【目黒区】目黒本町・武蔵小山のワインバー「&WINE(アンドワイン)」ではしご酒
武蔵小山・目黒本町にある複合ビル「ミチノサキ」。その最上階となる6階に店を構えるワインバー「&WINE(アンドワイン)」は、まさに東京都が3回目の緊急事態宣言を発令した2021年4月25日にオープンしました。
今回はオーナーである塩田昌弘さんにオープンまでのいきさつやきっかけなどを取材。また、2022年1月8日(土)からスタートした地元飲食店3店舗が仕掛けるイベント「はしご酒スタンプラリー」についても詳しくご紹介したいと思います!
学生時代からの夢を叶えてオープンさせた「&WINE(アンドワイン)」
&WINE(アンドワイン)のオーナーである塩田昌弘さんは秋田県出身。学生時代にヒップホップダンスに熱中しており、地元バーの地下スペースを特別に借りて練習していたといいます。
その時、バーの雰囲気やマスターに憧れて「自分のお店を持ちたい」という夢を抱いた塩田さん。まずはサービスの基本を学ぶため、東京にあるホテルマン養成学校へ進学したそうです。
その後、ハウステンボスホテルズ(株)に就職し、レストランやバーで勤務してきました。
サービス、フランス料理、食材、カクテル、ワインについて多く学び、独立へ向けたさらなる準備のために退職。転職のために再上京したそうです。
転職して数年後、塩田さんに転機が訪れます。
「勉強のために中央葡萄酒(株)のグレイスワイナリーを見学した際、ぶどう栽培やワイン醸造風景を体感し、感銘を受けました。日本ワインの魅力にどっぷりはまってしまった」と塩田さん。
その体験をきっかけにワインソムリエの資格を取得しようと決意したそうです。
資格取得後は様々な業態の飲食店の仕事に携わりながら、日本ワインを中心にイベントを定期的に開催するなど、ワインの楽しさを広める活動を行ってきたという塩田さん。
そしてついにご自身のお店、ワインバー「&WINE(アンドワイン)」をミチノサキ6階にオープンさせました。ナチュラルワインと日本ワインのお店です。
ワインバーなのに、お酒が提供できない状況でのオープン
新型コロナウイルス感染の拡大など、世の中の動向を見ながらお店のオープン日をどうするか迷っていたという塩田さん。しかし、せっかくオープンを決めた日が、東京都で3回目となる緊急事態宣言発令日と重なってしまいました。
ワインバーなのにお酒が提供できないという状況です。
「正直、開店準備が追い付いておりませんでしたので、準備期間としてメニュー開発などいろいろ試行錯誤するチャンスだととらえることにしました」と塩田さん。
ランチ営業やテイクアウトなどにチャレンジしたそうです。
「ワインバーではありますが、ワインが飲めない方、お酒を飲まない方にも気軽に立ち寄っていただけるお店にしたかったので、ワイン以外のドリンク、ノンアルコールドリンクの開発を積極的に行っていました」とおっしゃっていました。
まさにピンチをチャンスととらえ、ご自身のお店をカタチにしてきたというわけですね。
人と人との縁(塩?)が紡いだ「ミチノサキ」との出会い
塩田さんが自分のバーをオープンさせようとテナント探しをしていた頃、なかなか思うような物件に出会えなかったそうです。そんなある日、友人から教えてもらったのが武蔵小山にある複合ビル「ミチノサキ」のテナント募集情報。
その友人とは、戸越銀座にある「ソルコ」という塩専門店のオーナー・田中さん(ソルトコーディネーター)。塩田さんはワイン以外にも塩ソムリエの資格(ソルトコーディネーター)を取得しており、資格講座同期の方だったそうです。
まさに人との縁(えん=塩?)が紡いだ出会いでしたね。
しかし、タイミングが悪く東京都内では新型コロナウイルスが猛威を振るっていた時期でした。バーをオープンさせるべきかどうか、葛藤があったという塩田さん。
「コロナ禍という時期で新規開業の銀行借り入れ申請の結果がなかなか出ず、契約に踏み切れませんでした。しかし、ミチノサキ・ビルオーナーさんはずっと待っていてくれていました。
また、ミチノサキを拠点にして、地域活性化や地元交流を考えているビルのコンセプトにも共感していたので、ここは思い切ってチャレンジしてみようと。
結果的にミチノサキでオープンしてよかったと思っています」とおっしゃっていました。
