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『人間関係リセット症候群』と不安や恐怖の「防衛」メカニズムについて解説

精神科医しょう精神科医/メンタルドクター

こんにちは、精神科医しょうです。

情報過多によるSNS疲れや相手が見えない恐怖、日常会話の減少など、現代社会は私たちに新しい不安をもたらしています。

社会の構造が複雑化し、現代人は人間関係を構築することに多大な労力を要します。

一昔前は「お互い様」の精神や「相手を思いやる」精神が重視されていたようですが、近年はどうでしょうか?

世界中の人と簡単につながることができるようになった反面、相手の顔が見えないことで、簡単に心が傷ついたりしてしまうことが多くなったように思います。

今回取り上げる「人間関係リセット症候群」は心が深く傷ついた時に、衝動的におこなってしまう症例と言えます。

つまり、これ以上自分が傷つかないようにするための防衛反応とも言えるのではないでしょうか。

とはいえ、より良い人生を送るには、人の力や助けが必要なこともあり、必要がなくなったら関係を解消する行動を繰り返していては、幸せな人生を送ることは難しくなります。

では、どうすれば人付き合いを大切にしていけるのか?早速、考えてみたいと思います!

人が嫌いな人の特徴とは?

「人付き合いが苦手だけれども仕事上、関りがあり疲れる」

「本当は人と関わりたくないのに、自発的に関わりを持ってしまう」

「なぜか、人が寄って来る」

など、人嫌いの人にとって悩みはたくさんあるのではないでしょうか。

人が嫌いな人の特徴としては

・一人でいることが好き

・人と話すのが得意ではない

・他人に興味がない

・人を頼ることが苦手

・干渉されたくない

などがあげられます。

しかし、一人で行動しているとかえって目立ったり、集団からはみ出してしまった人の居場所にされたりすることも多く、なかなか心休まることがないといった声も聞かれます。

また、刺激を好むHSPの中には、本当は不安や心配で仕方がないのに積極的に人と関わろうとする傾向があるため、一人になった時に自己否定的になってしまうこともあります。

人嫌いの人はどちらかというと「人間関係リセット症候群」におちいる可能性を秘めていると言えますので、人を「大嫌い」になる前に休息を取るなどして自分の時間を作るようにしていくことがポイントとなります。

「人間関係リセット症候群」の原因と対策について

「人間関係リセット症候群」は医学用語ではなく直接的な研究もありませんが、典型的な行動パターンとしては、自身の許容範囲を超えた突如、連絡先を消したり音信不通になったりします。

もしかしたら、自分も過去にしたことがある…と思い当たる方もいるかもしれませんね。

人は「自分が大切にされていない」と感じた時に大きな悲しみと怒りを感じます。

「尊厳が傷つけられた」「無下に扱われた」「感情を無視された」などどれも、許せない事だと思います。

とりわけ、法的にもひどいことをされているのであれば、今すぐにでも人間関係をリセットした方が、今後の人生のためだと言えますが、そうでない場合は一旦、冷静に考えてみることも必要かもしれません。

考え方としては

・自分は感情をコントロールできているか?

・何に対してそんなに動揺しているのか?

・今まで相手にお世話になったことはないか?

・きちんと話し合った方が良くないか?

など、自問自答してみましょう。

相手に言葉で伝えることが難しいようであれば、言葉では上手く伝えきれないと断った上で、メールや手紙で伝えることも選択肢の一つです。

あなたが否定的にとらえていた相手は、もしかしたら今後の人生にとってのキーパーソンになるかもしれません。

「卒業したらおしまい」「退職したらおしまい」などと区切ってしまうのではなく、長い人生の中でどこかでつながり、お世話になることもあるかもしれないと、豊かに考えられる心のゆとりを持ってみましょう。

心を守るための防衛メカニズムとは?

私たちの体には危険な刺激を避けるために、目を閉じる反射などの防衛メカニズムが備わっています。

心にも自身が傷つかないよう回避するためのメカニズムが備わっていると考えられています。

いくつか取り上げてみます。

・抑圧

不快だった記憶がいつの間にか忘れ去られている。

・反動形成

本心では好きな相手に意地悪をしてしまう。

・分離

つらかった体験について感情を交えずに淡々と語る。

・否認

誰がどう見ても負けがはっきりしているのに、「負けていない」と言い張る。

・投影

自分では受け入れがたい考えや感情を、自分ではなく他人が持っているように見なすこと。

・退行

以前の発達段階に後戻りすること。

・同一化

ある人の性質を自分に取り入れることによって、その人と同一になろうとすること。

・合理化

もっともらしい理屈を付け、本心を隠して納得しょうとすること。負け惜しみ。

・補償

勉強はあまり得意でない分、得意なスポーツに打ち込んで能力を発揮すること。

・置き換え

職場の上司に対して向けられない怒りを、部下に八つ当たりすることで発散させる。

・昇華

喧嘩を頻繁に繰り返していた人が、格闘技の選手となって優勝するなど。

まとめ

今回は、人間関係リセット症候群とその他の防衛メカニズムについて触れてみました。

日常生活を過ごす上でも、自身に防衛のメカニズムが働いていることに気が付くことがあるかもしれません。

心のモヤモヤを感じた自分をまずは大切に思い、取るべく行動を考えていくようにしてみましょう。

私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。

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精神科医/メンタルドクター

HSP気質とメンタルヘルスについて発信している精神科医。精神科外来で診療を行い大学で研究も行っている。instagramのフォロワー7万人以上。著書:頑張り屋さんのための心が晴れる本(KADOKAWA)、新刊:精神科医が教える笑顔うつから抜け出す方法(2023年8月16日発売)。私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?「他人の顔色ばかりみてクタクタ」「自分の意思で生きられない」「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」こんな他人軸の悩みでクタクタなあなたは、上記の私の名前をクリックして公式ブログから自分軸を目指しましょう♪

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