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HSPと『不安神経症』の違いとは?受診前に準備しておくべき内容について

精神科医しょう精神科医/メンタルドクター

こんにちは、精神科医しょうです。

私は普段、精神科での外来を行い、インスタやvoicyにてHSP気質に関する発信を行なっています。インスタにも遊びにきてね(外部リンク)

突然ですが、あなたは不安や心配を抱えた時にストレスを発散できていますか?

HSPの多くはストレス発散が苦手で、繊細な気質から不安や恐怖を人一倍感じやすく、抱え込みやすい傾向があると言う方も多いです。

HSPの中には、常に不安や心配事が頭から離れず、心身ともに何らかの症状が表れている方がいらっしゃいます。

もちろん、心配や悩みは誰にでもあるものです。

しかし、HSP気質が裏目に出ることで、不安神経症を発症してしまう方も一定数いらっしゃるため、日頃からストレスと上手く付き合っていくことが求められます。

今回はHSPが不安神経症を患った時にするべきことや、把握しておくことについて述べていきたいと思います。

HSPと不安神経症の違いとは?

HSPは様々な刺激を敏感に感じることができる生まれ持っての気質であり、病気ではありません。

しかしHSP気質の影響により、過度に不安を感じたり、心配や悩みを抱え続けたりすると不安神経症を発症してしまう恐れがあります。

HSPはストレス発散が苦手だったり、物事を深く考え過ぎてしまったりする傾向があるため、生きづらさを感じる方も少なくありません。

まずは自身の気質を見つめ直し、ある一定期間、不安や恐怖を感じ続けている場合は、一度専門家に相談してみることも選択肢の一つです。

特に負の感情を抱きやすい性格の方は一人で抱え込まず、必ず周囲や専門家に相談するように心がけましょう。

HSPが不安神経症を患った時にするべきこととは?

もし、不安神経症を患っていると診断を受けた場合は、どのように社会生活を送ればいいのでしょうか?

いくつか方法を紹介します。

・十分な休息を取る

不安神経症は、主に過度な不安を継続的に感じたことによるストレスや疲れが原因で発症してしまう病気です。

風邪を引いた時に体を休めるのと同様に、まずはしっかりと休息して脳と体を回復させましょう。

・医師の治療方針に従う

不安神経症はたいてい、行動療法と薬物療法により治療が行われます。

通院回数や薬の摂取回数、摂取量を必ず守り、治療に専念するようにしましょう。

くれぐれも、自己判断で通院を止めてしまったり、薬の量を増減させたりしないようにしてくださいね!

また、治療方針について疑問点や不明点がある場合は、遠慮せずに医師に尋ねるようにしましょう。

・粘り強く自分と向き合う

不安神経症に限らず、どの病も治すには根気が必要です。

特にHSPの場合は、従来の考え方やとらえ方を変えていくことが必要な場合もあります。

心理的な葛藤に苦しむこともあるかもしれませんが、自分と対峙し対策を取ることで不安や心配、恐怖に対する解決方法や遠ざける方法を見つけることができるかもしれません。

症状の緩和や解決に向けてのカウンセリングを行っている医療機関もありますので、生きづらさを抱えている方は、一度、問い合わせをした上で、受診されることをオススメします。

医療機関を受診する前に準備しておくべきこととは?

不安症状が長引いている場合には、一度、医療機関を受診することも視野に入れましょう。

その際に、事前に把握しておくべき自身の情報をいくつか紹介します。

  • 症状
  • きっかけ
  • 現在の生活状況
  • 生活歴

順番に見ていきましょう。

・症状

いつからどのような症状が出ているのかを正確に伝えましょう。

たとえば「5日前から心臓が脈打つような動悸が頻繁にする」「一週間前から一日に6回程度の眩暈がする」など具体的に医師に伝えるようにしてくださいね。

もちろん、もう少し具体的な説明が必要な場合は、医師から尋ねますので心配いりませんよ。

・きっかけ

不安症状が続くようになったきっかけがあれば、必ず伝えましょう。

たとえば「転職」「引っ越し」「進学」「結婚」など社会生活においての環境変化は、良くも悪くも心身に大きな影響を及ぼします。

・現在の生活状況

診察では、職業や家族構成を尋ねることもあります。

答えられる範囲でもかまいませんので、正確に伝えるようにしてくださいね。

・生活歴

具体的には「出生・生まれ育った場所」「幼少期の家族構成」「学歴」「職歴」「ライフイベント」「既往歴」「治療歴」「生活習慣」などを示します。

特に「既往歴」や「治療歴」「生活習慣」に関しては初診の際にはどの科を受診しても必ず聞かれる項目になっています。

生活歴も差し障りのない範囲でかまいませんので、可能な限り答えるようにしましょう。

もし、口頭で説明が難しい場合や、伝え忘れが心配な場合は事前に紙に書いていくことをオススメします。

また、体調の変化についての簡単な日記を付けておくことも、治療をしていく上で大変役に立つでしょう。

まとめ

今回はHSPが不安神経症を患った際の対処法について紹介しました。

不安神経症に限らず、どの病も早期発見と早期治療が大切です。

慢性化、重症化すると他の病を併発する原因にもつながりますので、少しでも心身に異変を感じた場合は、すぐに医療機関を受診してくださいね。

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精神科医/メンタルドクター

HSP気質とメンタルヘルスについて発信している精神科医。精神科外来で診療を行い大学で研究も行っている。instagramのフォロワー7万人以上。著書:頑張り屋さんのための心が晴れる本(KADOKAWA)、新刊:精神科医が教える笑顔うつから抜け出す方法(2023年8月16日発売)。私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?「他人の顔色ばかりみてクタクタ」「自分の意思で生きられない」「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」こんな他人軸の悩みでクタクタなあなたは、上記の私の名前をクリックして公式ブログから自分軸を目指しましょう♪

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