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【目黒区】自由が丘「アズールロゼギャラリー」がクラウドファンディングを開始、暮らしにもっとアートを!

Chikuwa地域ニュースサイト号外NETライター(東京都目黒区)

自由が丘の学園通り沿いにある東京都チャレンジショップ「創の実(そうのみ) 自由が丘」を御存じでしょうか。こちらは起業家のたまごを応援する場所。

「創の実 自由が丘」
「創の実 自由が丘」

東京都と(公財)東京都中小企業振興公社がタッグを組み、「若手・女性リーダー応援プログラム」で選出された出店者に対し、店舗運営や販売の機会を期間限定で提供しています。

今回は「創の実 自由が丘」で現在営業中の「アズールロゼギャラリー」を訪問してきました。

見るだけのアートではなく、暮らしの一部として楽しむアートへ

「Azur rose Galerie(アズールロゼギャラリー)」
「Azur rose Galerie(アズールロゼギャラリー)」

「アズールロゼギャラリー」は、アート作品をもっと身近に感じてもらえる場所をつくりたいと考え、オープンさせたお店。常設展示と期間限定の企画展示の2本立てで、ギャラリーと美術館、両方の側面を持つ場所となっています。

オーナーである中鉢絵巳(ちゅうばちえみ)さんは、約10年間勤務した美術財団で広報や常設展示の企画などを担当された方。その後、民間ギャラリーに転職して企画や展示に携わり、フリーランスとしても活躍してきました。

制作や販売に苦労されている若手作家やアーティストさんたちを応援したいと思い、立ち上げたのが「アズールロゼギャラリー」です。ギャラリー名である「Azur rose」は青いバラのこと。

青いバラの花ことばはかつて「不可能」でしたが、実際に青いバラが誕生したことから「夢叶う」に変わりました。「アズールロゼギャラリー」で展示した作家さんたちの夢を叶えるきっかけになって欲しいという想いを込めて付けたそうですよ。

額賀苑子さんの個展「Sonoko Nukaga solo exhibition かげの質量」に行ってきました!

写真向かって左が額賀苑子さん、右がオーナーの中鉢さん
写真向かって左が額賀苑子さん、右がオーナーの中鉢さん

私が「アズールロゼギャラリー」を訪問した際、ちょうど額賀苑子さんの個展「Sonoko Nukaga solo exhibition かげの質量」が開催中。

作家である額賀さんもタイミングよく在廊されていたので、いろいろ作品についてのお話も伺うことができました。

額賀苑子さんの作品
額賀苑子さんの作品

額賀苑子さんは、東京藝術大学美術学部彫刻科を卒業後、東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修士課程を修めた新進気鋭のアーティスト。

一方向からだけではない彫刻の表現や、相対する世界観の広がり、アートの楽しみ方を深めてくれる作品が注目を集めています。

企画展で展示された彫刻
企画展で展示された彫刻

作品は主に陶やテラコッタを素材としています。

彫刻が持つ「実存感」の強さに曖昧さや割り切れなさを含ませようと表現。空間や質量の中に歪みやズレを取り込みながら制作することで、彫刻という表現の殻を打ち破った斬新な作品の数々を楽しませていただきました。

額賀さんの作品を見ていると、自分たちが見ている世界はみんなが感じている世界と同じではないこと。同じように見えていても、その裏側や奥にはいろいろな価値観を内包していることに気づかされます。

相対する彫刻がお互いを内包している表現
相対する彫刻がお互いを内包している表現

今回ご紹介いただいた上写真の2作品は、額賀さんの新しいチャレンジがダイナミックに伝わってくる仕上がり。

よく見ると2つの作品がお互いを行き来し、内包する表現となっているのがお分かりいただけるでしょうか?

