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発達障害によってうつ状態になる?その理由や対策の『正体』とは!

精神科医しょう精神科医/メンタルドクター

こんにちは、精神科医しょうです。私は普段、精神科での外来を行い、インスタやvoicyにてHSP気質に関する発信を行なっています。インスタにも遊びにきてね(外部リンク)

発達障害の方でよく耳にする悩みの中に、「周りに溶け込めない」ことがよく挙げられますが、他にも多い問題に二次性にうつ状態が出やすい点があります。

うつ状態に悩んで精神科を受診して発達障害を持つことが分かり、心の不調の原因が生まれ持った障害の影響によるものと診断される人もいます。

気持ちが落ち込んで「心の病気では?」と悩む人の中には、先天性の脳の問題が関わっているのかもしれません。

発達障害によるうつ状態は理由が分かると改善への対処ができ、心と体の状態も良くなり楽になっていくでしょう。

発達障害による心の負担はうつ状態を招きやすい

発達障害は社会生活の中でデメリットとなる特徴が含まれるため、本人も何かと心の負担を感じうつ状態を招きやすいのです。

知的には健常者と同じで一見問題がないように映る症状の人の方が、周りとの関係がうまく築けず苦悩しやすい傾向があります。

うつ状態リスクがある発達障害の種類

発達障害に分類される症状の種類は、大きく分けて次のようなものです。

  • 自閉症
  • アスペルガー症候群
  • 学習障害
  • 注意欠如・多動性障害

対人関係の不和が不安要素になる

知的に問題のない症状を持つ人の方が自分に起因する対人関係の不和を感じ、周囲の人々の間で浮いてしまう不安に悩まされてしまいます。

アスペルガー症候群の人だと会話のリズムをつかみにくい、注意欠如・多動性障害の人だと相手の話を落ち着いて聞けなかったり会話の情報がズレるなどの問題が多いです。

脳の機能の一部が発達不足なために対人関係がうまくいかないとしても、事情を知らない他人には「空気が読めない人」と否定的に見られます。

自分が周囲の空気を微妙にしている自覚があっても器用に立ち回れず、ストレスや苛立ちを感じ心のバランスを崩すリスクが高いです。

大人になり発達障害が分かる人も多い

発達障害は生まれ持っての脳の問題ですが、診断されるのは子どものときではなく大人になってから分かる人も少なくありません。

知能的に問題はないので子供時代は日常生活を普通に送り、社会人になってつまずいて自分に疑問を感じ調べた結果「発達障害」と判明することは珍しくないのです。

うつ状態に悩み受診して発覚

大人になって発達障害が分かる事例では、きっかけが自分のうつ状態への悩みからがよくあります。

冒頭で先にご紹介した病院を受診して障害が発覚する場合について、その割合は学生よりも社会人経験のある大人の方が多いかもしれません。

働くようになると強いストレスを抱えやすいので、仕事の負担が影響して精神的な病気になっていると考えて受診する人もいるのでしょう。

病気が気づかれにくい理由

大人になるまで発達障害があると気づかれない理由は、学生時代は周りと合わなくても勉強と最低限のコミュニケーションができれば良しとされる環境だからです。

学校はある程度の学習能力があり挨拶を交わすことができる人なら、多少変わっていようが脳に関係する病気を持っているとは教師も親も思わないものです。

昔は発達障害の問題について注目されていなかったので、その背景からも病気が気づかれにくかったのかもしれません。

発達障害によるうつ状態を改善する方法とは

発達障害の二次障害としてうつ状態になっている場合には、改善のために自分の障害の種類を正しく調べ適する治療を受けることがおすすめです。

就労を支援するサポートも広がってきているので、職場環境に悩んでいる人は相談してみましょう。

医療機関で正しい診断を受ける

発達障害であるのかは医師が判断しなくてはいけないため、 医療機関で正しい診断を受けてください。

心の病気を見る病院をはじめて受診する人は、経験と実績のある医師を選ぶと的確な治療方針を示してくれるので安心できるでしょう。

障害の種類によっては薬もある

障害の種類によって効果が期待できる治療薬などが違うので、発達障害の種類をきちんと調べてもらい適する治療を試します。

注意欠如・多動性障害の場合は神経伝達物質の不足を補う薬が効き、服用によって精神状態が落ち着くようになるでしょう。

働き方の支援などを検討する

発達障害の人が働きやすいように支援する機関や窓口があり、働き方で困っていることがあれば支援を検討してみてはいかがでしょうか。

仕事がうまくいかないことでうつ状態が悪化する恐れもあるため、理解を示してくれる職場環境に身を置くことで快適に働けるチャンスがあります。

症状を自分の特性と受け入れてあげよう

発達障害は生まれつきの脳の問題によるものなので、他人よりコミュニケーションが上手でないことにも悩まず症状を特性と受け入れてあげてください。

あなたが自分の特性と認めて許容してあげるかが、うつ状態から立ち直る重要なポイントになります。

「集団から浮いてしまうのは自分のせいだ」と罪悪感に苛まれず、自分の思考や行動は脳からくる独特さなのだと認識してみましょう。

まとめ

発達障害は本人の心に負担がかかってしまうため、うつ状態を招いてしまうことがよくあります。

自分の精神状態が分かれば改善の方法も見えてくるので、まずは医師に診てもらい適する治療を示してもらいましょう。

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精神科医/メンタルドクター

HSP気質とメンタルヘルスについて発信している精神科医。精神科外来で診療を行い大学で研究も行っている。instagramのフォロワー7万人以上。著書:頑張り屋さんのための心が晴れる本(KADOKAWA)、新刊:精神科医が教える笑顔うつから抜け出す方法(2023年8月16日発売)。私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?「他人の顔色ばかりみてクタクタ」「自分の意思で生きられない」「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」こんな他人軸の悩みでクタクタなあなたは、上記の私の名前をクリックして公式ブログから自分軸を目指しましょう♪

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