【目黒区】髪のお手入れで好きな香りを楽しむという選択。中目黒「inioi Lab.(イニオイラボ)」
最近、良い香りの洗濯洗剤や柔軟剤が次々と発売され、「香り」に関する関心は高まっている気がします。私自身アロマセラピストであり、アロマブレンドデザイナーという資格も取得。
精油を使った調香を日々楽しんでいますが、香水やオーデコロンのような「香りアイテム」を作るのはなかなか難しく、日常的に使うのは面倒に感じることも多々あります。
そんな時によくやるのが、無香料のボディソープや手作りハンドクリームなどに好きな香りを付けて楽しむこと。
アロマテラピーの世界では「香りを運ぶもの(キャリアー)」と呼ばれる「基材」を変えることで、精油を使った「癒し」や、いろいろなお手入れに活用するのが一般的です。
ヘアケアアイテムを「基材」として香りを楽しむことができる「inioi Lab.(イニオイラボ)」
2022年12月1日(木)、中目黒駅高架下にオープンした「inioi Lab.(イニオイラボ)」。お店の場所は「中目黒 蔦屋書店」の奥、「スープストックトーキョー 中目黒店」のお隣になります。
無香料のヘアオイル、シャンプー、トリートメントを基材に、自分好みに調合した香り(フレグランス)をつけられる「いい匂いの実験室」。
自分でオリジナルの香りを調合して香水を作る体験などはよくありますが、ヘアケア製品では恐らく初めてとのこと(株式会社Ari・gateホールディングス調べ)。
アロマセラピストとしてはぜひチェックしてみたいということで、取材に行ってきました。
都会的でスマートな外観、開放的で遊び心のあるインテリアの「inioi Lab.(イニオイラボ)」
「inioi Lab.(イニオイラボ)」は、白やグレーを基調にした外観。内装はPARK(公園)をイメージした、開放的で遊び心のあるシンプルなインテリアとなっています。
店内の床には砂や白い小石、サンゴなどを敷き詰めてあり、テーブルとテーブルの間をウッドデッキでつないだような演出。
ブランコをモチーフにした商品ディスプレイ、壁に描かれたイラストなど、おしゃれですが親しみやすい雰囲気となっています。
まるで化学の実験室のようなディスプレイですので、男性1人でも気軽に来店できそう。私がおじゃました時も、男性のお客様が珍しそうに香りを確かめていらっしゃいました。
フレグランスは30種類で最大3つまで組み合わせ可能、どなたでも失敗せずに好みの香りが完成!
「inioi Lab.(イニオイラボ)」がオリジナルで開発したフレグランスは30種類。1種類から最大3種類まで選び、ブレンドすることができます。
その組み合わせはなんと4,060通り!
こんなに組み合わせがあると、迷ってしまいますよね。でも大丈夫。
香りのプロでなくても、失敗せずに組み合わせることができるよう、緻密に計算して設計しているそうです。
店内に置かれたテーブルには、香りの系統ごとにグルーピングされ、香りを自由に確かめることができます。
嗅いでいるとだんだん鼻が疲労して、匂いがわからなくなるので、コーヒー豆を嗅いでリセットさせると嗅覚が回復しますよ。
たくさんあり過ぎて、どうしていいかわからない。という場合には、すでにおススメのブレンドが用意されているので、そちらを選んでもOK。
おススメのブレンドをベースに、好きな香り1種類とチェンジして、というのもアリですね。一つ香りを替えるだけで全く違う香りになるのがフレグランスの面白いところ。
強い香りが苦手な方なら、樹木系やフルーツ系などを組み合わせてさっぱりとした香りに仕上げることもできますよ。
基材は美容師出身のオーナーがこだわり抜いて開発した「シャンプー」「トリートメント」「ヘアオイル」
「inioi Lab.(イニオイラボ)」が扱う基材は「シャンプー」「トリートメント」「ヘアオイル」の3種類。それぞれノンフレグランスですので、自分好みの香りをつけて日常的なケアで楽しめるというわけです。
基材の特徴を簡単にご紹介してきましょう。
- シャンプー:アミノ酸系をメインにした低刺激性で豊かな泡立ち、髪や地肌にやさしくさっぱりと洗い流すことができます。
- トリートメント:アルガンオイル、シアバター、ケラチンタンパクなどを配合、傷んだ髪をケアし、艶やかに保ちます。
- ヘアオイル:ゴマ油、オリーブオイル、シアバターなど、すべて天然由来のオイルのみで造られており、ボディオイルとしても使用可能
どの基材も、美容師として活躍してきたオーナー・守屋さんのこだわりで開発したもの。髪・肌へのやさしさや、ヘアケアとして優れモノであるところも嬉しいポイントです。
香水やオーデコロンの場合は「アルコール・水」が基材となり、香りを運びます。ディフューザーで香りを拡散させる場合は「空気」が基材。
最近のフレグランス洗剤や柔軟剤はお洗濯という日常のお手入れで香りを楽しむものです。
「inioi Lab.(イニオイラボ)」の場合は、シャンプー・トリートメント・ヘアオイルが基材となり、髪や地肌のお手入れで香りを楽しむということですね!
