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こよみと和菓子 中秋の名月(十五夜)にぴったりな和菓子紹介

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和菓子研究家

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夏から秋にかけて、あわただしく気温が変わり始めるこの季節、和菓子の世界では、すっかり秋めいた色合いのお菓子が多くみられるようになりました。

九月前半にある重陽の節句に合わせた、菊や栗の和菓子を始めとし、中秋の名月にちなんだ、可愛らしいうさぎのお饅頭や干菓子などもよく見られます。

今月は、中秋の名月(今年は9月13日)があるため、十五夜の和菓子を三品、動画でご紹介しています。

最初にご紹介したのは、長野県にある小布施堂(おぶせどう)さんの十五夜の和菓子、「満月とうさぎまんじゅう」です。

小布施堂さんは栗専門の和菓子屋さん。こちらで作られるほとんどの和菓子は、栗が使われています。

うさぎまんじゅうは、一見普通のお饅頭のように見えますが、中は栗あん。外側は山芋がほんのり香る薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)です。

満月も栗あんが入っていますが、栗茶巾(くりちゃきん)をおもわせるような、香りとほろほろ食感を楽しむことができ、とても美味しいです。

次にご紹介したのは、大阪にある鶴屋八幡さんの和菓子、月見干菓子の「月うさぎ」です。

鮮やかな黄色が特徴の月は琥珀糖。シャリシャリとした結晶化したお砂糖の層は薄めで、中のゼリーはとても柔らか。

ススキを表した緑色のお菓子も同じ琥珀糖。こちらは、表面に氷餅がまぶしており、食感の違いが楽しめます。

また、うさぎと里芋は落雁製。里芋型の表面には皮を表現するためニッキが掛けられています。

お月様を中心にお皿に乗せると、夢のある世界が広がります。この季節のお茶菓子として、喜ばれそうな一品でした。

最後は、美味しい苺大福で有名な、大阪の松福堂正一(しょうふくどうしょういち)さんの和菓子。

こちらは、関西風の月見団子です。関西風のものは、里芋に似せた餅の周りを、里芋の皮に見立てた餡子で包むというもの。

関西の方には馴染みのある形ですが、関東では、このお菓子を月見団子と言われても、しっくりこない方が多いのではないでしょうか。

十五夜は、芋名月とも呼ばれ、蒸しあげ皮をむいた里芋の衣被(きぬかつぎ)を、団子と共に供える風習があるからなのだそう。

鶴屋八幡さんの月見干菓子にあった里芋も、これを模しています。

お餅は米粉製、少しお砂糖が入っていて、とても柔らかく、塩の効いた厚めのこしあんに覆われています。

殆どがあんこに包まれているので、団子状の月見団子と違なり固くなりにくく、お供えのおさがりを頂く際にも美味しくいただけます。

今回は、長野と大阪の和菓子屋さんをご紹介しましたが、ぜひ皆様のご近所にある和菓子屋さんにもお立ち寄りくださいね。夏から秋に移り変わる、この時期ならではの和菓子との素敵な出会いがありますように。

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