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【目黒区】おばんざいと土鍋炊きごはんが美味、学芸大学の居酒屋「びゃく」が4月15日オープン!

Chikuwa地域ニュースサイト号外NETライター(東京都目黒区)

学芸大学にオトナがゆったり過ごせる居心地のいい居酒屋「びゃく」が2022年4月15日(金)にオープン。手掛けるのは渋谷で人気の「酒場 きんぼし」を経営するマルホ株式会社です。

おばんざい中心のメニュー展開「びゃく」
おばんざい中心のメニュー展開「びゃく」

「びゃく」は、「酒場 きんぼし」で人気のあるメニューをブラッシュアップして大人がゆったりとくつろげる隠れ家的な居酒屋としてプロデュースしています。

今回はグランドオープンに先駆けて行われたメディア向けの先行試食会へ。古民家風のアンティークな内装が醸し出す心地よい空間、きびきびと立ち働くスタッフのきめ細やかなサービス、そしておいしいお料理についてご紹介したいと思います。

「酒場 きんぼし」も「びゃく」も、秋田の旬野菜を京都の家庭料理「おばんざい」として提供

「びゃく」のメニュー表
「びゃく」のメニュー表

「びゃく」が提供するお料理は、京都の家庭料理として知られる「おばんざい」を中心とした野菜のおいしさが楽しめるものばかり。なぜ秋田の野菜?

実は「びゃく」を経営するマルホ株式会社社長である池上善史さんの奥様が秋田県出身で、ご実家が青果店を営んでいるためでした。確かな目利きで、鮮度抜群の地物野菜を仕入れられるのは飲食店にとって大きなメリットです。

そして池上さんご自身は関西出身で、ご実家は兵庫でお好み焼き屋さんを営んでいるそう。いくつかの飲食店で腕を磨いた後に独立してオープンさせたのが渋谷の「酒場 きんぼし」でした。

「秋田の新鮮野菜×京都のおばんざい×関西の食文化」が融合して生まれたお料理は、若い世代から大人までを魅了。この「酒場 きんぼし」のノウハウを生かしつつ、学芸大学という街の特性に合わせた居酒屋として「びゃく」をプロデュースしたというわけです。

学芸大学に根付き、長く愛され続ける店を目指す「びゃく」

店名である「びゃく」は、蓮の花の白蓮(びゃくれん)に由来。「蓮は泥より出でて泥に染まらず」ということわざのとおり、泥の中で美しくピュアな花を咲かせる蓮の花のように、個性ある魅力を放ち続けたい、という思いが込められているそうです。

池上さんご自身、学芸大学に長くお住まいで、街の変化をつぶさに見てきた一人。おしゃれな飲食店はたくさんできたけど、年齢を重ねた大人がくつろげる、おいしい和食のお店が少ないと感じていたそうです。

野菜の旨味やお出汁を活かしたおばんざいとおいしいお酒が気さくに飲める、そんなお店にしたかったとのこと。女性が一人で訪れても気兼ねなく楽しめる親しみやすさ大切にしたいとおっしゃっていました。

控えめな門灯とアンティークな蔵戸、古民家風の和モダン空間が広がる「びゃく」

大根ビル2階にある「びゃく」
大根ビル2階にある「びゃく」

「びゃく」の入口は路地を少し入ったところにあり、アンティークな蔵戸を開けて2階に上がります。私がお邪魔したときはグランドオープン前で、門灯はまだつけられていませんでした。

控えめな看板が隠れ家的な雰囲気を醸し出し、いやが応でも期待感が膨らみます。

入口を入ると階段があり、靴のまま2階へ上がれます。

店内は重厚感のある落ち着いたインテリア。入口を入ってすぐに目に飛び込むのは、オープンキッチンをL字型に囲むようにしつらえた秋田杉でできた1枚板カウンター席です。

厨房できびきびと立ち働くスタッフと気さくにおしゃべりを楽しみながら、次々と出来上がるお料理を目の前で見ることができるので、ライブ感たっぷり。

カウンター席を右手に見ながら奥へ進むとテーブル席も。

店内奥にあるテーブル席
店内奥にあるテーブル席

家族連れでのお食事やグループの飲み会で訪れた場合でもゆっくり過ごせます。

カウンター上には浜千鳥の欄間があり、その裏側に器をストックしているようです。実はカウンター上のライトも一つひとつ違うデザイン。

シェードは信楽焼で作った特注品だそうです。

ほどよくこなれた古民家風のたたずまいは、夜訪れた時に趣と温もりのある居心地のいい雰囲気を演出してくれそうです。

野菜だけなのになぜおいしい!? 料理人の丁寧な手仕事が感じられるやさしい味わい

試食会で出されたメニュー(レギュラーサイズ)
試食会で出されたメニュー(レギュラーサイズ)

