【目黒区】素朴で優しいお菓子が食べたくて・穀粒菓子店「雪ワタリテ麦イズル」
JR山手線の目黒駅から東急目黒線・不動前駅のちょうど中間ぐらいにある小さなスイートショップ「雪ワタリテ麦イズル」。もともとは篠原工業所があった建物の1階を、店主である阿部圭一郎さんと恵さんご夫妻がセルフリノベーションして2020年10月にオープンさせたお店です。
雪ワタリテ麦イズルの入り口には大変小さな扉がついています。大人だとちょっと腰をかがめないと入れないぐらい。
店内はお客様2人がかろうじて入れるぐらいのコンパクトなスペース。かわいらしいポット型のライト、レトロなガラス棚に並べられた焼き菓子が出迎えてくれました。
雪ワタリテ麦イズルは阿部 圭一郎さんと恵さんご夫妻がお2人で営むお店。店名である「雪ワタリテ麦イズル」とは漢字で“雪下出麦”と書きます。
日本には七十二候(しちじゅうにこう)という72の季節を表現したことばがあり、“雪下出麦”もその一つ。冬の間に降り積もった雪や霜の下で芽を出し、春を待つ麦の姿を表しています。
麦は私たちの食生活を支える大切な存在。厳しい季節を耐え抜き、けなげに芽を伸ばす力強さを感じさせる存在でもあります。
お店が提供する四季折々の素材を使った手作りの焼き菓子には、日本ならではの情感の豊かさやその時期ならではのおいしさを楽しんでもらいたい、という阿部さんご夫婦の想いが込められているということですね。
雪ワタリテ麦イズルの焼き菓子は安心安全な素材にこだわり、毎日食べても飽きないシンプルなものを提供しています。精製された白砂糖や添加物は不使用。
小麦粉・てんさい糖は北海道産、玄米粉は茨城県産無農薬栽培のお米、卵は茨城県産平飼い有精卵を使用するなど、トレサービリティがしっかりしているのが特徴です。
植物オイルを使って焼き上げるクッキーは、素材の味がくっきり。甘さも控えめでかみしめるたびに、旨味が口の中にひろがり、奥行きのあるおいしさを感じることができます。
牛乳や生クリーム、バターをたっぷり使ったお菓子も、たまにはいいのですが毎日はちょっと重すぎる。おこもり生活で、お茶うけにちょっと甘いものが欲しい。そんな時は雪ワタリテ麦イズルのように、食べ飽きないお菓子は嬉しいですね。
店主の阿部さんも『罪悪感なく甘いものが食べられる』とおっしゃっていました。
ココナッツオイルと黒糖のブールドネージュやモロヘイヤと白ごまのぐるぐるクッキー、ひなたの粒 玄米カカオを購入して実際に食べてみましたが、どれも甘さ控えめでほっとするおいしさでした。
モロヘイヤと白ごまのぐるぐるクッキーは味の想像がつかなかったのですが、ちょっと歯ごたえがあって、かみしめると胡麻の風味がふわっと鼻を抜けます。もちろんモロヘイヤの風味もしっかり! これは意外なおいしさです。
どれもよい素材を使っているので一つひとつの味わいや旨味が引き出され、おいしさのハーモニーを奏でる。他ではちょっと味わえないおいしさだと思いました。
雪ワタリテ麦イズルのお菓子をプレゼントしたいという場合は、オリジナルのかわいいイラストを使ったギフトパッケージがあります。
定番のお菓子箱は6種類。イラストは熊谷奈保子さんが手掛けたもので、やわらかなタッチと色使いに癒されます。さらに、季節限定イラストを使用したギフトボックスが1種類。
月替わりでその時期にしか出会えないイラストを使った箱でプレゼントすることができます。取材したのは8月でしたのでイラストのテーマは「夏の庭」。箱のサイズは大・中・小と3種類です。
箱に付ける熨斗にはメッセージが書かれていて、「無理しないでね」「心ばかり」「いつもありがとうございます」など100種類も用意。贈る相手の顔を想像しながら選ぶのも楽しいですね。
雪ワタリテ麦イズルのお菓子は結婚式の引き出物にも大人気。お2人の新しい門出に心に残るメッセージを添えてお渡しするのはいかがでしょうか。通販でも購入できますよ。
その後、11月頃にお店の前を再び通った時は巨大なクリスマスリースが出現!
入り口もフルオープンするスタイルに変更され、店内に入りやすくなっていました。前は知る人ぞ知るというたたずまいでしたが、お菓子屋さんだというのが一目でわかるようになったので、見逃す心配はありませんね。
目黒駅から少し離れていますが足を運ぶ価値ありですよ!
【店舗情報】
雪ワタリテ麦イズル
営業時間:12時~18時、火曜休み
住所:東京都目黒区下目黒2-23-27