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微笑みうつ病の『診断チェック』本当は怖い笑顔の裏の病気の『サイン』とは!?

精神科医しょう精神科医/メンタルドクター

こんにちは、精神科医しょうです。私は普段、精神科での外来を行い、インスタやvoicyにてHSP気質に関する発信を行なっています。インスタにも遊びにきてね(外部リンク)

一般的にうつ病は、社会生活が送れないほどの抑うつ状態が続いているというイメージを持っている人が多いかと思います。

しかし、今回紹介する『微笑みうつ病』は、社会生活を普通に送ったり他人と接することが出来ているため、うつ病のような症状を持っていてもなかなか気付かれることがありません。

「笑うことができているから病気ではない」と、自分自身でも思い込んでしまうので、気づかないうちに別の病気を併発していたということも少なくありません。

今回は、微笑みうつ病の自己診断チェック方法と、日常に潜む病気のサインについて紹介していきます。

微笑みうつ病の自己診断チェック

以下の項目の中で当てはまるものが複数あれば、微笑みうつ病の可能性があります。

該当する項目がいくつあるかチェックしてみましょう。

・朝すっきり起きることができない
・常に心にぽっかり穴が開いているような気がする
・人と会っているときは普通だが帰宅後に疲労感に襲われる
・希死念慮や自殺願望がある
・何をするにも集中力がなく、意欲が低下しているように感じる
・気分が落ち込んでいても人と接するときは笑顔で対応できる
・自分の身の回りのことをするのにもエネルギーが必要だと感じる

微笑みうつ病の特徴

笑顔で過ごすことができるが、常に虚無感がある

微笑みうつ病の人は、その病気の特徴から人前では笑顔で普通に振る舞うことができます。

空気を読むことがうまく自分よりも他人を優先する性格の人が多いので、時には場を和ませるために冗談を言ったり面白い発言をすることもあるでしょう。

しかし、どんなに明るく振る舞っていても微笑みうつ病の人の心の中は、ぽっかりとした虚無感が常にある状態です。

友達と遊んでいるときでも心が満たされず、しんどさや苦しさを感じているという場合もあるでしょう。

集中力が低下し、意欲が湧いてこない

物事に対する集中力が低下したり、睡眠欲や趣味に対する意欲などが湧いてこなくなるのも、微笑みうつ病の特徴です。

仕事中でも心ここに在らずという状態で集中することができず、細かいミスなどが増えてきます。

また、微笑みうつ病になると睡眠欲や食欲、性欲などの欲求に対する意欲が低下する傾向があります。

それだけではなく、趣味に対しても以前よりも楽しめなくなったり、やる気が起きなくなることがあります。

漠然とした希死念慮がある

微笑みうつ病の人は、自分の悩みをなかなか打ち明けることができない人が多いです。

抱えている苦しみや悩みを相談したとしても、元気そうに見えるためその深刻さに気づいてもらえません。

理解してもらえない孤独感や他の人に相談しても解決しないという諦めによって、心に蓋をしてしまっている微笑みうつ病の人も多いと思います。

そうしたことから生きづらさを感じ、内面ではうつのような症状が現れ、希死念慮が湧き上がりやすいのも特徴の一つです。

日常に潜む微笑みうつ病のサイン

日常に潜む微笑みうつ病のサインはさまざまです。

友達や同僚と話しているときに笑顔でいることができてもどこか心の中が空っぽであったり、遊びに行っても孤立感や絶望感を感じることもあるでしょう。

その場を盛り上げようと面白い発言をしたり、明るく振る舞うこともできます。

しかし、家に帰ると極度の疲労に見舞われ、自分の身の回りのことが一切できなくなってしまうようであれば、注意が必要です。

休みの日であっても趣味に没頭する元気もなく、最低限の行動しかできない場合もあります。

以前はちゃんと生活できていたのに、ライフスタイルも乱れがちになり朝起きることがしんどく感じたり、栄養が偏ったジャンクフードやカップ麺ばかりを食べるようになったという人は、微笑みうつ病の一歩手前の状態になっているかもしれません。

