いつまでも食われてばかりじゃいられない!? 鮎が鵜を食うユーモア和菓子が面白い
今日ご紹介するのは、岐阜県の老舗和菓子屋、玉井屋本舗さんの現代風和菓子、下剋上鮎です。
玉井屋本舗さんは、長良川の鵜飼いにちなんでつくられた代表銘菓「登り鮎」が、岐阜を代表する銘菓として知られる和菓子屋。同じく鮎をかたどった「やき鮎」も、飛騨・美濃すぐれもの認定商品。全国菓子博名誉総裁賞も受賞しています。
今回ご紹介する下剋上鮎は、そんな鮎のお菓子と共に歩んできた玉井屋本舗さんならではの、鮎をモチーフにしたユーモア和菓子。
パッケージは、シンプルな色ゆえ、売り場で気づかなければ通り過ぎてしまいそうですが、一度目に留めてしまうと手に取らずにはいられないような、じんわりとした面白さがあります。
箱を開けると、下剋上鮎の由来…といいますか背景というのでしょうか、鮎の心情が描かれた説明書(黒い紙)が入っています。
「――しかし鮎は考えた。先祖代々、鵜に飲み込まれ続けて早1300年、このままで良いのだろうか。いや良いはずがない。岐阜が誇る知将、明智光秀の如く、今こそ謀反の時来たり――」説明書より
割れやすいお菓子だからか、お菓子はぷちぷちなどで厳重に包まれいます。
開けてみると、鵜にしっかりとかみつき、見事下剋上を果たした鮎が現れました。
お菓子は代表銘菓「焼き鮎」をベースにしており、少し硬めの食感が特徴的な焼き菓子。山芋を混ぜ合わせた生地には、和三盆糖とカルシウムが含まれています。
ご紹介したお品は小サイズで、焼き菓子が4枚入っていました。この他に下剋上鮎・大という商品があり、ひと箱につき大サイズの下剋上鮎が一枚入っています。味は味は二種類。黒糖と抹茶味です。
壊れやすいお菓子なので、厳重に包まれていたのですが、抹茶味の方は鵜の上くちばしが欠けてしまっていました。お干菓子などの和菓子あるあるですね。
ただ、割れやすいのはあくまで鵜の方。主人公の鮎はぴんぴんしていましたので、鮎が気合を入れすぎて、鵜のくちばしまで折ってしまったのかもしれません。
下剋上鮎を割ってみると、鵜、鮎共に中は空洞になっていました。
カリッと軽く割れそうに見えますが、実際には瓦煎餅のように固めなので、歯に自信のない方やご高齢の方への贈り物にする際はご注意ください。
もし、そういう方に贈る場合は、ホットミルクなどにつけて食べるのを勧めてみるといいかもしれません。
実際に抹茶ラテに合わせてみたら、少し柔らかくなり、味もとても合いました。
ぶらさがりクッキーみたいでしょう?
玉井屋本舗さんでは、この下剋上鮎の他にも下剋上竜という、中日ドラゴンズファン向けのお菓子も作っています。青い竜をかたどったドラゴンが虎やツバメ、鯉、星などに嚙みついているお菓子です。中日ファンの方への贈り物にいかがでしょうか。
昔からの技法で現代風のユーモア和菓子をつくる、玉井屋本舗さんの下剋上鮎のご紹介でした。
今回ご紹介したお店とお菓子
下剋上鮎 小サイズ4枚入り 1,296円(税込)