写真向かって左の作品の人物が着ているTシャツの胸元には、こちらを見ている人物が表現されています。向かって右の作品で人物がのぞき込んでいる枠には、左の作品の人物が描かれています。

額賀さんからのコメントは以下の通り。

人体彫刻と鑑賞者の間にある隔たり、私は彫刻が見ている風景を知らないし、彫刻は私に見られていることすら知らない。断絶されたコミュニケーション。それでも、その厚みも終わりもない壁を越えようとしてしまう勝手な想像力について考えて制作した。

これまでの彫刻の概念を超えて、新しいアートの楽しみ方を感じさせてくれる表現です。額賀さんの個展は2023年6月10日(土)まで楽しめます。

また、企画展開催期間中の金曜・土曜・日曜は「アズールロゼギャラリー」も営業時間を19時まで延長して営業するとのこと。お仕事帰りやお出かけのついでにぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

作家活動の応援と日常にアートのある暮らしを提案する「アズールロゼギャラリー」

「アズールロゼギャラリー」では、今回のように期間限定で若手アーティストたちの作品展を行う他、常設で日常使いできるアートや絵画、ジュエリー、日用雑貨なども展示・販売しています。

「アート」と聞くと絵画や写真、彫刻などを飾る・鑑賞というイメージでとらえてがち。でもこちらのお店に伺い、自分らしいおしゃれを完成させるピースや食卓の一部として、もっと暮らしに溶け込み、自由に活用できる身近な存在だということを気づかされました。

常設で紹介している作家は約15名。暮らしのそばにいつもさりげなく置かれ、実用的に使いながらも心を豊かにしてくれるような、そんな作品ばかりです。

まずは自分好みの器やジュエリー、スカーフ、文房具などを探してみる。居心地の良いお部屋のアクセントに、気に入った作家さんの作品を取り入れてみる。

オーナーの中鉢さんがアートを身近に楽しむコツを気さくに伝授してくれますよ。

「アズールロゼギャラリー」では現在、クラウドファンディングを実施中

アーティストとアートのある暮らしを橋渡しする「アズールロゼギャラリー」。「創の実 自由が丘」卒業後、店舗運営を続けていくために現在、キャンプファイヤーでクラウドファンディングを開始しました。

さらにクラウドファンディングでは、作家さんたちが日々生み出している作品を形として残していく美術館のような「図録」を制作するプロジェクトも実施中。

アート作品は販売されてしまうと手元には残らず、いろいろな方の目に触れることがなくなってしまうのがほとんど。生み出した作家にとってもこの「図録」がつくられることはとても価値あることなのだそうです。

そこで「黒の肖像~思考の夢」というコンセプトで、2023年9月10日(日)~24日(日)に開催を予定している林明日美×山口茉莉二人展の図録を制作予定

リターンには、お2人の展示図録や内覧会への招待などを予定されているそうですよ。こちらもぜひチェックしてみてくださいね。

「アズールロゼギャラリー」では青木愛弓×okadamarikoさんによる「かぜの色、いろの声」が6月17日(土)からスタート

(画像提供:アズールロゼギャラリー)
(画像提供:アズールロゼギャラリー)

額賀苑子さんの企画展終了後、6月17日(土)~25日(日)の会期で開催が予定されている企画展のお知らせをいただいたのでご紹介します。

日々の記憶をテーマに、自作したコラージュ素材をレイヤー(層)構造で重ねていく風景作品を制作している青木愛弓(あおきあゆみ)さんと、絵を描くように糸を画材にしてつくるアーティスト・刺繍作家のokada mariko(おかだまりこ)さんの作品展です。

(画像提供:アズールロゼギャラリー)
(画像提供:アズールロゼギャラリー)

お近くにお越しの際は、ぜひお気軽にのぞいてみてくださいね。

■取材協力
Azur rosé Galerie(アズールロゼギャラリー)
額賀苑子さん

【店舗概要】
Azur rose Galerie(アズールロゼギャラリー)
営業時間:11時~17時、火曜・水曜定休
※企画展開催中のみ金土日は19時まで営業
住所:東京都目黒区自由が丘2-17-6 THE FRONT 1F 創の実内

地域ニュースサイト号外NETライター(東京都目黒区)

コピーライターからWebライターへ転身。アロマセラピスト・整体師としても時々活動しています。趣味はカンフー(八卦掌・長拳)と古代史。目黒区の魅力やおもしろいところを発信していきます。取り上げて欲しい目黒の穴場や情報もぜひお寄せください!

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