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『適応障害』は発達障害の「弊害」かも?何度も繰り返すその”原因”とは!?

精神科医しょう精神科医/メンタルドクター

こんにちは、精神科医しょうです。私は普段、精神科での外来を行い、インスタやvoicyにてHSP気質に関する発信を行なっています。インスタにも遊びにきてね(外部リンク)

「治ったと思ったのに何度も適応障害を繰り返してしまう」というときは、自分に発達障害があり弊害で適応障害を繰り返している可能性もあります。

生来の発達障害があると特性のせいで心に負担がかかりやすいため、適応障害が慢性化してしまうことが少なくありません。

「一度良くなってもまた症状が出てしまう」と悩んでいるのなら、今回の記事をぜひご覧ください。

適応障害の慢性化は発達障害が原因の場合あり

適応障害が治っても再発する慢性化の状態を作っているのは隠れた発達障害で、障害にある特徴が原因になっているのかもしれません。

知能に問題はなくとも脳の発達に障害があると精神的な負担がかかり、心に蓄積した疲労が心の病を発症させる場合もあるのです。

適応障害が何度も繰り返す要因

適応障害は環境面などの問題で過度なストレスを感じると適応しきれず、 精神的に不安定になる・睡眠不足になる・息切れや動悸がするなどの身体的症状が現れる心の病気です。

原因となっている環境面の問題が改善すると治るのですが、治った後も何かストレスを感じる要素があると何度も繰り返してしまいます。

病気の発症理由はストレスの大きさにあるので心の負担も我慢しすぎると、一度は良くなってもまた症状が出てきてしまうのです。

再発が続き慢性化するとちょっとしたストレスにも心身が反応してしまい、精神的な面での免疫力が低下しやすくなります。

症状の慢性化は危険であり最悪の場合には適応障害の範囲を越えて、心身への影響がより重くなるパニック障害やうつ病などに進行してしまうかもしれません。

発達障害が適応障害を招く理由

発達障害の人の大半は知的レベルが普通の人と同じで日常生活を送るのに問題がないので、自分に障害があると気づかずにいる人も多いです。

ただ特性的に場の空気や雰囲気を読み取ることが苦手なので、周りにうまく馴染めずに浮いてしまう傾向があります。

適応障害に何度も繰り返しかかってしまう人は隠れた発達障害があり、生来の特性が影響して周りに適応できない可能性が高いです。

発達障害の人は空気が読めない他にも問題を抱えていて、こだわりが強い・集団行動に合わせるのが苦手・複数のことを同時に行えないなど本人へのストレス要素が多いです。

脳の障害での問題だと本人が努力して対処するのも限界があるため、どうにかしたくても解決できないジレンマで自分を責めてしまいます。

適応障害が慢性化している人は日常生活の中で自力で適応しきれない場面が多く、それが心に大きなストレスを与えて病気を完治できないのかもしれません。

治ってはまた病気になる状態が続くようであれば、自分に発達障害がある可能性を考えてみた方が良いでしょう。

適応障害が発達障害の弊害かを確かめるには

自分の繰り返す適応障害が発達障害の弊害かは、精神医学のプロでないと正確に判断することができません。

生来の障害が隠れている可能性を考えた場合に、心療内科や精神科などで医師に確かめてもらう必要があります。

発達障害の診断をする医師に相談

発達障害は心療内科や精神科などが診察を行う科になりますが、どの病院でも受け付けているわけではありません。

インターネットで自分が行ける範囲にある病院で発達障害に対応しているところを探し、診断を行える医師に相談してください。

大人の発達障害を扱っているかを含めて探すと候補が少ないため、自治体の発達障害支援機関などに問い合わせて扱っている病院を聞いてみるのも良いでしょう。

適応障害の治療を受けている病院で紹介してもらえるようなら、お願いして紹介状を書いてもらってください。

可能性が濃厚なら詳細な検査を受ける

医師が診察して自分の適応障害が発達障害の弊害である可能性が濃厚となれば、詳しい診断を行うために専門的な検査を受けましょう。

検査では、 以下の内容で行います。

  • 発達障害の可能性があるかを確かめるスクリーニング検査
  • 知的能力などをして調べるための認知機能検査 などなど

検査の結果など含めて総合的に医師が見て、発達障害を持っているのか判断されます。

障害があると診断されれば適切な治療を受けられるので、適応障害の再発を防止することが可能です。

発達障害の診断がつかなかった場合について

医師に診てもらった上で発達障害の診断がつかなかった場合には、どうなるのか気になるでしょう。

診断がつかなかった場合も対処方法はあるので、心配しなくても大丈夫です。

発達障害はグレーゾーン判定も多い

発達障害は最近扱われるようになった問題なので診断は難しく、障害の可能性はあるが結果が基準を満たしていなくグレーゾーンと判定されることも多いのです。

障害の出方はその人によって違うところがあるので、検査の種類によって基準から外れる場合もあり発達障害の判定からもれる人もいます。

判定があいまいでも支援体制はある

発達障害の可能性はあるが断定できないというあいまいな判定でも、治療や障害での相談などの支援体制はあります。

発達障害の人を支援する公的機関への相談はグレーゾーンでも利用できるので、生活や仕事などのアドバイスを受けることができます。

適応障害に悩む人は発達障害も調べてみよう

適応障害を繰り返すことに悩む人は根本的な解決のために、自分に発達障害がないか調べてみましょう。

何度も再発する原因に発達障害が影響していることは少なくないので、念のために調べてみることがおすすめです。

もし自分が発達障害であるなら治療を受けて心の負担を軽くすることができ、適応障害の原因であるストレスも溜まりにくくなります。

まとめ

大きなストレスが原因でなる適応障害はストレスを感じることが多い発達障害があると、治っても違うストレスを感じて再発を繰り返しやすいです。

何度も適応障害になる経験をしている人は、根本的に治療するためにも発達障害がないか調べてみた方が良いかもしれませんよ。

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精神科医/メンタルドクター

HSP気質とメンタルヘルスについて発信している精神科医。精神科外来で診療を行い大学で研究も行っている。instagramのフォロワー7万人以上。著書:頑張り屋さんのための心が晴れる本(KADOKAWA)、新刊:精神科医が教える笑顔うつから抜け出す方法(2023年8月16日発売)。私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?「他人の顔色ばかりみてクタクタ」「自分の意思で生きられない」「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」こんな他人軸の悩みでクタクタなあなたは、上記の私の名前をクリックして公式ブログから自分軸を目指しましょう♪

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