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【目黒区】レコールバンタンの生徒が運営する「GENKAI CAFE」、中高生は高級フラッペが無料に!

Chikuwa地域ニュースサイト号外NETライター(東京都目黒区)

原価ギリギリのお値段でハンバーガーを提供し、地元やメディアの話題をさらった「GENKAI BURGER(ゲンカイバーガー)」。今度は同じ場所で「GENKAI CAFE(ゲンカイカフェ)」が、2022年7月24日(日)より毎週日曜日に営業開始となりました。

カフェを運営するのは、製菓・調理・カフェと、「食」の分野に特化した人材を育成する専門スクール「レコールバンタン」のカフェ学部とパティシエ専攻の生徒たち。今回のプロジェクトは、第15代ワールド・バリスタ・チャンピオン、株式会社QAHWA(カフア)代表取締役社長の井崎英典さんが監修を務めています。

井崎英典さん
井崎英典さん

カフェメニュー第1弾は、高額で取引されているパナマ産ゲイシャ種のコーヒー豆を使用した極上のアフォガードフラッペ(税込1,500円)を提供。中高生には無料で提供されます。

自分のカフェを持つ夢を、若い世代にも繋いでいきたい

「GENKAI CAFE」プロジェクトを担当するレコールバンタンの山代誠也さんによると、コロナ禍や原材料価格の高騰などの影響により、喫茶店の休廃業が2021年に過去最多となったとか(東京商工リサーチ調べより)。

せっかくカフェをオープンさせても3年後には3割しか残らないといわれている厳しい業界。しかし、レコールバンタンの卒業生のお店は約78%が3年後も継続できているそうです。

山代誠也さん
山代誠也さん

プロの現場による実践的なスクール事業を行い、「世界で一番、社会に近いスクールを創る」というビジョンを掲げる株式会社バンタン。「GENKAI BURGER」「GENKAI CAFE」で続けてきた現場にもっとも近いトップランナーを講師に迎え、実践的な教育の機会を提供するという姿勢が、結果として表れているのではないでしょうか。

今回のプロジェクトに参加した生徒たちも、この経験を活かし、将来はカフェで働きたい、自分のお店を持ちたいという思いを語っていました。

「GENKAI CAFE」のフラッペの原価は863円で販売価格は税込1,500円、その内訳は?

今回、メディア向けに行われた「GENKAI」フラッペの試食会に参加してきました。「GENKAI BURGER」同様、原価ギリギリの価格で提供されるフラッペですが、原価よりもややお値段を高めに設定しています。

その理由としては、中高生たちに無料で提供するためです。若い世代に高級食材に気軽に触れてもらう機会にしたいということ。

そして、カフェ業態に対し、夢をもってもらいたいとい願いが込められています。

ゲイシャ種コーヒー豆を惜しげもなく使った極上のコーヒー

「GENKAI」フラッペに使用されるコーヒー豆は、世界で最も高値で取引されているといわれるエスメラルダ農園のゲイシャ種です。

井崎さん曰く、一般的なコーヒー豆が1ポンド(= 453.6g) 1ドル~2ドルぐらいで取引されているのに対し、ゲイシャ種に限っては1ポンド約2,000ドル前後(約28万円)で取引されているといいます。

大変希少価値の高いコーヒー豆であり、本来ならフラッペに使うのにはちょっともったいないとのこと。しかし今回あえてゲイシャ種を選んだ理由は、若い世代の人たちに最高級品の味を体験してほしいという思いからだそうです。

通常、ゲイシャ種は華やかな香りを楽しむため、浅煎りで飲まれることが多い品種。フラッペではエスプレッソコーヒーで提供します。

エスプレッソコーヒーは深煎りが多いですが、苦みを抑えつつ、ゲイシャ種らしい華やかな香りが立つようバランスよく焙煎したとのことです。

フラッペに使用するコーヒーは原価327円だそうです。

「磯沼ミルクファーム」のプライベート牛乳「みるくの黄金律」を使用

「みるくの黄金律」を試飲
「みるくの黄金律」を試飲

フラッペに使用するミルクは、八王子市にある牧場「磯沼ミルクファーム」のプライベート牛乳「みるくの黄金律」です。牧場では日本で最もポピュラーなホルスタインの他、ジャージー・ブラウンスイス・エアーシャー・ガンジー・ミルキングショートホーンを加えた6種類の牛を飼っています。

