みなさまこんにちは、ニセコのお弁当ライター伊達千歳です。

最近、キッチンカーで営業している料理屋さんをよく見かけるになりました。

こういうお店は、非常に個性的な工夫が凝らされた魅力的なグルメを扱っていることが多いです。

ぜひとも接触すべく、北海道中を縦横無尽に移動する神出鬼没のキッチンカーを、SNS情報頼りに虫取り網を持ってまるでちょうちょを追いかけるように、日々追跡している今日この頃。

本日は、やっとキャッチできた、ある移動販売のお店を紹介します。

【ニセコ】フードトラックゆらぎ／ニセコエリアには珍しい和食のお店

こちら、「フードトラックゆらぎ」というお店。

ハンバーガーをはじめピザやサンドイッチといった洋食が多いニセコ地域には珍しい、和食を取り扱っている、テイクアウト専門店。

移動販売車が和風のしつらえで、外国ムード濃厚なニセコ地域では目を引きます。渋いです。

店主はまだ30代前半の男性。

聞くところによると和食料理人の経験を経て、2020年に沖縄からニセコに移住してきたとのことです。

「ニセコエリアで和食という意外さ」というコンセプトも店主のアイデアだったそうで、私のように興味をそそられて来店するお客さんも多いようです。

確かにこの近辺に長く住んでると、いつの間にか和食とご無沙汰になってしまい、こういったお手軽価格で購入できる和食弁当屋さんを見ると、ついつい立ち寄ってしまいます。

店主は陽気で気さくな方で少しお話させてもらったのですが、昨年は主にニセコ町の町営温泉「綺羅の湯」駐車場で活動していたそうです。

軸足はもちろんニセコに置いてますが、ニセコエリア以外にも伊達市や苫小牧市などに出張に出ていることも多いとのこと。

自分の腕ひとつを頼りに、フードトラック１台でニセコに移住してきたってすごくないですか。

いやあ、調理スキルってどこでもやっていけるのですね……。

【ニセコ】フードトラックゆらぎ／メニュー一覧表

メニューは３種類で、ほぼ固定レギュラーのようです。

本格的な和食料理人さんが作ったお弁当です。

目当てのおばんざい弁当はすでに売切れていたので、この日はわっぱ弁当を購入しました。

【ニセコ】フードトラックゆらぎ／わっぱに詰められた和の味覚芸術

テイクアウト専門店なので、お弁当を自宅に持ち帰ってさっそくいただきまーす！

袋から出すと、この凛とした一部の隙もない和のたたずまい……このお弁当、相当の手練れです……。

オリジナルの箸袋、割りばしも良いものを使っていて、グリーンのゴムで綺麗にひとくくりにする、配色にも気を遣うという凝りよう。

店主の男性の調理技術を仕込んだお師匠さんの厳しさ優しさ美意識の高さが、このお弁当を通して伝わってきます。

蓋を開けて最初に思いましたね、この内容で９９０円（税込）なんて、もう価格破壊だなと。

さやえんどうのスケルトンアイキャッチから入って六角形にカットされたキュートな人参、チラリズムのれんこん、恥じらいのちびガンモ、縁の下の力持ちの油揚げとひじきの煮物、ポテトサラダのトス、分厚い卵のフォルテッシモ、小さいホタテ2個のアクセント、メインボーカルの豚の角煮の幅など1センチ近くありましたよ、原価どうなってるんですかお兄さん。

味付けは濃くなくふうわりとしていて、醤油味を香るように味わえます。

何でも八雲町の服部醸造という由緒正しい蔵元の醤油を使っていて、それをいい感じで使用しているそうです。

見た目の美しさとおかずの種類の豊富さにぐいぐい引き込まれていき、箸が止まりません。

おかず類はもれなく美味しかったのですが、いちばんびっくりしたのがごはん。

味付けに不思議なムラがある炊き方をしていてびっくりしました。そして、信じられないほど柔らかい。

紫蘇（しそ）かな？梅肉かな？さっぱりとした味付けが、まだらのようにごはんにからめられています。

均一じゃなくて「紫蘇味と歯ごたえの両方を、わざと不均一にムラに感じるよう炊かれ、味付けされている」ようでした。

まるで群雲（むらくも）か錦雲（にしきぐも）を食べているような、初めての味覚。

ふわふわと夢見心地で食べているうちに、あっという間に空になってしまいました。

おかずのひとつひとつ、お米の一粒一粒にまで丁寧に味付けと調理が施された、素晴らしいお弁当でした。

こちらがおばんざい弁当になり、ごはんナシのおかずのみのお弁当になります。

ダイエット食にクリティカルビンゴ。

特にたまご……たまご焼が……味がしみしみで……。

【ニセコ】フードトラックゆらぎ／いろいろ出張してますがこちらはニセコエリア所属のお店です（自慢）

空になって残ったわっぱのお弁当箱も立派なもので、これは再利用できるかな、と思います。

思えば最初の和のフードトラックを見た時の驚きからメニューを選ぶ楽しみ、お兄さんのイケメンさ、端正なたたずまいのお弁当箱、豊富な種類で色とりどりのおかず、筋斗雲ごはん、きれいに空になったわっぱのお弁当箱……それらが怒涛のように押し寄せ一連のストーリーとなって、あっという間に私の目の前を通り過ぎていったことに気づきました。

この流れさえすべて計算していたのでしょうか……だとしたら甚だ侮れませんフードトラックゆらぎさん。

キッチンカーでニセコに移住してきて移動販売でお金を貯め、やがてお店を構えてしっかりと土地に根付くケースを、まだ数は少ないですが見かけるようになりました。

このお店もニセコに定着するよう、応援しています！

移動販売の場所は、ＳＮＳでチェックしてくださいね！

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