HSPが「抱きやすい」不安とは!?不安症との違いについても解説
こんにちは、精神科医しょうです。
HSPは人一倍、敏感で繊細な気質を持っているため、周囲からの理解が得られず、ストレスや生きづらさを抱えてしまうことが多いように見受けられます。
誰もが感じやすい不安、つまり、イベント前の緊張やプレッシャー、環境の変化にともなう心配や恐れなどは、比較的共感を得やすいようですが、些細な言動やにおい、音などで不快を感じたり、不安やストレスに苛まれたりすることは、なかなか理解を得ることが難しいようです。
しかし、多くの事柄に個人差があるのと同様、様々なことを感じ取る能力にも個人差があります。
HSPと接する際には、ただ単に「考え過ぎ」や「気にし過ぎ」と対応するのではなく、その人の個性として尊重できたら、お互い良好な関係性を築き上げられるのではないかと思います。
今回は、HSPと不安症の違い、HSPが抱きやすい不安感情について解説していきたいと思います。
HSPと不安症の違いとは?
HSPはさまざまな事象に関して、人並外れて敏感な気質を持つ人を指す概念です。
全ての生物のおおよそ2割はこの能力を持つと言われており、危機的な状況を察することに秀でているとされています。
感知力に優れているため、何もリスクがない場合でも、音や匂い、色などのわずかな刺激にも過剰反応してしまい、大きなストレス要因になってしまいます。
不安症は、日常生活の中で一貫して、心配や困惑を感じ、感情をコントロールすることが困難な状況を示します。
感情の昂ぶりや、不眠症状、不安を感じる頻度が不安を感じない日数を上回った場合に診断されることがあり、医師による治療が行われます。
ポイントとしては下記の通りです。
<HSP>
気質であるため、治療の対象ではない。
自身の性格と上手く付き合っていく必要がある。
<不安症>
感情のコントロールが難しく、社会生活に支障がでている場合、医師が診断し、精神療法や薬物療法を用いて治療される。
HSPが抱きやすい不安とは?
HSPはHSPではない人と比べると、脳の情動をつかさどる「偏桃体」の働きが活発だと言われています。
このことから、恐らくHSPは不快や恐怖、不安などを感じ取りやすい能力が備わっているものと思われます。
では、HSPは日々の生活の中でどのようなことに対して、不安感情を抱いてしまうのでしょうか?
いくつか考えてみましょう。
・良好な人間関係が築き上げられるか不安
人間関係が原因で疲弊したり、精神的につらくなってしまったりすることは誰にでもあるかと思います。
特にHSPは人から嫌われることに対して、不安以上の恐怖を抱いてしまうことも少なくないものと思われます。
常に人と良好な関係を築き上げなければならないと強く思ってしまう傾向があるため、ついつい「いい人」を演じてしまいます。
また、相手から否定や攻撃をされたら、悪いのは自分だと自責の念に駆られてしまうこともあります。
・仕事でミスをしたらどうしようかと心配でたまらない
誰にでもミスや失敗はつきものです。
しかしHSPの場合は、自分の失敗で人から咎められたり、人を不快にさせたりすることに対して怯えてしまいます。
「失敗は成功の基」だと言ってくれる人が側にいたら、心象はずいぶん変わるものかと思いますが、そう言ってくれる人に恵まれることは稀なことです。
・これから先が心配
経済状況、就職、結婚、子育て、老後のことなどふと眠る前に頭を過ぎってしまうと、なかなか寝付けなくなってしまったという経験は、誰にでもあるのではないかと思います。
HSPは先々の未来や出来事を想像して、不安に陥り、時に空回りをしたりして、疲弊することがしばしばあります。
考えても仕方がないことだと、分かっていながらも堂々巡りをしてしまうことがあるため、周囲からみれば、めんどくさいと思われてしまうのかもしれません。
不安感が強い時にはどうすれば良い?
生きている限り不安感情はどうしてもわいてきます。
不安そのものをネガティブなものとしてとらえるのか、ポジティブなものへ変えていくのかは、自身で感情をコントロールする必要があります。
では、どのような方法で対処していけば良いのでしょうか?
5つ紹介します。
①情報量を減らす
テレビやSNSなどから、少し離れてみるのも一つの選択肢です。
できるだけ入ってくる情報を減らして、ネガティブな情報に感情を左右されないように気を付けましょう。
②睡眠を取る
感情の起伏が激しい時は、それだけで心身を疲弊してしまいます。
頭の中を整理するためにも、十分な睡眠を心がけましょう。
③話を聞いてもらう
HSPは人に話を聞いてもらうことが苦手な人も多いかと思います。
しかし、自分の中にとどまっている心配や不安などの負の根源を外に吐き出してしまうことは、ストレス解消につながります。
普段は聞き役に徹している場合は、話を聞いてもらうことでエネルギーを補充しましょう。
④今できることをする
不安感が増してしまう時は、今の自分ができることに取り組んでみましょう。
集中することで、不安を忘れることができるかもしれません。
⑤体を動かす
体を動かしている間は、負の感情に深く悩まされることは少ないかと思います。
また、スポーツなどで汗をかいた後は、頭がスッキリしているという経験をした方も多いのではないでしょうか。
まとめ
今回はHSPと不安症の違いと、不安感情に対処するための方法について紹介してみました。
不安を抱かずに生きていくことは、できませんが負の感情を上手く対処することで、大きな原動力にもなります。
まずは自分がどのような時に不安を感じるのか傾向を知り、コントロールしていく術を身に付けていきましょう!
私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。
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