まさかHSPはうつ病になりやすい?よくある落ち込みとの「違い」について
こんにちは、精神科医しょうです。
HSP気質はHighly Sensitive Personと言われ、繊細で敏感、共感性豊かな人々のことを指します。
HSPさんは知らず知らずのうちに無理をしてしまい、自分がうつ病にかかっている場合に気づけないことがあるんですね。
今回はHSPの人が心の病を自覚しにくい点や、落ち込みと心の病の見抜き方について解説していきます。
繊細気質で我慢強いので心や体に元気がなくても、積極的に人に相談したり病院に行こうとはしない方も多いのでは?
調子が悪ければ病院で治療が必要なので、うつ病を「気分的なもの」と捉えずに早く気がつけるようにしましょう。
HSP気質はうつ病に気づきにくい人も
HSP気質の人はとても心が細やかな性質であるため、気分の落ち込みが生じることも少なくないはず。
そういった状態になる期間が短いか長いかは人によって違い、長い人だと心の病により気づきにくいので要注意です。
特徴的に落ち込みやすいため
HSP気質には気分が落ち込みやすくなる特徴が多いので、仮にうつ病にかかっていたとしても「いつものように心の元気がないだけ」と思い見過ごしやすいです。
特徴と言えるのは思考の深さ、人の心へ高い共感能力、周りの空気を敏感に察知できる能力になります。
思考が深いと相手が何気なく口にしたことも深読みしてしまう、自分のした言動が相手に不愉快な思いをさせていないか考え過ぎたりします。
共感能力や空気を読む能力は人の怒りや悲しみなど、直接関係ないことも自分に投影させてしまうので普通の人より精神的な負担を負いやすいです。
これらの特徴によってHSPの方は心が傷ついてしまい、落ち込んでしまう人が少なくないのです。
人によっては落ち込みが慢性的
繊細な性質が強い人は精神が傷つく機会が増えるため、落ち込みが長く出て慢性的になっている場合があります。
うつ病を見抜く大きなポイントが落ち込む期間の長さですが、心に元気がない状態が慢性的という人だと症状が長く出ているかでの病との判別は難しいです。
気持ちが沈む状態が2週間以上あると心の病である可能性が高いのですが、慢性的な人はうつな気分になるのが毎日ということもあり簡単に判断できません。
うつ病とよくある落ち込みの見抜き方
心の病であるうつ病とよくある落ち込みの違いを見抜くには、心や体の面に異常がないかも確認して判断していきましょう。
第三者から見た自分の様子も参考にきくようにすると、他人から見て自分に変調があるか分かるので判別の材料になります。
心と体の様子から見る
うつ病にかかると体調面にも影響があり、落ち込む以外のトラブルが起こります。
心と体に出る変調の症状が自分にないかチェックし、病か気分なのかを見抜いてください。
・心で見るべき変調
心では「脱力感」「無関心」などないか見て、あれば病気による変調の可能性が高いです。
「本を読んだりテレビを長時間見る気力がない」
「旅行や遊びに行っても楽しいと思えない」
「食事もお風呂も面倒で何もしたくない」
精神的に力が湧かない状態のときは、うつ病のせいで脳も疲労し働きにくくなっています。
・体で見るべき変調
体では「食欲」「睡眠」「体の痛み」などないか見て、出ている症状が一つだけとしても病気による変調ということがあります。
「吐きそうなほど食べたり急に食べたくなくなる」
「布団に入っても寝れず3~4時間しか眠れない」
「原因不明の頭痛や腹痛に悩まされている」
「急に目が回ってクラクラすることがある」
頭や胃腸の部分はストレスに弱い部分なので、心の病ではこのあたりに変調が出やすいです。
・第三者から見た印象
うつ病による変調は表情面や行動面にも現れますが、自分では分からない要素なので第三者から見た印象が参考として役立ちます。
・表情面の様子
表情は変調があると溌溂とした顔を見せなくなり、表情が全く見られないことも多いです。
表情があったとしても暗く活気のない様子で、笑顔があっても不自然な感じがあります。
・行動面の様子
行動では口数が少なく人との付き合いが減るなど、対人関係で消極的な態度が見られるようになります。
うつ病では物事に集中しにくくなるので、日常の中で忘れ物や失敗など増えていきます。
HSPの影響ではなくうつ病だったら
落ち込みがHSPの影響ではなくうつ病であるなら、自分で何とかしようと思ってはいけません。
心の病気の多くは自然に完治することが困難であり、良くなったと思っても一時的に和らいだだけです。
症状の強弱を繰り返しながら悪化していき、その段階でプロの助けを借りて治しても再発しやすくなります。
すぐに病院で受診する
精神の問題を治療してくれる精神科・心療内科のある病院に行き、早めに自分の状態を診断してもらいましょう。
病気の可能性を自覚してからすぐに行くのがポイントで、受診するのが遅れるほど完治も遠ざかります。
他の病気に関しても言えることですが、早期発見・早期治療が病を悪化させず再発する不安をなくす鍵です。
適する治療は積極的に
現在の症状の改善に最も適する治療法を提案されたら、積極的に受けてみることが必要です。
中には気乗りしない内容の治療もあるかもしれませんが、元気になるためにチャレンジしてみてください。
症状に合う方法を試してみることで、完治する期間をより短くできるかもしれません。
うつ病をよくある落ち込みと間違わない
HSPさんは気持ちが沈むことが多いため、うつ病にかかっていても「いつもの落ち込み」と誤解しやすいです。
病気を気分と間違えたまま過ごすのは、悪化させる大きな原因になりえるでしょう。
繊細な気質は人に迷惑をかけることを気にしてしまいますが、落ち込みが病かもしれなければ周囲や病院に助けを求めることをいとわないでください。
まとめ
うつ病は普通でも自覚ができないものですが、うつな気分になりやすいHSPの人は特に気づきにくいです。
毎日毎日落ち込むこんでしまうタイプもいるので、自分が病気であるという疑いを感じにくいのでしょう。
もしかしたら心の病気ではないかもしれませんが、落ち込みがあるときはうつ病に見られる心身の変調など起こっていないかチェックしてみてください。
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