私も実際にミチノサキ主催のクリスマスイベントにお邪魔したことがあります。その時、ビルオーナーさんや運営チームの皆様の温かなお人柄に惹かれるものがありました。
地域交流のために自社ビルを開放し、目黒本町に暮らす人たちの縁を紡ぎ、盛り上げていこうという思いにとても感銘を受けましたし、実際にイベントに協力されている方々もビルオーナーさんの人柄に惹かれて集まったという印象でした。
ミチノサキビルに入居している他のお店のオーナーさんたちも、皆さん「ミチノサキ」でお店をオープンさせて良かったとおっしゃっているそうですよ。
店名「&WINE(アンドワイン)」の「アンド」に込めた塩田さんの思い
お店の名前「&WINE(アンドワイン)」という名前、「アンド」には2つの思いが込められているといいます。
「一つは、安堵して過ごしてもらえる場所(気がかりなことを忘れ、安心して過ごせる場所)としてのアンド。そしてもう一つは、いろいろな方とのコラボレーションを楽しめる場所としてのアンド(and)です」と塩田さん。
&WINE(アンドワイン)がある場所は、武蔵小山駅からはちょっと離れたところにあります。どちらかといえば、家に帰る少し手前の場所。
実際に利用されるお客様も、武蔵小山駅周辺で食事やお酒を楽しんで、自宅に帰る途中で2軒目、3軒目として立ち寄る、という使い方が多いそう。
目黒本町で暮らす方が日常をリセットする、仕事から解放されて疲れをここで癒して帰る、そんな止まり木のようなお店。店内は10席程度と大変小さなスペースですが、とても居心地がよく、女性1人でもふらりと立ち寄ってお食事やお酒、ソフトドリンクが楽しめる雰囲気です。
塩田さんの優しくて温かな人柄が感じられる素敵なお店だと思いました。
もう一つの「アンド」は、武蔵小山の飲食店とのコラボ企画「はしご酒スタンプラリー」
&WINE(アンドワイン)のもう一つの「アンド」である、他の方とのコラボレーション2022年の第1弾としてスタートしたのが「はしご酒スタンプラリー」。緊急事態宣言中にオープンした「みんなの食卓 うさぎ(品川区)」「春巻き専門店 はるまきバトン(品川区)」「&WINE(アンドワイン)」3つの店舗で結成したチーム「ネオ・むさこ」の第1弾企画です。
「ネオ・むさこ」の発起人はみんなの食卓 うさぎ店主の佐藤波南さん。うさぎ年の母娘で切り盛りするお店です。
コロナ禍でのオープンで、ランチやテイクアウト営業が中心になり、夜お酒を飲みながら楽しむお店だと地元から認識されていないと感じた佐藤さん。同時期にオープンした「はるまきバトン」の店主・平野順弘さんもテイクアウトのお店と思われており、夜になるとお客さんが少ないという悩みを抱えていました。
オープンして日が浅いお互いのお店の認知度をアップするためにチームを結成。その趣旨に賛同した「&WINE(アンドワイン)」の塩田さんも加わり、「ネオ・むさこ」として始動したというわけです。
「はしご酒スタンプラリー」は、いずれかの店舗を訪れた際にスタンプカードを配布。2か月以内に3つの店舗のスタンプを集めた先着100名を対象に、各店舗で毎回1ドリンクが無料になる(2022年12月31日まで有効)という大変お得なキャンペーンです。
さらにスタンプカードを持っているだけでも、入店時に提示するとおつまみを1品無料サービスしてもらえるという嬉しい企画。
&WINE(アンドワイン)1月のサービスおつまみは「ビーツのコロッケ」もしくは「アンドワインのポテトサラダ」を予定しているとのことです。
早めに来店してスタンプを貯めるほどお得なので、皆さんぜひ奮ってご参加くださいね。
はしご酒スタンプラリー概要
●スタンプカード配布期間:2022年1月8日(土)~なくなり次第終了
●スタンプカード有効期間:2022年12月31日(土)
- 「みんなの食卓 うさぎ」「はるまきバトン」「&WINE(アンドワイン)」の各店舗で、2,000円以上利用した場合に1ポイント付与
- 2か月以内に3店舗分スタンプを集めた方に、全店舗で利用可能な<2022年中1ドリンク毎回無料>となる「ネオ・むさこカード2022」を先着100名に発行
- スタンプカードを提示するだけでも各店舗でおつまみを1品、無料サービス
※ランチやテイクアウトは対象外となります。