「みるくの黄金律」は、3品種の生乳を独自にブレンド。素材の味わいを活かすため65度・30分間の低温殺菌で仕上げた極上のミルクとなっています。

「GENKAI」フラッペをいただく前に、この「みるくの黄金律」だけを試飲。とても濃厚なのに後味がすっきりしていて少し塩味も感じます。すーっと甘みが消えてさわやかでミルキーな味わいでした。こちらの原価は原価83円です。

コーヒーとの相性を追求した卵不使用の自家製アイスクリーム

パティシエ専攻の生徒たちが開発したアイスクリーム
パティシエ専攻の生徒たちが開発したアイスクリーム

フラッペのミルクにも使用している磯沼ミルクファーム「みるくの黄金律」を使った自家製アイスクリームをそのまま試食。 すっきりとしていてクセがなく、 柔らかな甘さです。

イタリアのジェラートなら卵を使うのが定番ですが、こちらのアイスクリームは不使用にしました。パティシエ専攻の生徒たちが試作・試食を重ね、使用しない方が後味が良く、コーヒーとのマッチングもベストだったそうです。

アイスクリームの原価は272円になります。

この他フラッペには、ゲイシャ種のコーヒー豆から抽出したコーヒーを使用した「コーヒー氷(原価157円)」、奄美諸島・喜界島のさとうきびで作った「純黒糖(原価24円)」が使用されています。

生徒たちの思いとこだわりがいっぱい詰まった「GENKAI CAFE」のアフォガートフラッペ

早速、試飲してみます。まずは一口、ミルクコーヒーをいただいてみます。想像を遥かに超えるコーヒーの華やかさが鼻腔をくすぐります。

ゲイシャ種が持つ華やかさが存分に引き出され、ミルクの濃厚さとのバランスが最高です。感動すら覚えました。

甘味は喜界島で最も歴史のある黒糖焼酎蔵「朝日酒造」で使用されている高級純黒糖だそうです。黒糖はコーヒーとの相性がとても良く、ゲイシャ種が持つ魅力的なフレーバーを最大限にリフトアップしてくれているとのこと。

しっかりと甘さを感じさせつつもコーヒーやミルクの風味を邪魔しない、後味のさわやかさも感じました。

さらに、見た目のビジュアルにもこだわり、コーヒーパウダーをトッピング。このパウダーがまた、コーヒーのほど良い苦味や香りをプラスして味わい深いです。

最後まで味が薄まらずにコーヒーの贅沢な風味が感じられるのも「コーヒー氷」のおかげですね。

コーヒーの苦味や酸味、後味が苦手という方でもおいしくいただけるのではないでしょうか。

反対にコーヒーが大好きという方なら、追加(プラス料金)でエスプレッソシロップを足すこともできますよ。

ブランディングや広告宣伝まで、バンタンの生徒たちが有機的に協力し合い、展開するプロジェクト

カフェ学部とパティシエ専攻の生徒たち
カフェ学部とパティシエ専攻の生徒たち

カフェの商品開発や運営は、カフェ学部とパティシエ専攻の生徒たちが中心になり行いましたが、お店のロゴはファッション、ヘアメイク、グラフィックデザイン、映像のスクール「バンタンデザイン研究所」の生徒さんが担当。

「GENKAI CAFE」のロゴマーク
「GENKAI CAFE」のロゴマーク

カフェのターゲット層である、10代から20代の女性に響くようなデザイン案やタイポグラフィを選び、約100案の中から選ばれたデザインなのだそうです。

「バンタンクリエイターアカデミー」の生徒たち
「バンタンクリエイターアカデミー」の生徒たち

そしてお店の広告宣伝(SNSアカウントの運用とプロモーション動画の制作)は、動画配信クリエイターを筆頭とするインフルエンサーを育成する専門スクール「バンタンクリエイターアカデミー」のメンバーたち。

