型ミュージアム「マンガダイブ」って?

 集英社XRが主催する、新感覚の没入型ミュージアム「マンガダイブ」。従来のマンガコンテンツにプロジェクションマッピングやLEDなどのデジタル最新技術を掛け合わせることで、「マンガダイブ」という名の通りマンガの世界に飛び込んだかのような体験を提供する。

 2023年の初お披露目以降、“読む”とは異なる新しいマンガ体験を提供し続けてきた「マンガダイブ」だが、昨年末より過去最大規模の企画展「マンガダイブ2024 NIHONBASHI」をスタート。『キングダム』『【推しの子】』に続く第三弾として、2月21日より「『SPY×FAMILY』THE WORLD OF DOUBLE LIVES」が幕を開けた。

『SPY×FAMILY』の世界へダイブ!

(C)SHUEISHA (C)遠藤達哉/集英社
(C)SHUEISHA (C)遠藤達哉/集英社

 会場は、新日本橋駅直結の室町三井ホール&カンファレンス。受付を済ませて会場に入ると4方向を囲まれた広い空間へと通される。いざ、『SPY×FAMILY』の世界へ!

あの大人気エピソードを体験! 「ストーリーダイブエリア」

 「『SPY×FAMILY』THE WORLD OF DOUBLE LIVES」は、全部で4つの展示エリアに分かれており、最初のエリアがこちらの「ストーリーダイブエリア」。周囲360度と床の全5面に映像が広がるこのエリアは、本展最大規模のイマーシブ(没入)空間となっている。

 上映されるのは、アーニャの愛犬・ボンドがフォージャー家の一員になるまでを描く「ボンド編」と、ヨルの裏の顔にスポットを当てた「豪華客船編」。原作でも高い人気を誇るエピソードを計30分(各15分)にわたりエリア内で鑑賞することができる。

(C)SHUEISHA (C)遠藤達哉/集英社
(C)SHUEISHA (C)遠藤達哉/集英社

 「大きい画面に映すだけでしょ?」と侮ることなかれ。「ボンド編」冒頭では、オスタニアの街並みが360度全方向に広がり「え! フォージャー家の3人が前から歩いてくる!?」と、まるで一登場人物として、『SPY×FAMILY』の世界に足を踏み入れたかのような臨場感に包まれる。

(C)SHUEISHA (C)遠藤達哉/集英社
(C)SHUEISHA (C)遠藤達哉/集英社

 さらに物語が進むと、ボンドに乗ったアーニャの視点で街を疾走する演出のほか、“人の心が読めてしまう”アーニャの脳内を体験するかのごとく、カラフルに装飾された吹き出しやセリフが私たちを包み込む。

 「豪華客船編」は、とにかくヨルのアクションシーンに注目。「あれ、敵側を体験している?!」と感じるくらい、衝撃と躍動感のあるヨルの足技。そして、花火が打ち上がる夜空を背景に、客船上で繰り広げられる熾烈なバトルは痺れるような迫力に満ちている。

(C)SHUEISHA (C)遠藤達哉/集英社
(C)SHUEISHA (C)遠藤達哉/集英社

 アクションシーン以外にも、「ストーリーダイブエリア」という空間で改めて見つめるヨルの迷いや覚悟は、マンガやアニメでは体験できない......まるで彼女の心の内側に触れるような演出となっており、一層胸を打つものがある。

(C)SHUEISHA (C)遠藤達哉/集英社
(C)SHUEISHA (C)遠藤達哉/集英社

 シリアスな展開が続く「豪華客船編」だが、作中に登場するロイドとアーニャのコミカルなシーンもしっかりと再現されているため、大人はもちろん、子どもも楽しめる展示となっている。

(C)SHUEISHA (C)遠藤達哉/集英社
(C)SHUEISHA (C)遠藤達哉/集英社

“推し”に包まれる!? 「キャラクターダイブエリア」

 次は『SPY×FAMILY』のキャラクターにフォーカスを当てた「キャラクターダイブエリア」。

 アーニャ、ロイド、ヨル、ボンドのフォージャー家や、本作を彩るその他キャラクターたちを360度全方向にわたってダイナミックに紹介する本展示。

(C)SHUEISHA (C)遠藤達哉/集英社
(C)SHUEISHA (C)遠藤達哉/集英社

 まずは、まるでこちらがスパイになったかのように、調査資料のようなフォーマットで丁寧にキャラクターのプロフィールが紹介されていく。『SPY×FAMILY』初心者はもちろん、改めて作品を振り返りたいファンにとっては充実の内容となっている。

