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HSPと高すぎる自己肯定感の「関係性」実は傷つきやさの裏返し!?

精神科医しょう精神科医/メンタルドクター

こんにちは、精神科医しょうです。

思考や行動が繊細なHSP気質と自己肯定感が高い人は、イメージ的に繋がりがないように見えます。

しかし自分への肯定感レベルが高すぎる場合は全くの無関係ではなく、実は隠れHSPであり傷つきやすい自分をごまかしているのかもしれません。

自分自身を高く評価することに強くこだわる人、そんな傾向がある人は今回まとめる当記事を参考にあなたが持つ本当の性質をチェックしてみてください。

HSP気質に多い自己肯定感の傾向は

HSP気質を持つ人の自己肯定感の傾向は全体的にあまり高くなく、自分に自信を持っている人は少ないといえます。

性質的にあれこれ考えてしまうので自分を精神的に弱いと感じ、自身の傷つきやすさを責めて好意的に受け止めることが難しいです。

基本的に自分への肯定感は低い

HSP気質は周囲の視線・ささやき声・雰囲気を気にして自分を抑えてしまうので、したいことができない自分への肯定感は基本的に低いのです。

言いたいことを口に出さず他人に流されて行動しやすい面を、内心でもどかしく思い否定的に見てしまうのでしょう。

上がっても再度下降していく

繊細気質の人は自分を肯定する感情が高くなるように努力しても、上がった状態を維持できなく再度下降させてしまうことが多いです。

自分の感情だけではなく共感能力で他人の負の感情をもらい落ち込みやすいため、一度は上がった自己肯定感がすぐに揺らいでしまいます。

頑張って上がった気持ちが下がり、また上げてを繰り返すことに、さらにジレンマを感じて自分に確固たる自信を持つことができません。

高すぎる自己肯定感とHSPの関係

HSP気質とは無縁そうな自己肯定感が高すぎる人が隠れ繊細さんの可能性があるのは、行動の裏に傷つかないための自己防衛意識が働いている場合もあるからです。

HSPは自分のことで他人に負担をかけることを嫌うため、自己価値を意識的に高く捉えて自分を支えているかもしれません。

弱さを見せないための意識の武装

プライドを高く持とうとするのは強い自信で意識を武装して、精神面の弱さを見せないようにしていることがあります。

自分自身を好意的に認める様子を周りに見せることにより、「自分は大丈夫」という暗示をかけて弱い性質を強く保とうとしているのでしょう。

強きを感じさせる言葉や振る舞いをすることで、他人に心配をかける・絡まれる・手を差し伸べられることを避けているとも見れます。

自己肯定感の高さの特徴に注目

自己肯定感が高い人の特徴の中には努力を惜しまない、揉め事がない人間関係への心がけがあります。

繊細気質の人は周りの評価を気にして過剰に努力してしまう、自他が傷つかないために人間関係の争いを避ける特徴を持ちます。

自分に高いプライドを持つ人の特徴とHSP気質の人の特徴に注目すると、類似していると思いませんか?

HSP気質の人の中には無意識下で他人に迷惑をかけない・干渉されないために、高い自己肯定感で性質を偽り自分を守っている人もいるといえます。

自己肯定感の高さに依存するデメリット

自己肯定感の高さで敏感な自分の心を守っているとしても、自信に依存してしまうとデメリットになる点もあります。

HSP気質の長所でもある心の柔らかさが損なわれやすいので、意識の武装にも問題点があることに注意してください。

失敗を認めることに強く抵抗する

自分を高く認めていると「この方法が良い」と自分のやり方が最適と感じやすく、失敗をしてアドバイスを受けても素直に改善点を認められず強い抵抗感を持ってしまいます。

自分が失敗した場合に第三者がくれる意見は成功するために必要であり、改善点を指摘してくれる人に向き合い耳を傾ける姿勢は自己成長のために欠かせないものです。

自己流にこだわっていると他人の意見を聞く柔軟さが失われ、あなたを高める可能性を低くする一因になりやすいです。

無理な努力を重ね疲弊してしまう

周囲に映る自分が良い印象でいられ続けるように過剰に努力を重ねてしまい、心と体に強い負担をかけるほど疲弊する場合があります。

自信がある人というイメージ像を崩さないために頑張り続け、体調不良や心の病などにかかってしまうかもしれません。

意識の武装があなたを追い詰める要素になって、心を壊す原因になってしまう危険性もあるのです。

高い自己肯定感への固執をやめるには

自己肯定感を高く持つことへの固執をやめるために必要なのは、あなたの本来の性質であるHSP気質を受け入れてあげる姿勢です。

拒まずに認めてあげる勇気を持つことで、繊細な自分の気質と上手に付き合えるようになるでしょう。

HSPが持つ良さを認める

HSP気質は他人の心に寄り添える優しい性質であり、心の元気がないときにいち早く気づくことができます。

他人の心を理解できる共感能力は自分を傷つけるばかりのものではなく、他人の心の痛みを知らせてくれるものでもあるのです。

直接何もしてあげられなくてもあなたが痛みに気づいて優しい言葉をかけるだけで、心の回復の助けとなれるかもしれません。

心の繊細さを責めない

繊細な性質は生まれつきのもので心が弱いからではないので、あなたの心の繊細さを責めないようにしましょう。

肯定感に固執する大きな理由は自分の性質を心が弱いと見て、自己嫌悪してしまう部分にあります。

HSP気質は感受性の高さによるものであり、心の弱さではないのであなた自身で自分を拒む気持ちを抱かないでください。

まとめ

自己肯定感のレベルがとても高い人はHSPと関わりがないように見えて、高すぎる点に隠れHSP気質である可能性が含まれます。

自分に自信がある人の努力・円満な人間関係の心がけに注目すると、HSP気質の人が持つ特徴と一致する部分が見えてくるはずです。

自分を高く認めることで心を守っているのであっても、依存しているとデメリットになる危険があります。

生まれ持つ性質がHSP気質であるのなら、自分の方向性を否定しないで受け入れてあげましょう。

繊細な心には紹介した点以外にも良いところがたくさんあり、ぜひ誇れるものとして認めてあげてください。

私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。

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精神科医/メンタルドクター

HSP気質とメンタルヘルスについて発信している精神科医。精神科外来で診療を行い大学で研究も行っている。instagramのフォロワー7万人以上。著書:頑張り屋さんのための心が晴れる本(KADOKAWA)、新刊:精神科医が教える笑顔うつから抜け出す方法(2023年8月16日発売)。私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?「他人の顔色ばかりみてクタクタ」「自分の意思で生きられない」「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」こんな他人軸の悩みでクタクタなあなたは、上記の私の名前をクリックして公式ブログから自分軸を目指しましょう♪

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