メディア向け試食会では以下のお料理を少しずつ提供。

  1. おばんざい 前菜6種盛(自家製厚揚げと汲み上げ湯葉、うるいと菜の花の梅胡椒和え、釜揚げスナップえんどう、五目おからサラダ、丸茄子と生麩の田楽、出汁づけフルーツトマト)
  2. 本鮪とこごみの新玉葱和え
  3. 岩牡蠣とアスパラのお浸し
  4. 手羽先の黒七味揚げ
  5. かつおぶしとごはん

そして飲み物はナチュラルワイン(赤・白)、日本酒、レモンサワー、お茶をご用意くださいました。

味付けは最小限で、野菜の旨味を繊細に引き出した「おばんざい 前菜6種盛」

おばんざい 前菜6種盛
おばんざい 前菜6種盛

まずは、前菜6種類を盛り合わせたおばんざいからいただきます。

自家製厚揚げと汲み上げ湯葉~鳥海なめこ醤油~

厚揚げは、毎日お店でお豆腐から手作りしているそうです。厚揚げの上には、ほんのり甘く繊細な味わい、大豆の香り豊かで口当たりなめらかな京都の汲み上げ湯葉をトッピング。

鳥海なめこの醤油漬けをソースにしていますが、味付けは最低限で、お出汁の旨味で素材の魅力を引き立たせていました。

うるいと菜の花の梅胡椒和え~香味だし醤油ジュレ~

うるいと菜の花の梅胡椒和え
うるいと菜の花の梅胡椒和え

うるいは東北地方でよく食べられている山菜のひとつで、ユリ科のオオバギボウシの若芽。今回初めて食べました。

春の山菜ならではのほろ苦さとネギに似たぬめり、梅胡椒でさっぱり、ピリッとした味付け。自宅で山菜をタイミングよく、おいしく食べるのは難しいので嬉しい一品でした。

釜揚げスナップえんどう~雑穀味噌マヨ~

釜揚げスナップえんどう~雑穀味噌マヨ~
釜揚げスナップえんどう~雑穀味噌マヨ~

春の味覚、スナップエンドウをみずみずしくゆで上げ、雑穀煎りの味噌マヨネーズで味付け。プチプチ触感と歯ごたえのあるスナップエンドウの組み合わせが楽しめる一品でした。

五目おからサラダ~蕗の薹香る~

五目おからサラダ~蕗の薹香る~
五目おからサラダ~蕗の薹香る~

おからのたんぱくな味わいの後から、蕗の薹の苦味が追いかけてきます。

丸茄子と生麩の田楽~くるみ味噌掛け~

丸茄子と生麩の田楽~くるみ味噌掛け~
丸茄子と生麩の田楽~くるみ味噌掛け~

茄子は秋田、生麩は京都のもの。くるみの香ばしさが楽しめる甘めの味噌との組み合わせがおいしかったです。

出汁づけフルーツトマト~広島 淡雪塩~

出汁づけフルーツトマト~広島 淡雪塩~
出汁づけフルーツトマト~広島 淡雪塩~

出汁をたっぷりとまとわせたフルーツトマト。塩が甘味を引き立たせ、ほのかな酸味と出汁の旨味がたっぷりと口の中に広がります。

試食会でいちばん気に入ったのが「本鮪とこごみの新玉葱和え」

本鮪とこごみの新玉葱和え
本鮪とこごみの新玉葱和え

「びゃく」は野菜を使ったおばんざいが特徴的ですが、お魚やお肉を使ったメニューも充実しています。試食でいただいた「本鮪とこごみの新玉葱和え」は、春らしい香りと味わいをまとった鮪のおいしさを堪能できました。

新玉葱のピューレには出汁を効かせてあり、山菜の香りや鮪の旨味を邪魔せずによい仕事をしています。隠し味としてニラ醤油を使っているそうです。

どのお料理も絶品でしたが、店長の北村翔大さんから「一番おいしかったのはどれですか?」と聞かれ、迷わずこちらのメニューと答えました。北村さんの自信作だったそうで、とても嬉しそうな笑顔が印象的でした。

この他のお料理をダイジェストでご紹介してきましょう。

岩牡蠣とアスパラのお浸し

岩牡蠣とアスパラのお浸し
岩牡蠣とアスパラのお浸し

岩牡蠣とアスパラのお浸しは、昆布の一番出汁を使った繊細な味付けで香り高い生の青のりがアクセントに。岩牡蠣の繊細でジューシーな味わいが、アスパラガスの旨味成分アスパラギン酸やグルタミン酸と組み合わさり、おいしさのハーモニーを奏でます。

手羽先の黒七味揚げ

手羽先の黒七味揚げ
手羽先の黒七味揚げ

揚げたての手羽先の黒七味揚げ。黒七味は京都のおばんざいでもよくつかわれている「京都原了郭」のもので、白ごまや唐辛子、山椒、青のり、けしの実、黒ごま、おの実をから煎りし、丁寧に揉みこんで作られるそうです。