プロジェクトが発足してから完成するまでをドキュメンタリーで追いかけた動画作成やTikTokを活用したプロモーションを手掛けています。授業で撮影や編集はやっているものの、実際に現場で作ることはまったく違った経験になったそう。

切り口や視点など、飲食店で求められるポイントについて学ぶことができてとても勉強になったとのことでした。

「GENKAI CAFE」は、バンタンの生徒たちを有機的に結び付け、力を合わせて取り組んだプロジェクト。スクールと業態の垣根を越え、 次世代を担う若手クリエイターが集結する実践的な経験の場となったわけですね。

プロジェクトを監修した井崎さんの意見を、最後には無視できるようになったことが最大の成功

「GENKAI CAFE」を監修した井崎さんが、最初に生徒たちと出会った時はともかくいわれたことにただ「はい」と答えるばかりだったといいます。

そんな生徒たちに井崎さんは、失敗してもいいから「学ぶよりまずはやってみろ」「俺を信じるな(俺の意見に左右されるな、自分で考えろ)」ということを伝え続けたそうです。

そして最後には、自分たちが良いと思ったことを自分たちの考えで選び取り、メニューを完成させることができました。井崎さんの意見は聞くけれども、違うと思ったら無視できるようになったこと、これがプロジェクト最大の成功だと井崎さんはおっしゃいました。

「GENKAI CAFE」プロジェクトの良い点は、お客様の生の声がその場で拾えること

今回のプロジェクトを監修して井崎さんが感じたのは、生徒たちにカフェ運営に挑戦させることだけではなく、お客様に実際に提供して生の声を拾えるところがいいとおっしゃっていました。

また、食材の原価やマーケティングについて実践的に学べる機会はそうないということも。

日本では「良いものを安く」提供するのが良しとされる傾向にありますが、今後は「良いものを高く売れる=付加価値を評価してもらえる」ようになっていけばと井崎さん。

SNSなどで積極的に情報発信していなくても、長く繁盛し続けているお店はあるといいます。

来店させることに一生懸命になるのではなく、いかに気持ちよく帰っていただくか、この店を応援したいと思ってもらうことがとても大切なのではないかという井崎さんの言葉は、とても胸に響きました。

なぜ自分たちはそのビジネスをやるのか、強みやビジョンがある、付加価値をしっかり評価されているお店はきちんと生き残っている。井崎さんが生徒たちに一番伝えたかったのは、そういうところだったのではないでしょうか。

飲食店の「限界」を知ることで、私たちも生徒たちの夢を応援!

原価ギリギリの価格で高級食材を使ったメニューを提供している「GENKAI BURGER」「GENKAI CAFE」。

プロジェクトのもう一つの狙いとして、原価をありのままに公表することで、飲食店経営の大変さ、お料理の価格(値付け)についての理解を深めてほしいという思いもあります。

私たちもただ「おいしかった」という感想だけではなく、こんなところが良かった・悪かったなどの意見を率直に伝えることが重要。そして彼らにとって成長のチャンスになります。

「GENKAI CAFE」は、「GENKAI BURGER」と同じ場所で、毎週日曜日のみの営業。中高生は無料で楽しめますのでぜひ、このチャンスに厳選した原材料でつくられる極上のフラッペを楽しんでみてはいかがでしょうか。

店内飲食の他、テイクアウトもできますよ!

【店舗概要】
GENKAI CAFE
販売期間:2022年7月24日(日)~2022年9月25日(日)
営業日:毎週日曜日のみ
営業時間:11時~17時(L.O 16時30分)
料金:1,500円(税込)
※支払い方法は交通系IC、クレジット、現金
★中高生には無料で提供★
住所:東京都目黒区上目黒1丁目13-3 レコールバンタン東京校 レーヴ校舎1階

■取材協力
株式会社バンタン

地域ニュースサイト号外NETライター(東京都目黒区)

コピーライターからWebライターへ転身。アロマセラピスト・整体師としても時々活動しています。趣味はカンフー(八卦掌・長拳)と古代史。目黒区の魅力やおもしろいところを発信していきます。取り上げて欲しい目黒の穴場や情報もぜひお寄せください!

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