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【関西土産】とろけるお餅ときな粉の香りが絶妙、豊臣秀吉をもてなした歴史ある和菓子

decocookie和菓子研究家

今回ご紹介するのは、歴史のある奈良で四百年以上続く老舗和菓子屋、本家菊屋さんのつくる御城之口餅(おしろのくちもち)です。

歴史を感じさせる本家菊屋、御城之口餅のパッケージ
歴史を感じさせる本家菊屋、御城之口餅のパッケージ

趣のある包装紙を開くと、お店の紹介リーフレットが入っています。

本家菊屋、御城之口餅 お店のリーフレット
本家菊屋、御城之口餅 お店のリーフレット

御城之口餅は豊臣秀吉公が名づけた400年以上続く味とのこと。公式サイトには、以下のような説明がありました。

弊店祖 菊屋治兵衛に弟 豊臣秀長公から「兄の豊臣秀吉公をもてなす茶会をするから何か珍しい菓子を作るように」と命じられました。
粒餡を餅で包みきな粉をまぶしたお菓子を献上したところ秀吉公はたいそうお気に召され、天正年間(1580年代)に「鶯餅」の御銘を頂戴しました。一説には全国の鶯餅の原型ともいわれております。
時がたち、弊店が御城之大門を出て町人街の1件目にある事からいつしか、お城の入口で売っているお餅から「御城之口餅」と通称が付き現代に至ります(本家菊屋 公式サイトより)

本家菊屋、御城之口餅 お店のリーフレット
本家菊屋、御城之口餅 お店のリーフレット

お菓子の入っている箱は、涼しげな色合いの菊模様。

品のある色合いの本家菊屋、御城之口餅の菓子箱
品のある色合いの本家菊屋、御城之口餅の菓子箱

箱を開けるとお菓子は薄紙で覆われていました。

薄紙で覆われた本家菊屋、御城之口餅
薄紙で覆われた本家菊屋、御城之口餅

薄紙をめくると、たっぷりのきな粉がまぶされたお餅が現れます。こちらは15個入り。他に6個、20個、30個、40個、63個入りがあります。

きなこがたっぷりまぶされた本家菊屋、御城之口餅
きなこがたっぷりまぶされた本家菊屋、御城之口餅

一口サイズの本家菊屋、御城之口餅
一口サイズの本家菊屋、御城之口餅

原材料名は下記の通り。余計なものが入っていないため、賞味期限が短めですが、その分餅の柔らかさと素材の美味しさが楽しめます。

本家菊屋、御城之口餅の原材料

砂糖(国内製造)、小豆、餅米(国産)、水飴、青大豆、寒天、ばれいしょ澱粉/トレハロース(一部に大豆を含む)

お餅を一つ、取り出してみます。黒文字を刺した瞬間、柔らかいお餅の感触に驚かされます。

とても柔らかい本家菊屋、御城之口餅
とても柔らかい本家菊屋、御城之口餅

お餅をカットしてみると、粒あんが薄い餅生地で包まれていました。粒あんに使用される小豆は、北海道十勝産や丹波産を使用した最高級小豆とのこと。また、餡を炊く釜にもこだわり、現在ではほとんど見かけない、蒸気で一気に炊き上げられる丈夫な砲金の大釜を使用しているそうです。

たっぷりまぶされたきな粉は、国産青大豆を使用し、柔らかいお餅は近江産の餅米を使用。餅粉ではなく、餅米から餅をついて作るという、シンプルながらこだわりのつまったお餅です。

本家菊屋、御城之口餅の断面
本家菊屋、御城之口餅の断面

実際にいただいてみると、きな粉の香ばしさと、とろけるような柔らかいお餅、そして風味のしっかり残った粒あんのバランスが絶妙で、15個も入っていたにも関わらず、あまりの美味しさに、ふと気が付くと食べ終えてしまっていたほどでした。

本家菊屋さんの御城之口餅は、奈良にある店舗で購入ができる他、公式サイトからもお取り寄せが可能です。うぐいす餅の原型となったと言われる歴史ある和菓子、関西旅行のお土産や歴史好きの方への贈り物にいかがですか。

ショート動画(35秒)でお菓子の質感を撮っています。購入される際のご参考にどうぞ。

今回ご紹介したお店とお菓子

本家菊屋

御城之口餅 15個入 1,620円

和菓子研究家

YouTubeにて日本のお菓子と菓子作りを海外に紹介する菓子専門チャンネル「decocookie channel」を運営。伝統的な日本の菓子づくりだけでなく、今現在、海外で人気のある日本の菓子や知育菓子まで、幅広い日本の菓子を紹介しています。Yahooでは、奥深い和菓子を様々な角度からご紹介できればと思っています。

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