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簡単に魅力的に!「香水、どこにつけるか」問題の落としどころ。

調香師・ゆうか調香師/フレグランスライフアドバイザー


こんにちは。香水のスペシャリスト、調香師・ゆうかです。
これまで香水のいろいろなお悩みについてお話ししてきましたが、今回は「香水はどこにつければいいの?」というお悩みに回答したいと思います。
香水をつける場所と言えば、手首、首筋、膝の裏などが一般的ですね。
ですが、それだけじゃ物足りない、つけてみたけれどしっくりこない・・そういったお声もよくお聞きします。

そこで今回は、「簡単に香水をつける場所のあたりがつけられる」方法をお伝えします!

まず押さえるべきは香りのピラミッド

「香りのピラミッド」をご存知でしょうか?香水について検索をしているとたまに目にすることがあると思います。
香水はトップノート、ミドルノート、ラストノートの順に香りが移り変わっていきますが、それを上から並べたものが「香りのピラミッド」です。
上に行けば行くほど香りは軽やかになり、揮発する時間が早くなります。
逆に、下の方の香りは濃厚なものが多く、揮発が遅いため持続時間が長いという特徴があります。

図を見ていただくとわかりやすいのですが、

香りのピラミッド(よく使われるノートを記載しています。)
香りのピラミッド(よく使われるノートを記載しています。)

トップノート
 シトラスノート、アロマティックノート、マリンノート
ミドルノート
 フローラルノート、フルーティーノート
ラストノート
 ウッディーノート、オリエンタルノート、グルマンノート

などが挙げられます。

香りの特徴としては、トップノートが軽やか、爽やか、スッキリ、
ミドルノートがまろやか、誰にとっても心地いい、
ラストノートが濃厚、個性的、
こういったイメージになります。


香りのピラミッドをどう応用する?

では次に、香りのピラミッドを応用していきます。香水をまとうときに、先ほど見た香りのピラミッドを体に当てはめてみてください。
トップノートは胸から上、ミドルノートは胸下〜お腹(腰も含む)、ラストノートはお腹より下と考えます。
ピラミッドの三角形をそのまま自分の体に合わせて考えるイメージです。

香りのピラミッドを体に当てはめてみる。
香りのピラミッドを体に当てはめてみる。

例えばトップノートの香りは比較的軽く、揮発性が高いためあまり体の下の方につけてしまうとうまく香りません。
またラストノートの濃厚で持続時間の長い香りを鼻に近い体の上の方につけてしまうと香り酔いが起こる可能性が出てきます。トップノートの香りとは逆に、濃厚で長く持つ香りなら、体の下の方につけてじわじわ立ち上ってくるのを楽しむことも可能になってきます。

自分の香りでやってみよう。

手持ちの香水を確認してみてください。メインとなるのはどんな香りですか?
お花の香りがメインであればフローラルタイプ(ノート)、爽やかな柑橘の香りであればシトラスタイプ(ノート)になります。
先ほどの香りのピラミッドで確認するとフローラルタイプはミドルノート、シトラスタイプはトップノートですね。
フローラルタイプの香りであれば、胸下あたりに一度つけてみてください。
それで綺麗に香るようならその場所でOK、もし物足りないなら胸の上に。香りすぎるならお腹に、と調節してみます。
シトラスタイプならまずデコルテあたりにつけてみて様子を見るのがいいでしょう。
同じフローラルタイプ、といっても爽やかなものから濃厚なものまでバリエーションがあるので、香りのピラミッドを使ってあたりをつけた後少し調節は必要になってきますが全く見当違いのところにつけてしまう、ということは避けられます。
これは様々な香りで応用できるのでぜひやってみてください!


手持ちの香水、せっかく使うのならもっと魅力的に香らせたいですよね。
これから春に向けて、新生活に向けて新しい香りを探したい!という方もぜひ、この香りのまとい方を試してみてください。
香りのおしゃれをもっともっと楽しんでいただけますように♪

今回のお話を動画でも詳しく解説しています。
【調香師・優香の香水講座121】香水、どこにつけるか問題、簡単に解決します!

調香師/フレグランスライフアドバイザー

中学生のときに初めて買った香水の感動が忘れられず、10年間務めた銀行を退職して調香師の道へ。ワークショップや動画を通じて初めて香水をつける方へのお役立ち情報からマニアックな香料の話まで、調香師ならではの視点で香水の魅力についてお伝えする活動をしています。ATELIERS AROMES & PARFUMS PARISフレグランス・デザイナー、パルファン・スタイリストディプロム保持。

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