(C)SHUEISHA (C)遠藤達哉/集英社
(C)SHUEISHA (C)遠藤達哉/集英社

 さらに、各キャラクターを象徴するような名シーンが私たちに降り注ぎ、まるでキャラクターたちの息遣いをそこに感じるような。“推し”に包まれる最高の空間だ。

(C)SHUEISHA (C)遠藤達哉/集英社
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新たな視点で作品を楽しむ「マンガダイブエリア」

 3つ目は、作品の世界を今まで体感したことのない角度から楽しむ「マンガダイブエリア」。

(C)SHUEISHA (C)遠藤達哉/集英社
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 超高精細で原画を読むことができる「8Kマンガビューワー」や、キャラクターを立体的に楽しめる 「裸眼3D立体モニター」。また、映像と音に連動して振動する「床型ハプティクス」など、最新テクノロジーを用いた新たな視点で『SPY×FAMILY』の世界を体感できる。

ここでしか買えない限定品も!「グッズ物販エリア」

 最後は「マンガダイブ」限定のグッズが手に入る「グッズ物販エリア」。

(C)SHUEISHA (C)遠藤達哉/集英社
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 「マンガダイブ『SPY×FAMILY』THE WORLD OF DOUBLE LIVES」のキービジュアルを使ったクリアファイルやタンブラー。そのまま飾るのはもちろん、AR演出も施されたアクリルスタンドなど。ここでしか手に入らない限定商品が多数販売されている。

マンガ展の主流になるか? 「マンガダイブ」の可能性

(C)SHUEISHA (C)遠藤達哉/集英社
(C)SHUEISHA (C)遠藤達哉/集英社

 マンガを読むのではなく、マンガに飛び込む。「マンガダイブ『SPY×FAMILY』THE WORLD OF DOUBLE LIVES」を実際に体感してみて、そんな新たな読書体験の可能性を一番に感じた。

 また、従来のマンガの企画展といえば、貴重な原画や設定資料の展示が代表的なものであったが、「マンガダイブ」の登場によって展示の在り方も多様化していくように思う。デジタル作画が主流になりつつある今、「マンガダイブ」は非常に相性の良い展示方法であることは間違いない。

 ただ、アニメ化でも映画化でもなく、“マンガダイブ化”するために作品を再構築していくのは至難の業だろうと、そう感じるくらい「マンガダイブ『SPY×FAMILY』THE WORLD OF DOUBLE LIVES」は、緻密な計算がなされた展示だった。

 例えば、周囲360度と床の全5面に映像が広がるエリアを活かして、コマや吹き出しを配置していく作業。一歩間違えれば大画面に作品を投影するだけ、という結果になりかねないところだが、観客がマンガの世界に吸い込まれていくような体験を見事実現させたのは「マンガダイブ」制作チームが積み重ねてきた技術力の賜物だろう。

 一般的な展示として浸透するにはまだまだ時間がかかりそうだが、個人的にはいつかスポーツマンガの展示が見たいと密かに期待している。

「『SPY×FAMILY』THE WORLD OF DOUBLE LIVES」開催概要

●期間:2月21日(水)~3月24日(日)10時〜20時半

●本展覧会は各回の入場人数を制限した「全日日時指定・完全入れ替え制」です。事前にマンガダイブ公式サイトで予約をしてから来場することをおすすめします。

●会場:室町三井ホール&カンファレンス

●住所:東京都中央区日本橋室町三丁目2番1号 COREDO室町テラス3階

●チケット料金:

グッズ付き限定チケット:一般2,000円、高校生1,700円、中学生1,200円

通常チケット:一般1,600円、高校生1,300円、中学生800円、小学生500円、未就学児無料※すべて税込

●企画展詳細およびチケット購入はマンガダイブ公式サイトまで

(C)SHUEISHA (C)遠藤達哉/集英社

マンガライター

マンガライター。マンガを中心に、エンタメ系コンテンツの書評・インタビュー・コラムの執筆を行う。月に読むマンガの数は100冊以上。主な執筆媒体に、ダ・ヴィンチWeb、Real Soundブック、文春オンライン、コミックナタリー、QJWeb など。宝島社「このマンガがすごい!2023」選者。文化放送 超!A&G+「ラジラブ!」第4期パーソナリティ。