タイトル画像

トレンド/カルチャー

  • いいね エラーが発生しました。
    時間をおいて再度お試し下さい。

【目黒区】街には危険がいっぱい! チーム防災めぐろ「要配慮者目線で考える避難訓練」で見えてきたこと

Chikuwa

地域ニュースサイト号外NETライター(東京都目黒区)

QRコード

スマホ版Yahoo! JAPANのフォローで最新情報をチェックしてみよう

目黒区や町内会、自治会、学校、職場などで行われている避難訓練。なんとなく行事だから、自治会の役員になったから、という理由でおざなりに参加してきました。

その気持ちを変える体験が2011年に起きた東日本大震災です。当時、渋谷のオフィスにいた私は、中学1年生の娘からのSNSを通じた連絡で驚愕します。「いま、池袋にいる」。

自宅は横浜なのに、なぜ池袋にいるかはさておき、どうやって迎えに行こう?

結論は「歩いて迎えに行くしかない」でした。

皆さんは万が一の時に、どこにどうやって避難したらよいのか。家族とはどのように落ち合うのか決めていますか?

「要配慮者目線で考える避難訓練」より
「要配慮者目線で考える避難訓練」より

今回は、2022年5月15日(日)にチーム防災めぐろ主催で行われた「要配慮者目線で考える避難訓練」を取材。実際に中目黒スクエアから中目黒公園までの避難を体験してきました。

ご高齢の方や妊婦さん、小さなお子様連れの方、体の不自由な方がご家族にいらした場合、どんな危険や難しさがあるのかできる限りレポートしていきたいと思います。

目黒区在住の有志で結成した防災コミュニティ団体「チーム防災めぐろ」

チーム防災めぐろは、自分たちの街や自分自身、家族を自分たちで守っていこうと考えて活動している防災コミュニティ団体。定期的に集まり、防災に関する「情報」の共有・備蓄、防災意識向上のための情報発信を行っています。

目黒区が「誰ひとり取り残されない町」であることを願い、できることは自分たちでという思いで活動。今回は目黒消防署協力の下、「要配慮者目線で考える避難訓練」を実施しました。

訓練の流れと注意ポイント、目黒消防署の方によるレクチャーを受ける

中目黒スクエア
中目黒スクエア

集合したのは、中目黒駅から徒歩10分ぐらいのところにある「中目黒スクエア」。2階にある会議室に13時に集合しました。

まずはA・Bにグループ分けし、「高齢者 疑似体験セット」を使用して避難するパターン、車いすに乗った人を介助しながら避難するパターンを交互に体験することになりました。

中目黒公園
中目黒公園

避難先は中目黒公園です。中目黒スクエアを出て、目黒川沿いを移動し、橋を渡って公園まで移動するという流れ。私はAチームで、車いす介助訓練を最初に体験することになりました。

「高齢者 疑似体験セット」の説明を受け、実際に装着するBチームのメンバー

「高齢者 疑似体験セット」とは、拘束具や重り、視野が狭くなるゴーグル、聞こえにくくするヘッドホン、背中を真っすぐ伸ばせないようにするベルトなどを装着し、老化による身体的変化や心理的変化を疑似体験できるというもの。

今回は消防署の方で2セット用意してくださったので、まずはBチームからこの疑似体験セットを装着し、中目黒公園まで避難することになりました。

あっという間に動きが不自由になっていき、戸惑いを隠せないお2人。ご高齢の方がどんな不自由を感じておられるのか身をもって体験します。

白内障や緑内障を患っている方の見え方を体感できるゴーグル。外の音や話し声などが聞こえにくくなるゴーグル。かなり不安で孤独な気持ちになるそうです。

車いすの介助者がいる想定で中目黒公園まで避難するAチーム

今回は訓練なのでエレベーターで1階まで移動することができました。しかし、実際の災害時はエレベーターが止まっているはず。タワーマンションなどはどうするのでしょうか?