※先着100名に達した時点で予告なく終了となります。
詳しくは「ネオ・むさこ」公式Instagramをチェックしてください。
「&WINE(アンドワイン)」イチオシのおつまみはからしれんこん
取材後はもちろんワインをいただいて帰ります。先日伺った時、オレンジワインがとてもおいしかったので、今回もオレンジワインからスタートしました。
写真向かって左はイタリアのファビュラス フォエミネ ピノグリージョ。ワインの色味は淡いローズピンク色でロゼに近く、クリアな色をしています。
とてもフルーティでライトな味わい。オレンジワインは渋みを感じる印象がありますが、こちらはとても飲みやすくやわらかな酸と甘みを感じました。
そして向かって右はNatan 葡萄酒醸造所の徳島県産オレンジワイン「NAZ 2021」。香川県産のデラウェアを使用し、果皮の要素を抽出した無清澄・無濾過のワインです。
辛口でまろやか、心地よい酸が感じられ、すっきりフレッシュな印象。
おつまみは「ワインバーのからしレンコン」と「チーズ盛り合わせ」をお願いしました。まずはイチオシというからしレンコンからです。
赤ワインと出汁で炊かれているというからしレンコン。からしあんにはチーズが練りこまれているようです。これがまたワインに合うのです。
秋田男鹿半島の桜塩や戸越銀座のカレー塩など添えられていました。塩の違いで味変しながら楽しめるのは塩ソムリエならではのアイデア。
そしてチーズの盛り合わせです。ドライフルーツが添えられています。
こちらもチーズに合うお塩とピンクペッパーが添えられており、途中で味変が楽しめました。
塩田さんにうかがったところ、料理や食材に合わせて常時12種類ぐらいの塩を使い分けているとのこと。
同じ産地・ブランドの塩でも時期により味わいも色も変わるものもあるので、毎回どんなお料理に合わせるか考えつつ選んでいるそうです。
ワインがどんどん進むので要注意です。
2杯目は赤ワイン、山形県・酒田のワイン塩でいただくフライドポテトがおいしすぎます
山形県酒田のワイン塩を使用したフライドポテト、食べかけの写真ですみません。すでにお客さん気分になっており、撮るのをすっかり忘れていました。
酒田のワイン塩は、マスカットベリーAのブドウを使用、本来は捨てられてきたぶどうの搾りかすを再利用した、サステナブルな取り組みで誕生した塩です。
2杯目のワインは赤で、頂いたのは北海道の多田農園ワイン「田園ルージュ」。ピノ・ノワール、メルロー、カベルネ・ソーヴィニョンを使用して、野生酵母で醸造しています。
ピノ・ノワールのまろやかさ、フルーティさ、メルローのふくよかさ、口の中で少しずつニュアンスが変わっていく感じです。
そして、同行者が選んだ赤ワインは「La Sorga Africa(ラ・ソルガ アフリカ)」。
ラベルの表側を撮影しそびれてしまいました。名前はアフリカですがフランス産。無農薬、有機栽培のぶどうを野生酵母で醸造したナチュラルワインです。
スパイスやチョコレート、なめらかなタンニンなどが感じられ、好みでした。
「&WIME(アンドワイン)」1月のサービスおつまみ「ビーツのコロッケ」は色鮮やかな一品
そして色鮮やかなビーツを使ったコロッケを最後に注文。
ビーツはロシア料理のボルシチで使われていますが、日本ではあまりなじみのない野菜のひとつかもしれません。ビーツのシャキシャキとした食感も残されており、ワインとの相性抜群でした。
前回頂いた時は、バジルソースでしたが、今回はビーツカレーソース。カラッと揚がったビーツコロッケのさっぱりとした味わいにマッチしていました。
塩田さんご自身は元々料理人ではないものの、随時友人シェフの方々と交流を持ち、ジャンルを問わずにお料理を習っているのこと。おつまみやお食事メニューのベースはフレンチ系が多いそうですが、和やエスニックなメニューも提供しています。
ワインを楽しみたい方はもちろん、カクテルやクラフトビール、ノンアルコールも豊富に取り揃えているので、気軽に足を運んでみてはいかがでしょうか。女性ひとりでも居心地よく過ごせますよ。
【店舗概要】
&WINE(アンドワイン)
※営業時間は公式Instagramでアナウンスしています。
住所:東京都目黒区目黒本町4‐3‐14 ミチノサキ6階