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【東京都台東区】隈研吾氏デザイン!展望台+カフェ+展示+浅草文化を丸ごと堪能「浅草文化観光センター」

デヤブロウ街歩きWebライター(東京都台東区)

 浅草といえば、最初に誰もが思い浮かべる浅草寺。その歴史は628年まで遡り、現在に至るまで観光地として人々の目を楽しませ続ける東京随一の名所です。

 その浅草寺・雷門の、道路を挟んで反対側にあるのが浅草文化観光センター。雷門や仲見世商店街を含む浅草寺一帯を、地上8階の展望台から無料で一望できるという絶好のロケーションに位置しています。

 展望台に加えて、センターの中には観光案内所、ギャラリー、カフェも設けられており、見どころは十分。東京の歴史と現代が交錯する浅草の街を見つめている、浅草文化観光センターの魅力を、この記事ではさらに紹介してまいります。

◆江戸時代風の木造長屋と隈研吾デザインのコラボレーション

 浅草文化観光センターの始まりは1985年。もともとは銀行の建物を購入してスタートしましたが、建物の老朽化に伴い建て替えられることとなります。

 新しいセンターのデザインを手がけたのが、「新国立競技場」や「JR山手線・高輪ゲートウェイ駅」など、デザイン性と環境性の双方に配慮した設計で名をはせる建築家・隈研吾氏。彼のデザイン案により、浅草文化観光センターは2012年に再オープンを果たします。

 このセンターの外見的特徴を簡潔に言えば、江戸時代風の木造長屋と現代の建築美学が見事に融合した、まさに"新旧"が融合した建築物といった所でしょう。水平や斜めのラインがリズミカルに積み重なる独特の形状は、江戸時代風の木造長屋が垂直に積み重なった様子をコンセプトとしています。

 スタイリッシュでありながら、どこか懐かしさを感じさせるこのデザインは、まさに浅草ならでは。その見事さは、2012年グッドデザイン賞を受賞するほどです。

 また、センターの外装・内装には木材がふんだんに使用されています。特に内部の壁面や天井には、東京の多摩地域で生産された木材(多摩産材)を活用。その東京愛に満ちたセレクションが、さらに建物に深みを与えています。

◆観光案内、文化展示、カフェ、展望台と様々な利用に対応

 浅草文化観光センターは地上8階・地下1階の構造。3〜5階は会議室や管理事務所、地下1階はトイレとなっているため、観光客や見学者は主に1・2階と6〜8階を利用することとなります。

 1階の案内ロビーは、木質の天井と2階へ続く吹き抜けが印象的。

 大画面のサイネージで観光情報や施設情報が映されています。

 さらに台東区全域のジオラマ展示もあり、浅草観光のプランニングに役立つこと間違いなしです。

 2階の観光情報コーナーへはエレベーターのほか、1階から階段を上がっていっても行けます。

 階段の途中からは、浅草寺や雷門の大にぎわいをちょっと高い位置から見物可能。特に三社祭の時期などは眼下にたくさんの人々やお神輿が往来し、壮観な光景が広がります。

 ここでは東京全域や各地の観光パンフレットも配布されていて、台東区や東京のみならず日本全国を観光する旅行者にとってはとても便利。全国観光の起点となる東京都内の、さらに出発点となることが多い浅草ならではの配慮ですね。

 6階には、浅草芸者によるお座敷踊りや講演会・イベントなどを開催する多目的スペースがあります。イベントがない時には、浅草の四季や観光情報についてのムービーが上映され、座席もあるのでちょっとした休憩にも最適ですよ。

 7階は展示スペース。こちらでは台東区の観光情報パネルが常設されているほか、不定期に伝統工芸品の展覧会や、台東区の地場産業である皮革製品(靴やカバンなど)の展示イベントなども開催されています。

 ここでパネル展示を見るだけでも「台東区ってどんな所?」という疑問は一発解決です。

 また、スペースの一角には仲見世商店街のシャッター絵の元となった絵巻物も。ここで確かめた絵柄を、夜になって閉店した後の仲見世商店街に探しにいく遊びもできます。

(※仲見世商店街で撮影)
(※仲見世商店街で撮影)

 そして最上階・8階の展望テラスでは、眼前に仲見世商店街や浅草寺の本堂、東京スカイツリーや隅田川が一望できます。

 ご覧の通り、ここからの眺めは必見!

 ここは7階から外階段で上がることができ、その途中のフェンスに設けられた隙間が写真撮影にはとても便利です。(※スマホ・カメラの落下には注意してください!)

 隣接するカフェ「カフェリオン」でも、空調の効いた室内で一息つきつつ、窓際席から仲見世~浅草寺を眺めていられます。これもまた至福のひととき。

◆センターの上から下まで、浅草の今昔を学べて楽しめる

 浅草文化観光センターの内部には、その所々に「台東区」「浅草」「江戸」を思わせるアートやインテリアが配置されており、これらをイースターエッグのように探す楽しさも満載です。

 また、このセンターは外国人観光客(インバウンド)の方々が非常に多いのも特徴。流ちょうな英語を話すスタッフが、親切丁寧に接客しています。さすが、浅草を代表する観光案内施設ですね。

 1階から2階へと続く階段の途中には、旧センター建物の頃のからくり時計が設置されています。

 この懐かしい時計を見ると、昔から浅草ご在住の方々は昔の思い出がよみがえることでしょう。

 浅草文化観光センターは、浅草寺と同様に、浅草の昔と今、伝統と変化が混ざり合うスポットとなっています。再開発が進み、店舗の入れ替わりが頻繁に起こる現代の浅草を見つめ続けるこのセンターは、まさに生きた浅草の息づかいを感じることができる施設と呼べるかも知れません。

浅草文化観光センター
【住所】
東京都台東区雷門2−18−9
【最寄駅】
東京メトロ銀座線・浅草駅2番出口から徒歩1分
【営業時間】
9:00〜22:00
【閉館日】
なし
【電話番号】
03-3842-5566
【リンク】
台東区ホームページ

街歩きWebライター(東京都台東区)

カフェ・居酒屋探し、博物館・美術館見学、銭湯巡りや寺社探訪など、都心部の街歩きが大好き!特に都内で暮らし始めた頃に住んでいた浅草近辺、博物館・美術館が沢山ある上野界隈など、台東区内を月に2~3回は散策しています。東京23区でも面積最小ながら、歴史と見所が詰まった台東区の魅力を積極的に発掘・発信していきます!

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