のちほど、公園で車いすごと抱えて階段の昇り降りをする訓練を体感しますが、その大変さは想像以上でした・・・。

車いすは乗る人、押す人と交替で体験することに。消防署の方が1名付き添ってくださり、誘導の仕方や注意ポイントなどを随時解説してくれました。

目の不自由な方にとっては大切な点字ブロックが、車いすには障害物に!

目の不自由な方を誘導する点字ブロック。実はこれが曲者で、押している側は特に何も感じないのですが、乗っている側はかなり衝撃を受けています。

ほんの少しの段差でもかなりガタガタと揺れるので、ゆっくりと丁寧に押すのが大切。車いすに乗ったことがないとわからない体験でした。

中目黒公園に向かう橋や遊歩道、坂道になっている場所の押し方、方向転換などきめ細かく解説していただきました。実際の避難では、植え込みの木が倒れたり、道路が陥没するなど、そのまま押して通れる保証はありません。

訓練中も車が往来し、自転車が脇を高速で走り抜けたりと気が抜けませんでした。

車いすごと抱えて階段を昇るのが難しすぎて絶望!?

公園内に入る階段前まで移動。車いすの介助者がいて、階段を昇り降りすることを想定した訓練を行います。

まずは車いすに人が乗った状態で、お互いに声を掛け合わず、自分のタイミングで持ち上げてみました。車いすが傾き、非常に危険です。そして男性2人でも支えるのが大変なことがわかりました。

実際の訓練では、車いすに人は乗せず、3名で慎重に抱えながら進みます。車いすに人が乗っていない状態でも、水平をキープするのが難しいのにびっくりしました。

男性、女性では体格も身長も違いますし、それぞれのペースが微妙に合わないとガタつきます。車いすを抱えて階段を昇るのはとても大変であることを身をもって知りました。

AチームとBチームで避難訓練の内容をチェンジ

Aチームと中目黒公園で合流。「高齢者 疑似体験セット」を今度はBチームが体験します。私は撮影の関係上、公園内で休憩中にこの疑似体験セットを装着し、歩いてみました。

ゴーグルを装着するとまるで深い霧に包まれたよう。周りがすべてオレンジ色にぼやけ、道路やベンチ、植え込みのレンガの区別もつきません。歩いたのはほんの数メートルですが、とても疲れました。

これに重りや拘束具がつけられた状態となるとかなりの厳しさだと思います。

階段をおぼつかない足取りで降りる2人

一気に動きを制約されてしまったお2人。おぼつかない足取りで階段を降りていきます。実はこの誘導の声掛け、意外に難しいんです。

相手は見えていないので、具体的にどんな危険があるか、どのように回避したらよいか、すべてことばで分かりやすく伝えなければいけません。

最初は消防署の方が誘導して下さっていたのでわからなかったのですが、実際に自分でやってみるとまったくうまくいきません。

階段なら残り何段、踊り場があります、左に曲がりますなどなど。ちょっと説明を間違えると、壁に突進したり、方向を見失ってしまうのです。人はいかに視覚に頼っているのかを実感しました。

街には何気ない危険や障害が日常的に潜んでいる

実際に中目黒スクエアから中目黒公園までは歩いてわずか数分という距離。しかし、その間にさまざまな障害があることに気づきました。

スピードを出して縦横無尽に走り抜けていく自転車(歩道を右側通行したり、急に曲がったりなど)。公園の出入り口やガードレールが切れている場所を塞ぐように自転車を停めている例もありました。

そして公園入口にある車止め。自転車やバイクが通り抜けないように設置されているかと思いますが、これがあると車いすも通れないことに気が付きました。

さらに、ガードレールが切れ目なく続くとなかなか道路を渡れず、大回りしなければなりませんでした。

生い茂る木の枝に頭をぶつける例も続発。疑似体験キットをつけていると、どうしても足元ばかりに注意が向かい、上にある障害物を認識しにくくなります。

災害時でなくても、高齢者や体の不自由な人にとって、街は意外に不親切であること、不便をかけていることを痛感しました。

高齢者でなくても、妊娠中はお腹が邪魔して足元が全然見えないので、災害時の避難はとても苦労するはずです。赤ちゃんを抱えている場合も同様だと思います。

「高齢者 疑似体験キット」を装着して、参加者が実感したこと「体験するって大切!」

車いすに乗っている立場としては、厄介に感じる点字ブロックですが、視野が制限された状態で歩いてみると、そのありがたさが身に染みたそうです。体験された方から、安全に歩く道しるべとしてとても役立ったとの意見がありました。