一口食べると、ふんわりと山椒の風味が鼻に抜け、じんわりとした辛味がやってきます。ジューシーで柔らかな鶏の手羽先はお酒が進むこと間違いなしですね。

土鍋炊きのごはんに削りたて枯節をたっぷり! シンプルだけど贅沢な一品

あきたこまち かつぶしとごはん
あきたこまち かつぶしとごはん

最後に試食したのは、かつおぶしごはん。お米はもちろんあきたこまちです。

一流料亭でも使われている信楽雲井窯の土鍋で炊いています。

雲井窯は京都伏見で創業。戦後、よい土を求めて滋賀県の信楽へ移転して今に至ります。毎日使う堅牢さと土鍋ならではの温かみのある手触り、お米の旨味を引き出す調理器具としての優れた機能性。

どっしりとした風格と手作りならではの味わいが感じられます。実は私もごはんは土鍋炊き派で、伊賀焼窯元・長谷園の「かまどさん」を愛用。

土鍋は炊飯器と同じぐらいの時間で炊けて、お米の旨味や食味を存分に引き出してくれるのが魅力です。

炊き立てごはんを見せてくれる店長・北村翔太さん
炊き立てごはんを見せてくれる店長・北村翔太さん

「びゃく」では、ごはんが炊き上がるとお知らせ。注文が入ると、枯節を鰹節削り器で削り、たっぷりとかけて提供してくれます。

あきたこまちは、コシヒカリ譲りの甘味や旨味、味と香りのバランスがよく、ふっくらもちもちに炊き上がっていました。

香り高い削りたて、ふわっふわのかつおぶしといっしょにいただくと、箸が止まりません。

福寿「白神大豆しょうゆ」
福寿「白神大豆しょうゆ」

そのままでももちろんおいしいのですが、秋田県の浅利佐助商店「福寿 白神大豆しょうゆ」をかけてもおいしい!

「福寿 白神大豆しょうゆ」は、世界遺産白神山地のふもとで栽培された大豆と、秋田県産の小麦を原料に、八幡平山麓の清らかな伏流水で仕込んだ丸大豆醤油だそうです。

ごはんやかつおぶしの旨味を邪魔せずに、香り高いおいしさでまとめあげていました。

おばんざいの繊細な味付けを邪魔しないドリンクメニュー

「びゃく」はノンアルコールドリンクも充実。お酒よりもお食事を楽しみたい方、お子様連れのご家族でも楽しめるラインナップとなっています。

ワインはナチュラルワインで、添加物を極力抑えたやさしい味わいのものをチョイス。繊細な出汁や素材の旨味を活かせるものをそろえているそうです。

レイジー・ワインメーカー! シャルドネ(チリ産)
レイジー・ワインメーカー! シャルドネ(チリ産)

試食会ではチリ産の「レイジー・ワインメーカー! シャルドネ」をいただきました。オーガニックで育てたシャルドネを手摘みで収穫し、ステンレスタンクで天然酵母発酵。

清澄、濾過を行っていないため、少し濁りがあります。さわやかさ&フルーティな味わいで和食によく合いました。

宇和島レモンサワー
宇和島レモンサワー

そして宇和島レモンを使った国産サワー。すっきりとした香り高いレモンのフレーバーが口の中をリセットしてくれました。

こちらはノンアルコールにできるのが嬉しいですね。サワーは梅干しや生絞りグレープフルーツ、すりおろし生姜もあります。

水出し緑茶 柚子
水出し緑茶 柚子

そして3杯目は「水出し緑茶 柚子」をいただきました。こちらお茶のよい香りのあとから、ほんのりと柚子の香りが追いかけてきてさわやかな飲み心地です。

ソフトドリンクはこの他にほうじ茶 カモミール、紅ほうじ茶 豆乳割りなどがあります。

ちょっと気になったのが日本酒の「出汁割り」。実は他の居酒屋でおでん出汁割りの日本酒を飲んだことがあるのですが、これが絶妙においしかった。

五味と呼ばれる「酸味・苦味・甘味・辛味・塩味」のうち、日本酒にかけている「塩味」を出汁で補うことで、日本酒の旨味や甘味がより引き立つといいます。

次回はプライベートで別のメニューも食べてみたいと思います。

【店舗概要】
居酒屋 びゃく
営業時間:17時~24時(L.O.23時)
住所:東京都目黒区鷹番3-8-10 大根ビル2F
問合せ先:03-6303-3789

地域ニュースサイト号外NETライター(東京都目黒区)

コピーライターからWebライターへ転身。アロマセラピスト・整体師としても時々活動しています。趣味はカンフー(八卦掌・長拳)と古代史。目黒区の魅力やおもしろいところを発信していきます。取り上げて欲しい目黒の穴場や情報もぜひお寄せください!

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