笑顔で過ごすことができていても以前とは違って、「ライフスタイルが乱れている・希死念慮がある・集中力が低下した・趣味に対する意欲がなくなった」などといった症状があればそれは微笑みうつ病のサインです。

微笑みうつ病が危険と言われる理由

微笑みうつ病は、会社や人前では普通に振る舞うことができたり笑顔を作ることができるので病気を持っているように見えず、周りから気づかれにくい特徴を持っています。

そのため、なかなか病気についての理解が得られにくく、たとえ本人が誰かに相談したとしても深刻に捉えてもらえず落胆することがあるのではないでしょうか。

そういった「周りから理解されにくい」という病気の特性があるがゆえに、生きにくさを感じている患者さんも沢山います。

また、本人自身も「笑えているから大丈夫」「会社に行くことができているから病気ではないだろう」「周りの人も頑張っているのに自分だけ辛く感じているのは甘えではないか」という風な考えになり、病気のサインを見過ごしてしまうことがあります。

明らかに無理をして過ごしているのに周りも自分自身も症状を軽視してしまうので、気づいたときには別の精神疾患を抱えていたり、不眠などの睡眠障害になってしまうという危険性が微笑みうつ病にはあるのです。

微笑みうつ病の人が周りにいたときの接し方

一見アクティブで楽しそうに笑っている人が、実は内面ではうつ病の症状に苦しんでいるということがあるかもしれません。

中には、自殺願望を持っていたり希死念慮に苛まれている人もいるようです。

そのような微笑みうつ病の疑いがある人が周りにいた場合、私たちにできることはないか考えてみましょう。

微笑みうつ病の人は、自分では病気だと思っていないことが多く、つらいのは甘えているからだと思い込んでしまうことがあります。

そして、自分自身で解決しようとするので抱えている悩みを周りに見せようとしません。

微笑みうつ病の人は、自分から微笑みの仮面を取ろうとはしないので周りの人が些細な異変に気づいてあげることが大切になります。

微笑みうつ病の症状を持っている人が周りにいた場合、なるべく早くカウンセリングや心療療法を勧めてみてください。

早期治療をすることで、精神状態が改善に向かう可能性が高くなります。

もし、微笑みうつ病の症状を持っていることを本人から打ち明けてくれた場合、否定やアドバイスをするのではなく、まずは話を聞いて寄り添ってあげてください。

勇気を出して打ち明けた相手に否定されるとますます心を閉ざしてしまう可能性がありますし、微笑みうつ病のことを理解せずにアドバイスをしても本人が傷ついてしまう恐れがあります。

「うつ病はこうである」というイメージでアドバイスをするのではなく、微笑みうつ病について分からないのであれば正直に伝えて、「一緒に調べていこう」というような言葉をかけてあげた方が本人も安心するのではないでしょうか。

まずは、話を聞いて受け止めてあげることから始めてみましょう。

まとめ

微笑みうつ病になりやすい人は、総じて自分の心をオープンにすることが苦手な人が多い印象です。

他人との間に壁を作って本心を隠してしまうので、悩みや不安を自分の内側に溜め込んでしまいがちです。

まずは、少しずつでもいいので自分が思っていることを親しい人に話すようにしていきましょう。

相談できる環境がない場合は、カウンセラーや専門の医療機関などに頼ってみてください。

「自分だけで何とかする」という気持ちは手放して、なるべく他人を頼るようにしていきましょう。

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精神科医/メンタルドクター

HSP気質とメンタルヘルスについて発信している精神科医。精神科外来で診療を行い大学で研究も行っている。instagramのフォロワー7万人以上。著書:頑張り屋さんのための心が晴れる本(KADOKAWA)、新刊:精神科医が教える笑顔うつから抜け出す方法(2023年8月16日発売)。私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?「他人の顔色ばかりみてクタクタ」「自分の意思で生きられない」「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」こんな他人軸の悩みでクタクタなあなたは、上記の私の名前をクリックして公式ブログから自分軸を目指しましょう♪

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