点字ブロックの上を自転車でふさいだりしないように心がけたいものですね。

また、誘導する際は並走してもらうよりも、自分の前を歩きながら声かけしてくれた方が安心感があったそうです。誘導が難しくはなりますが、いざというときのために覚えておきたいポイントでした。

今回実際に体験してみて、思っていることとかなり違うということを痛感。誘導の声掛けにしてもこんなに難しいとは思っていませんでした。

災害時に手は出せなくても、声を掛けるだけで助けになる

もし災害で避難している時に、高齢者や妊婦さん、車いすを利用している方を見かけた場合、何ができるのでしょうか?

自分で逃げるのが精いっぱい。体力もないので、車いすを持ち上げるなどとても無理と思うかもしれません。

でも、荷物を代わりに持ってあげる。上に伸びた枝を当たらないように押さえてあげる。声掛けして不安感をやわらげてあげるなど、実際はいろいろな手助けができる場面があります。

勇気を出して一歩踏み出すことが大切だと思いました。

防災グッズを用意しておくだけ、避難訓練に参加しただけでは、身を守れない!?

普段、町内会の防災訓練に参加しているという方でも、自宅から避難所まで実際に歩いて確かめてみたという方は少ないようです。

また、災害時はどのように変化するのかを想像しながら歩くこともないですよね。今回訓練に参加したメンバーからも、「実際に体験するとしないでは全然違う」という声があがりました。

阪神淡路大震災の体験者からは、夜寝る前に眼鏡はケースに入れ、スリッパとセットで枕元に準備しておくべし、というアドバイスがありました。これは目が見えないと避難が格段に難しくなるからです。

今回の視野を制限するゴーグルを身に付けてみて痛感しました。

ペットと暮らしている方、いざという時にどのように守りますか?

大きな災害が起きると、私たちの暮らしは激変。それはペットにとっても大きなストレスとなります。

福島の実家で飼っている猫
福島の実家で飼っている猫

福島の実家で飼っていた猫は、先日の福島沖地震の際に驚いて家から脱走。サッシが落ちてガラスが割れたため、そこから外へ逃げ出し3日間戻ってきませんでした。

人間だけではなく、こういったペットへの防災対策を考えておかなければなりません。

チーム防災めぐろのメンバーが企画・開発した「ポキッとアロマ」に興味津々

持ち歩ける香り商品「ポキッとアロマ」
持ち歩ける香り商品「ポキッとアロマ」

今回の避難訓練でいただいた「ポキッとアロマ」。チーム防災めぐろのメンバーの方がアロマセラピストの友人と一緒に商品開発したものだそうです。

チューブの中に精油が入ったガラスアンプルが入っています。軽く曲げてアンプルを割ると、フィルターに精油が染み出し、良い香りが漂います。オイル漏れの心配がなく、手も汚れません。

災害時に気持ちの落ち込みや不安感を感じている、そんな時、気軽にリフレッシュできるアイテムとして発想したとのこと。もちろん災害時だけではなく、普段から便利に使えそうです。

軽くて小さいので持ち運びも便利。避難用のリュックに忍ばせておきたいと思いました。

チーム防災めぐろでは今後も防災に役立つ企画を実施していくとのこと。どなたでも気軽に参加できますので、ぜひFacebookをフォローしてこまめに情報をチェックしてくださいね。

■取材協力
チーム防災めぐろ

シェア

いいね

  • エラーが発生しました。
    時間をおいて再度お試し下さい。