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甘くてセクシー!香水のプロ、調香師が教える冬こそおすすめの香水「オリエンタルタイプ」

調香師・ゆうか調香師/フレグランスライフアドバイザー

こんにちは!香水のスペシャリスト、調香師・ゆうかです。

「オリエンタルタイプ」ってよく聞くけど実際はどんな香りなんだろう?って思ったこと、ありませんか?
今回は、オリエンタルタイプの歴史から冬におすすめの香りのまとい方までたっぷりとお伝えします!

オリエンタルタイプの歴史を紐解いてみよう

オリエンタルタイプという香りができたのはは1921年に発表されたモリナール社のハバニタという香水からです。
元々のオリエンタルタイプの香水は、動物由来の香料を使用したことからヨーロッパから見た東方(=オリエント)という意味で名付けられました。
現在では動物性香料は倫理的な観点から使われなくなり、オリエンタルタイプの香りはバニラ、パチュリに加えて様々なスパイスを使った香りのことを指しています。

そのオリエンタルタイプの香水で名香とされているのが最初のオリエンタルタイプの香りができてから4年後、1925年にゲランから発売された『シャリマー』という香水です。
この香りは100年近く経った現在でも愛されている、名香中の名香です。
デパートなどで探すことができますので見つけたらぜひ試してみてください!

現在も愛されているシャリマーの香り。
現在も愛されているシャリマーの香り。

オリエンタルタイプってどんな香り?

上述の通り、現在のオリエンタルタイプはバニラ、パチュリに加えて様々なスパイスが混じり合った香りとされています。
では具体的にはどのような香りなのでしょうか?

まず鍵となるのは「バニラ」です。お菓子やアイスクリームなど、日常で口にするものにふんだんに使われているあの甘い香料、そのバニラがオリエンタルタイプには欠かせない香りとなります。
その甘さに加えられるパチュリという香りはウッディーノートの代表的な香りで、単体で嗅ぐと「墨のような香り」と表現される、少し苦味を含んだ個性的な香りです。
この香りがバニラと組み合わさることでバニラの甘さに深みと大人っぽさが出てきます。

そしてスパイスの香り。スイーツでもバニラとスパイスのシナモンはよく合います。バニラの甘さにパチュリで深みを加え、されにスパイスでその甘さを引き立たせる。そんな香りがオリエンタルタイプの基本の形です。
実際にはさらに甘くてコクのあるアンバーが加わったり、セクシーなイメージを付加できるサンダルウッドが加わっていることが最近のオリエンタルタイプの香りににはよく当てはまります。

そんな、甘くて深みがありピリッとスパイスが効いているのがオリエンタルタイプ。そこから導き出されるキーワードは「暖かい」、「大人っぽい」、「セクシー」です。

どうして冬におすすめなの?

そんなオリエンタルタイプの香りの特徴は、濃厚なラストノートにあります。

例えば、お花の香りのフローラルノートにオリエンタルタイプの香りが加わると、軽やかで女性らしい香りにグッと深みとセクシーさが加わります。
ミドルノートの華やかさだけでは終わらない、ラストに香る深みのある甘さ。これがオリエンタルタイプの魅力です。

そして、そんなオリエンタルタイプをつけこなすなら断然冬がおすすめです。
冷たくて乾燥した冬の空気にオリエンタルタイプの濃厚で甘い香りはよく映えます。
逆に夏の蒸し暑い空気の中だとオリエンタルタイプの強みである濃厚な甘さが少し鬱陶しく感じられることもあります。
寒い時期にあったかいチャイを飲みたくなるように、オリエンタルタイプの甘い香りは寒い季節にぴったりの香りです。

オリエンタルタイプのつけこなし術

ではこの香りをどのようにつけこなせばいいのか、どんな風にファッションと合わせていけばいいのか、そこが一番知りたいところだと思います。
そのために思い出していただきたいのが、先ほど挙げたキーワード、「暖かい」、「大人っぽい」、「セクシー」です。
例えば身体に沿う大人っぽいシルエットの暖かそうなハイゲージのセーターを着るとします。
セーターの「暖かさ」、シルエットの「セクシーさ」。こんな風にオリエンタルタイプのキーワードとワードローブをリンクさせると簡単に香りを似合わせることができます。
また「暖かい」オレンジやベージュなど、色をリンクさせるのも素敵です。

そして、香りをつけるのにおすすめの場所はお腹です。
セーターの下にひと吹きしておけば、その人の体温と混じり合った暖かい甘い香りがじわじわと広がっていきとても魅力的に香らせることができるのでぜひトライしてみてください!



今回は知っているようで知らない「オリエンタルタイプ」の解説でした。
香りの特徴を知っているとつけこなす幅も広がると思うのでぜひ参考にしてみてください。
新しい香りにトライしたいな!と思っている方にもおすすめです!

調香師/フレグランスライフアドバイザー

中学生のときに初めて買った香水の感動が忘れられず、10年間務めた銀行を退職して調香師の道へ。ワークショップや動画を通じて初めて香水をつける方へのお役立ち情報からマニアックな香料の話まで、調香師ならではの視点で香水の魅力についてお伝えする活動をしています。ATELIERS AROMES & PARFUMS PARISフレグランス・デザイナー、パルファン・スタイリストディプロム保持。

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