【茹でるテスト】古いバイクのレストアでサーモスタットを見逃すな!
バイクのレストアをしています。水冷のレーサーレプリカです。
ここまで組み上げたところで思い出しました。「そういえばサーモスタットをチェックしてないよね?」
これまでサーモスタットなんて気にしてなかったけど、考えてみればこれが動かなかったら大変なこと。テスト走行の時ならまだしもちょっと本気で走ったところでエンジン焼き付きなんてやったらオオゴトになるので、とりあえずテストしてみようかなと。
念のためサーモスタットの働きについておさらいしておくと、冷却水はラジエーターを通って冷却しますが常にラジエーターに冷却水を送って冷やしているわけではありません。エンジンが冷えてる時は冷却水の循環をストップして温度を上げて、エンジンが熱くなってくると冷却水を循環させて冷却をする、その冷却水の止水弁の役割を果たしているのがサーモスタットなわけです。
暴力的にシンプルに言えば、冷えてる時は閉じていて、熱くなると開く、そんな役割のパーツです。
そこそこ古いバイクなので、サーモスタットがちゃんと開いたり閉じたりするのか?もうちょっと言えば、開くと言ってもちゃんと全開になるのかどうか?うん、やっぱりこれはしっかりテストした方が良さそうですな。
こればかりは実際にその動きを見てみないとわからないので、動作チェックをしたいと思います。
用意したのはガスコンロと空き缶
これに水を入れてお湯を沸かして、針金で吊り下げたサーモスタットを「茹で」ます。
針金で吊るしてる理由は、余計な熱が加わってしまって動作試験にならないので缶の底に接接させないという配慮なんだそうな。厳密には温度計を入れて測りながら加熱しなければならないのですが、今回はとりあえず動くかどうかのテストをしたいのでそのまま行っちゃいましょう。
コンロの火をつけて、サーモスタットを水に浸します。もちろん初期状態はサーモスタットは閉じた状態。
お風呂のような適温を過ぎて、小さな水滴がびっしりついて湯気が上がる頃になってもサーモスタットは微動だにせず。
水面がゆらゆら揺れ始めてそろそろ沸騰するので?はという気配になってもサーモスタット動きません。
やっぱ壊れてるかにゃ?
そう思い始めたころ、サーモスタットがわずかに開き始めましたが、沸騰直前まで待っても、なんか中途半端な開き方で止まりました。
これってどうなんでしょう?
サーモスタットってこれで全開でしょうか?これが全開と言われてもなんか不満なカンジ。これでエンジンの冷却をしっかりできるとはちょっと思えないんですよね。
でもここでふと思いついて、取り出したサーモスタットに水をかけて元に戻しました。
そしてまたすぐにお湯の中に戻して開かせます。取り出して冷やしてサーモスタットを閉じたのを確認したらまたお湯の中で開くまで待つ。そしてまた取り出して冷やしてサーモスタットを閉じたのを確認したらまたお湯の中で開くまで待つ。
試しにこの動作を5、6回繰り返してみました。そしたらなんと、回数を重ねるごとに動きがどんどんスムーズになってくるじゃないですか~。なるほど!!!
長年動かないまま放置されていたサーモスタット。中年の私の体と同じようで、久々に動くのがしんどかったんでしょうね。何回も伸びたり縮んだりしてるうちにだんだんと動きがスムーズになって、開くにしても閉じるにしてもどうやら正規のところまで動作してくれるようになったようです。
なるほど、なるほど!!!
そんなわけで今回初めてサーモスタットの動作テストをやってみましたが、古いバイクを再び動かす時にはこのテストは必須かもしれません。もちろん理想は新品交換なのですが、何でもかんでも新品交換すりゃいいってもんでもないですしね。
次第に動きが良くなっていくサーモスタットを見ているとなんか愛着が湧いてきちゃいました~。バイクのレストをしている皆さん、是非ともサーモスタットの動作チェックもお忘れなく~!
この記事が、何処かの誰か様の参考になれば幸いです。今回もご視聴ありがとうございました~!