化粧品の製造・販売などを規制する法律「薬機法」をクリアする工夫
ここで気になったのが「薬機法(旧薬事法)」。化粧品(ヘアケア製品を含む)を安心して使用できるように定めた法律です。
化粧品を製造・販売するには、2つのライセンス(化粧品製造業許可・化粧品製造販売業許可)が必要です。
例えば、業務用の商品などをその場で容器に詰め替えて販売することはOK(許可不要)なのですが、「表示義務」「衛生状態確保」を必ず行うこととされています。
この場合、どうしても空気に触れやすくなるので不衛生になりやすく、品質管理が保てないというデメリットがあります。
アロマテラピーのワークショップでもよく手作り化粧品などを実施しますが、この時、香りをつけるのは参加者自身で、使用する場合も自己責任で行っていただくことで法律をクリア。
「inioi Lab.(イニオイラボ)」の場合も、あらかじめ容器に小分けされた完成品として提供し、キットとして販売。香りを自分自身の手で付けることで「薬機法」問題と、衛生面(品質管理)をクリアしているというわけですね。
実際に自分好みのフレグランスを調香、トライアルキットで試してみます
シャンプー・トリートメント・ヘアオイルのミニサイズをセットにしたトライアルキットを購入。自分好みの香りを調合してみました!
お店にディスプレイされていた香りのサンプル、気になるものを一通り嗅いでみます。最終的に選んだのが「ビオニー」「アンバー」「ホワイトティー」の3種類です。
イニオイラボのスタッフが選んだ香りの組み合わせを試香紙につけて、嗅がせてくれます。これでOKであればフレグランスオイルを調合。
フレグランスオイルがよく混ざり合うように、ぶるぶる震えるマシンも準備されていました。
各基材にフレグランスオイルを注入するのは自分自身で。そのまま店内で調合することもできますし、自宅に戻ってゆっくり調合するのもOK。
私は自宅で香り付けすることにしました。
シリンジでフレグランスオイルを各基材に注入すれば完成!
キットについてくるシリンジで、ブレンドしたフレグランスオイルを吸い上げ、各基材に注入していきます。キャップを外さずにオイルを入れられるので便利。
さっそく香り付けをしてみます。フレグランスオイルをブレンドしてから少し時間がたっているので、香りがよくまとまっており、とてもいい匂い。
フレグランスオイルを注入したら、基材全体に香りがいきわたるように容器をよくもみもみします。
香り付けしてから1日以上置いておくと、香りのまとまりが良くいいかなと思います。
コロナ禍で香りに癒しを求める人が増えている今日この頃。フレグランスもヘアケアでより気軽にできるというのは面白い試みです。
香水ほど香りが強くなく、やさしく香るというのも親しみやすさの一つ。お店に足を運ぶ時間がないという場合は、オンラインショップでも購入可能だそうです。
ぜひ、自分だけのパーソナルな香りを発見してみてはいかがでしょうか。
■取材協力
【店舗概要】
inioi Lab.(イニオイラボ)
営業時間:平日 12時~20時/土日祝 11時~19時
住所:東京都目黒区上目黒1-22-12 中目黒高架下